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葉に映るは


通り過ぎるだけだった駅が、
降りるのが楽しみな駅になりました。


時を1ヶ月ほど戻した、10月19日。

大道芸を通して知り合った友人のそのまた友人のご実家のお庭がとても素敵で、(私が)好きそうだと教えていただいたことがきっかけでご紹介いただき、豪雨の中お邪魔した前回がありました。


世の中、友人の友人は他人だなんて言う人がいますが。そんな淋しい言葉では片付けられません。
誰かの大切な人は私にとっても大切な人であり、友人の大切な友人は私にとっても大切です。そしてそのご家族も。


あれから3ヶ月半ほどが経ち、お庭の木々や花々の様子もきっとすっかり秋になっているんだろうなぁと思いを馳せていたところ、連絡が入りました。
そのお宅のお母様が「次はいつ来てくれるかしら」と楽しみに待っていてくださっているとのこと。


思いが通じ合えば、やはり他人などとは言えません。
…というわけで、お庭を再訪することが決まりました!
今回は、特に午前中は雨の心配もなく出発。

最寄りの駅からは川沿いを歩いて、山の方へ入っていきます。

柿の葉がはらはらと降る道にさしかかる
この坂を登っていきます
三叉(みつまた)
本当は、真ん中と右の道にも行ってみたい。

3本の分かれ道をみると、小さい頃によく母に読んでもらっていた『やまなしもぎ』という絵本を思い出します。


ゆけっちゃカサカサ

自然の声によく耳を澄ませ、
お地蔵様に手を合わせてから、
左の道に進みます。

どんぐりころころ
急な坂道、気を抜いて踏んでしまうと
足を取られます

前回の豪雨の時、この坂は滔々と流れる川になっていました。
山の頂上にある緑の屋根の素敵なお宅まではしばらく登りが続くので、川と化した坂道を進んでいきました。
全身ずぶ濡れでようやく辿り着いてほっとする私をあたたかく迎えてくださったご両親。


この日は、朝から眩しい太陽が昇って
気温もぐんぐん上昇
秋の赤い宝石『カラスウリ』を
遥か上方に発見
…と思いきや、目の高さにもありました◎

秋をあちこちに見つけながら。


登りきった先に広がる景色に癒やされました。

豪雨にも関わらずここで鶯が美しい声を響かせていて。足を止めると、聴こえるのは雨音と鶯の声だけの世界。
しばらく深呼吸をしてその声に聴き入り、息を整えたのを思い出しました。


葉が枯れ落ちて、
露地もののいちじくもそろそろ終わりです

私の周りにはいちじくが大好きな方がいっぱいいます。
今年はいちじくの出来があまりいい年ではありませんでした。
裏年なのか、もしくは天候の問題もあったのかもしれませんが、葉が落ちてしまえばそれ以上実は大きくならず、青く小さいまま使い道のなくなってしまう実に悲しみを覚えます。

キウイ

秋の実りに今年も感謝です。

柿とさつまいもと昆布を、すでにこの先当分買わなくてもいいくらい頂きました。

キウイの蔓の、
ぐるぐるチェックも欠かせません


“芸術の秋”はこんなところにも?
虫食いの葉の
芸術点が高い

食欲の秋と芸術の秋が繋がりました。
“虫の食欲”は、芸術。


こんなさりげない風景もすきです
中央の木の葉に注目

どこから垂れているのかもわからないくらい長〜い蜘蛛の糸にぶらさがって、風に吹かれてゆらゆらくるくるしていた木の葉。

天から地獄へ垂らされた『蜘蛛の糸(芥川龍之介)』は、いったいどれほどの長さなのだろうなんて考えたりして。


ひっそりと咲く山萩
和の風景に、突然のユーカリ🍃
からの、また和。

眼がずっと楽しい。
秋は来たけど、飽きは来ません(?)笑

しばらくなだらかな道が続き、竹林を抜けて最後にもうひと登りです。

小さい秋と、中くらいの秋、みつけた♪


到着です!

前日と比べて10度以上もの気温差があり、久々に夏日となったこの日。
ひと山登って汗びっしょりでしたが、吹き渡る秋風と爽やかな秋空がなんとも気持ち良い。

庭①はまさに秘密の花園
キウイの実と葉のシルエット

「暑かったでしょう」と、
おしぼりと冷たいハーブティーを出してくださいました。

キウイの木陰でひと休みです。

レモンバーベナのハーブティーと、
りんご煮と梅。
ほっぺが落ちそうなくらい美味しくて沁みた


お手土産に持っていったものたちをテーブルに広げ、食べ方や使い道を説明。
ちょっとした会話の中には大抵知らなかった貴重な情報やおもしろいお話が飛び出してきます。シェアやトレードは大事なコミュニケーションツールです。


