【感覚を育てよう】「初任でもバリバリ活躍したい先生へ】」熱海康太先生 + emotional
こんにちは!分散登校も落ち着き、「元の学校」に戻りそうな雰囲気が漂っていますね。みなさんの勤務されている学校は、皆さんのお子さんが通っている学校はいかがでしょうか?
TeacherAideのじんぺーさんが5月につぶやいたTweetです。どのようになっていくのか注目ですね。ただ、多くの先生方や子どもたち、保護者のマインドや姿勢は「元の状態」には戻らないと感じています。
どう理解し、行動していくか
ひとりひとりが向き合っていく時期がまだまだ続きそうですね。
さて、今回もオンラインイベントの学びをアウトプットしていきます。
書き上げている途中でなぜか感情が満たされていったので終盤かなり感情的(ゆるあつふわ)な文章になっています。
講師紹介:熱海康太先生(桐蔭学園小学校教諭)
今回登壇してくださった熱海(あつみ)先生(Twitter@jetatsumi)は桐蔭学園の先生です。公立の学校から民間、そして私学へと幅広く教員として携わってきた経験豊富な先生です。著書もたくさんあります。
駆け出し教師のための鬼速成長メソッド
教職一年目の働き方大全(共著)
即効!明日から使える!小学校の教育実践100
才能がなくても努力の仕方は変えられると自らの経験と実践のハウツーを踏まえ、たくさんの先生方のために様々なメソッドを展開してくれています。
最近、エモーショナルが大好物な私は熱海先生が書いた小説に惹かれています。(ポチりました。また眠れなくなるぞ。)
コンプレックスから見出した多くの実践
かなりの実践を積まれ、展開している熱海先生ですがそのSTARTは自身が抱えていたコンプレックスがきっかけだったそうです。
学生時代の経験や、教員として出会った学級崩壊。けして順風満帆ではなかった人生、彼が感じたコンプレックスは「人よりも成長のスピードが遅い」ことでした。
そこで彼は、コンプレックスを解消するためにどうしたらいいか考えます。
ここで、あきらめないというのもキーだよなあと感じました。あきらめずに「どうしたらいいか」考えるその思いが、現在の先生の教育活動そのもののように感じました。
(1)視て盗もう
(2)本質を隠す
(3)雰囲気をつくる
たくさんの教育実践についてお話してくださったのですが、私が印象に残ったものを3つ紹介させていただきます。
(1)視て盗もう
自分のコンプレックスを解消するために、とにかく上手なひとを観察し、真似していくことを意識したそうです。
黒板の書き方ならば、見た目、デザイン性、チョークの持ち方、目線、音、あらゆる視点から。
尊敬する人ならば、話し方、声、口癖、ファッション、あらゆるものを。
ここで私が感じたのは、その理想的な状態のコピー(そのまんま)になるという意味ではなく、視て真似をする、感じることによって、「いいな」「素敵だな」と思える要素を知れることが重要なのだなと感じました。
素敵な人のファッションを真似することによって、その人と同じになるのではなくその人のアイデンティティ理解につながっていくと熱海先生もお話をしてくれました。
(2)本質を隠す
隠すというのは私の表現ですが熱海先生は子どもたちに説明をしてもらうときに「まつだくん」を意識してもらうという実践を取り入れていました。
「ま」まずは
「つ」つぎに
「だ」だから
最初に説明の型を用意しておくことで、子どもたちが説明をしやすくするというのが建前で、重要なのは「型にはめる」のではなく「型破り」をさせるための型だそうです。これは目からウロコでした。
型通りに説明しなかった子どもに、「ちがうよ」ではなく「それもいいね!」「おもしろいね」というフィードバックをすることによって自分らしさにつながっていくのだと感じました。そんな先生の、本来の目的をあえて隠すことによって自然な形で自己承認のきっかけが生まれていくのですね。
(3)雰囲気をつくる
先生のお話を聴いていて、解決のための手法ではなく、気付きと雰囲気を本当に大切にしているのだなと感じました。
【習熟の差】を解決するためには学び合い、教え合いの雰囲気をつくるための仕組みとしてちょうどいいヒントをだすといった取り組みをしています。こちら側の課題を解決するのではなく、子どもたちの視点から考えた実践では教える子にこそメリットがあることを伝えています。
授業の導入で用いてる【常時活動】では、休み時間から学び、授業に向かう自然な流れをつくりだしています。休み時間には、次の授業の常時活動(例:「社会」資料しりとり、「算数」日付計算など)に向けて子どもたちのコミュニケーションが生まれます。
頭の使い方を口癖で
あの人より頭の回転が悪い
そんなコンプレックスも熱海先生にはありました。先生だけでなく、誰もが感じたことのあるものではないでしょうか。その課題感に対しても熱海先生は、頭の使い方に視点をおいて工夫をしていました。
そして見出した頭の回転が早い人の頭の使い方が以下3つ
◎「具体」と「抽象」
◎「メリット」と「デメリット」
◎「主観」と「客観」
それぞれを行き来しているというのです。
そして、そんな思考から出てくる言葉の一例を私の表現も含みますが以下にまとめます。
◎「具体(例えば〜)」と「抽象(キーワードは〜)」
◎「メリット(効果的)」と「デメリット(懸念点、裏を返せば〜)」
◎「主観(私は〜)」と「客観(データによると〜)」
そんな言葉を口癖にしてしまえば自然と思考と発言がつながっていくというのです。これは教員に限らず、あらゆる場面でも活用できますね!
感覚の育成が大切
総じて、熱海先生は結果を出さなきゃという取り組みよりも、感覚の育成が大切だとおっしゃっていました。
一見、綺麗事にも聞こえるかもしれないこの視点には、完成させることではなく、教育においては学ぶことが大切なのだという至極真っ当なことを自分の言葉で伝えてくれました。
「学ぶこと」には「結果を出すこと」がつきものですが、正解や結果のゴールは自分自身でつくりだすことが重要であって、大人や教育者が学ぶ側に強制するものではないですからね。
「ほめる」「しかる」の教育では、◎褒められないとできない子◎叱られないとできない子、を育ててしまう。だから、生活指導はIメッセージで伝えようというのにも共感しました。
ヒドゥン・カリキュラム(隠れたカリキュラム)の例にある「先生は笑顔でいればいい」を用いて、教育は強いるものではなく、感じて、そこから溢れるものだという思いも投げかけてくれました。共感です。
やっぱり笑顔は最強ですよね
自分の気持ちを大切に:感想
様々な実践方法を展開している熱海先生ですが、学びの価値を価値観や自分らしさという観点で大切にしているというのが強く伝わってきました。
先生自身が悩んだり、葛藤したりしてきたから、伝えられるメッセージなのだなと。
モチベーションを維持するために「何もやらないをやる時間を大切に」という言葉が個人的にはぐさりと来ました。
何もやらない時間大好きです。
どうしても、何かをするときには「結果」や「目的」を設定してしまいがちだけれど、先生の好きな言葉「100年後は皆骨」のように、私たちが設定している価値も無から生み出されているものなんだよなあと立ち返る時間は常に意識して持つべきだと思いました。
素敵な登壇をありがとうございました!
主催者のざるさんもありがとうございました!
勢力的に活動して頑張っている人から時折発信される以下のようなTweetが私は大好物です。
きっともっともっと広がっていくなあ。
おまけ「たぶんきっとぜんぶ「幸せ」」過去記事 walk.talk...より