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まだ寝たくない2歳 vs 寝かしつけたい母
夕飯の片付けを終え、ビーズクッションに腰を下ろして一息つくと、息子がやってきます。本棚からお気に入りの絵本を自分で選び、「え〜ほん、え〜ほん」と声を上げながら後ろ向きでトコトコ歩き、勢いよく私にダイブ!
「絵本読もうか〜」と声をかけながら、息子をお腹の上にピタッと座らせます。包み込むように手を伸ばし、一緒に絵本を読む癒しの時間。足元にはブランケットをかけ、ポカポカしたぬくもりの中、お話を楽しんでいると、じんわりと眠気が訪れます。
そうしていると、突然「ねんね!」と息子が宣言。これは寝かしつけタイムのスタートの合図。しかし、その「ねんね宣言」の後から始まるのは、寝かしつけたい母と、なかなか寝ようとしない2歳児の夜の攻防戦。この時、だいたい9時くらい。
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手をつないで寝室に行くと、息子は自分からベッドにゴロン。お布団を首元までかけると、ニヤニヤしながら体をくねくね動かし始めます。(体よ止まれ〜!)と願いを込めながら、少し強めにトントンしてあげます。ベビーシッターさんや保育士さん曰く「トントンしてたら寝ました」との実績が多数あり、これを信じてトントンを続ける私。
しかし、そんな私を裏切るかのように、息子の口から出てきたのは、
「トントントントン……アンパンマン♪」(ひげじいさんの替え歌)
そのトントンじゃないのよ〜(泣)そこからは歌い出したら止まらない息子。大声でヒットメドレーが始まります。
「コチコチカッチン、おとけいさん♪」
「ケロ、ケロ、ケロ、ケロ♪」
「わんわん、わわ〜ん♪」
このままではドーパミンが大放出してしまう〜(汗)私は人差し指を立てて「しー!」とボリューム調整を試みます。一瞬、小声になり「てへ?」と息子が笑うものの、次の瞬間にはまた大声。
仕方なく、抱っこ紐を引っ張り出し、息子を縦抱き。揺らして揺らして、強制的に眠気を誘う作戦です。
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こんな攻防を繰り返し、気づけば10時を過ぎることもしばしば。でも最近気づいたことがあります。それは、相手をするから騒ぐのだということ。そこで私は新たな作戦に出ました────寝たふりです。
「ママは先に寝るね。おやすみ〜」そう言って布団を被り、目を閉じます。隣でゴソゴソと動く音。歌い出す気配もなく、じっとしている様子。これは作戦成功かも?と期待したその時、まさかの一言が。2歳児とは思えないドスの効いた声で……
「あ゛や゛か゛〜〜〜」
と下の名前で呼んできた(笑)「ママ〜、じゃないんかい!」と思わず突っ込みそうになるも、必死に寝たふりを続けます。息子は「あやか〜、あやか〜」と呼び続け、私は笑いをこらえるのに必死。それでも寝たふりを貫くと、やがて息子の声が小さくなり、次第にスーッと寝息に変わっていきます。
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今日もなんとか戦い終了。
これが最近の我が家の寝かしつけタイム。愛おしくて、可笑しくて、時には泣きたくなる、そんな濃密な夜のルーティンです。