秋の風に当たりながら、お母様とお庭でゆっくりお話をしました。
家族のこと、仕事のこと、介護のこと、命のこと、畑のこと、草花のこと。たくさんたくさん。

こうした時間が癒しとなり、次への活力となり、また人生の学びとなります。


お庭②は段々のある急斜面になっていて、これがまためちゃくちゃ素敵で。
鳥が運んで落としていった種から大きく育った木々がたくさんあります。

1段下から見上げた図
まだまだ下までは何段も

前回も案内していただいたお庭を、
再び1段1段丁寧に説明いただきながら案内くださる。

「すごい中、本当によく来ましたね」と、豪雨の時を思い出してふたりで大笑い。

背の高いユーカリの樹
庭中がユーカリのいい香りに満ちていました

こんな時、写真や文面に一緒に香りも載せられたらと、いつも思います。

ジューンベリーも、ミモザも、エルダーフラワーもあって、理想の庭園そのものです。
とにかく整えたいお父様と、自然のままを残しておきたいお母様とで対立することもあるのだとか。なんて幸せなエピソードでしょう。
一緒にお庭仕事をできるなんて素敵です。仲良く土作業をする光景が目に浮かびました。

明日は偶然にも11月22日、いい夫婦の日ですね!

植えたらご機嫌に育ってしまったという
『イエローストロベリーグアバ』

私の祖父もお庭にグアバを植えました。グアバもフェイジョアも、その当時は聞き慣れない珍果だったことと思います。
祖父は私が小学校の時に幽明境を異にしましたが、お庭には祖父の植えた『実の生る樹木』がたくさん遺ります。
グアバもそのひとつで、祖母からずっと「この木はグアバよ」と聞かされていたけれど、一度も実ったところを見たことがありませんでした。

実が生り始めたのは本当にここ最近。しかもグアバには黄色と赤があって、レッドストロベリーグアバに限っては今年始めて実りました。
祖母にも見せてあげたかったです。

桃栗三年柿八年のつづきを考えるならば、
『うちのグアバは三十年』といったところでしょうか。

嬉しくて嬉しくて、職場の方や友人知人の木の実好きの方々とシェアしました。

この『桃栗三年柿八年』ですが、
つづきには諸説あるようです。

✤梅は酸いとて十三年
✤柚子は遅くて十三年
✤梨はゆるゆる十五年
✤柚子の馬鹿目は十八年
✤枇杷は九年で登りかね梅は酸い酸い十三年

私が知っていたのは、
『柚子の大馬鹿十八年』。

祖父の植えたグアバはその上をゆく大馬鹿ということになりますね。笑
なんて愛おしい大馬鹿でしょう。

調べていたら『みかんのマヌケは二十年』もあると知りました。

職場の方へ

囲碁や将棋が大好きだった祖父は、地球温暖化など先の未来をすでに見透してグアバを植えていたのでしょうか。年々ぐんぐん逞しく育っています。
今ではたくさんの方と分け合うほどの実を結び、縁を紡いでくれています。

ガマズミの赤い実がキラリと一瞬
太陽のスポットに照らされ
美しかった瞬間
お近くに住む設計士さんが
2種の木材で作ったという、
頂上にある“みんなのためのベンチ”

最近設置されたそうで、木のいい香りがしました。
ここからの眺めは最高です。
座り心地も手触りも最高です。
つい座りたくなり、つい撫でたくなります。
通りすがりの方もご近所の方も、私も。みんなで譲り合って座りました。


しばらくここで寛いだあと、次の目的地へ向かうべく辞を告げました。

お土産にいただいた
お野菜とユーカリの束

ずんずん山を下り、
柿の葉のはらはらと降る道まで戻ってきました。

行きよりだいぶ増えていました!
誰かが落とした大切な御守を結び直す

次にここを通った時に気づいてくれるといいな、と思いながら。

スプーンを曲げて作られたネズミ

川沿いのお宅に、ユニークないくつかの作品が、歩行者に向けられ展示されていました。

電車を乗り継ぎ、いざ世田谷線へ。
次に向かうは三軒茶屋です。

都電荒川線に乗る時のような、
次はどんな車両が来るのか楽しみに待つ、あのわくわく感を思い出しました。

おっ!!!
招き猫車両です😺
車両は10種類あるようです

車内の女子中学生たちが、次にすれ違う車両の色や種類を真剣に当てっこしていました。(かわいい😳)

車内にも足あと🐾
連結部には赤い首輪と鈴まで♫


三茶への目的は、三茶de大道芸です。高知のお土産をお友達に会って渡したかったのもありました。


さてさて、お友達と合流です!

足元に落ちてきた木の葉🍂

いよいよTea timeの始まりです。

この日のゼロコ(2回目)のパフォーマンスのポイントは、学祭の行われている日本大学でした。

たった1回しか観ることのできないスケジュールでしたが、その1回のために何週間も前から予習していたこともありました。

なにが起きたのでしょう。
写真だけでは分かりませんね😂
後ろの立入禁止テープが事件感を煽る

ティーバッグのキャッチに、
失敗した図です。笑

寝転がったついでにそのまま
落ち葉で遊びだしちゃう角谷さん
自由〜🗽
お顔に見えます😯🍂


さてさて、
Tea timeは順調に(?)進んでいます

この赤いクロスがどのように敷かれ、どのように引かれるのかいつも楽しみ。何回でも楽しみです。

↑お気に入り写真
ゼロコマジックにかかれば、
観客の指だってほらほらキツネに🦊🍭🦊
どんな場所でも
笑顔いっぱいの素敵な劇場に変えてしまう
ゼロコのパフォーマンス
ポ〜ンッ💪💥と、
毎回弾けんばかりの筋肉

トランクや靴が地面にくっついて離れなくなったって、この筋肉隆々角谷さんがいてくれれば安心!
いつでもどこでも頼もしい角谷さん。
6つに割れた腹筋もあるようで…?!

今やTea timeに筋肉は不可欠です(?)

ご自身の靴はいつになっても
うまく履けないままですが…笑
そのつま先はなぜかいつでも美しい
赤鼻をうまくつけられない濱口さん

なんだかおふたりの“できない”ことを取り上げているような気持ちになってきてしまいましたが、それこそが空間を和ませ観客から笑顔を引き出す大事な要素なのです。


なかなかテーブルクロスを引かない角谷さんに痺れを切らして音楽を停める濱口さん。

音楽についついノッてしまう
角谷さんが悪いのか👈
はたまた、いいところで音楽を止めてしまう
濱口さんが悪いのか👉

ジャッジは観客に委ねられました。笑

わちゃ…わちゃ…


人間、生きていれば予定通りにいかない日だって、うまくいかないことだって、楽しくなって時間がつい押しちゃうことだってたくさんあります。


途中、
ポツポツ〜っと雨が降り出してきて、
ソワソワ〜っとしはじめる私達観客。笑


秋とゼロコがやっぱり好きです。
季節感のある大道芸が大好きです。

画になるティーセット☕
差し入れのお茶で、
テーブルがお茶だらけになっていました🍵

終わってから、お昼ご飯を食べていないことに気づきました。

大道芸ポイントの日大から駅のまで戻る際には、友人が買ったおしゃれなマロングラッセと、人気が出すぎて売り切れの続くグミッツェルをつまみながら蛇崩川緑道を歩いて帰ってきました。

お白湯を水筒に淹れて持ち歩いていたのですが、Tea timeを観てしまったのもあって、マロングラッセに合う濃いめの緑茶かアールグレイが飲みたくなってしまいました。

お次は、友人の観たい場所へ。
ドーナツとカフェオレを差し入れに買って、
グランダ三茶へ。

グランダは前の職場の同じ世田谷区内にある系列施設です。職場から大道芸を観れるなんて羨ましい限りです!
今年加わった新たなポイントなのだとか。


そしてそして。
三茶に来たらとっておきの楽しみがもうひとつ!

必ず立ち寄る、大久保青果(八百屋)です。

丹波栗・百合根・マコモダケ・菊芋を購入♪

なぜかここに来ると毎回百合根を買ってしまう不思議。腕に大事に抱えた2パックの百合根に気づいて、すかさず友人がツッコミを入れてくれました。笑


帰宅時間、小田急線が止まってしまいました。
田園都市線からの迂回経路もありましたが、いただいたお野菜とユーカリを小田急線沿線の駅に預けてきてしまっていたので取りに戻らなくてはならず、長時間の足止めを喰らってしまいました。

夜遅くなることや夜出歩くことは性に合わず、あまり好きではありません。できれば早くお家に帰りたい性分なのですが、こんな時は仕方ありません。

物事はいつだってプラス思考に、ポジティブに◎

友人たちと久々にゆっくりとお食事の時間がとれました。

(写真右端)
ジャムおじさんも、
シルバー人材センターを活用中かな?笑

スマホで撮ったので光ってしまって見にくいのですが💦
帰りの世田谷線の車内です。
どう見てもジャムおじさんにしか見えず、会話がひと盛り上がり。
それなら、そばにいる女の子はバタコさんの幼少の頃かな?と友人🤭

運転再開が予定よりも大幅にずれ込み、帰宅時間がだいぶ遅くなってしまいましたが、新鮮なユーカリのその香りを纏って揺られる各駅停車が心地よく。


睡眠を優先したため、買った食材たちは翌日お弁当のおかずになることはなく。笑
そのかわり、翌日の帰宅後には栗ごはん・マコモダケのグリル・百合根のスープ・菊芋の白和えをルンルン♪作って、秋の食材を堪能しました。


1日を通して、いろんな葉に出会いました。どの葉も美しく愛おしく。

春には花を、秋には葉を探してしまいます。

日ごとに葉を染めて落としていく風だけれど。葉に映るはそれぞれの形の幸せ。
風が吹く先々に広がる幸せな時間を、葉の数だけ想います。




いつもお読みいただきありがとうございます。

いよいよ寒い日も増えて参りました。

皆さま、どうぞ内に外にあたたかくしてお過ごしくださいませ🧣🌨


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