見出し画像

人は話し方(は聞き方)が9割?【「人は話し方が9割」永松茂久】

「人は誰もが自分のことが一番大切であり、自分に一番興味がある生き物である」一番印象に残った一文だった。「集合写真で一番先に見るのは自分の顔」の例が挙げられていたが、正直、その通り……。

画像1

自分のことを誰かに聞いてほしくて、認めてほしくて、分かってほしい、というのは当たり前のことなんだと知って、安心した。私はそう思いながらも、バレるのが恥ずかしくて隠そうとしていた。

自分が主役になったら誰だってうれしい。
主役にしてくれる相手のことを間違いなく好きになる。
そして自然と相手とのコミュニケーションがうまくとれていく。

その通り、と納得。

本書のスキルを実践し、「やっぱり」人は話し方(は聞き方)が9割だったか〜♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪と言えるようになりたい。(「やっぱり」と♪の意味は最後に)

ここからは本書を読んで感じたことや、やってみたいことを書いていきます。

1.話すことへの苦手意識

私は前職が教員だったから、人前で話すことには慣れている(はず)。

教室と先生女

しかし、自分の研究授業の講評で言われたことが、今も記憶に残っている。

語尾が聞き取りにくい

子供に対し、はっきりと話そうとするが、話すうちに次のことを考え、語尾があいまいになることに気がつく。集団に話すから、誰にでもわかる音量や言葉で伝えることは、教員にとって大切だ。

しばらくの間、はっきりとした語尾を意識してみたが、どうも話すテンポが狂う。数週間後、語尾ばかりに気をとられ、肝心な内容が伝わらなくなったら元も子もないと思い直した。それ以後は、あまり語尾を気にしないようにした。語尾が明瞭になったかどうかは、今でも分からないけれど。

本の中には「うまく話そうとしない」、「一度や二度の注意や失敗くらいで、会話を怖がる必要は全くない」と書かれていた。当時の自分がその一文を読んだら、すぐに語尾への意識は手放して内容の方に力を注いでいたかもしれない。

きっと同じように、ほんのささいな一言がきっかけで、会話が怖くなっている人もいるのではないか。そんな人を励ます点からも、この本はおすすめだ。

2.話し方は聞き方が9割

この目次を見て、「え?どういうこと?」と思った。話し方が聞き方?

画像3

話し方について書かれた本のはずなのに、聞き方が9割ってなんだかおかしい。

読んでいくと、この表現の意図は「相手が本当に求めていることを理解するために聞き役に徹し、相手にとってメリットのあることを話す(=相手を主役にする)」ということだった。

これにも納得。話すためには、聞く相手がいる。野球に例えるなら、ピッチャー(話し手)が投げた(話した)球(言葉)をキャッチャー(聞き手)がキャッチする(受け取る)感じ。

画像4

ピッチャーは投げたい方向にただボールを投げるのでなく、キャッチャーに向かってボールを投げる。

画像5

ところが、会話中にピッチャーがやりたいように会話のボールを投げてしまったら、チームメイトのキャッチャーが嫌になるのも無理はない。それを防ぐには、相手にもメリットのある会話を心がけることが大切だそう。

3.相手の名前を覚えてすぐに言う

よく海外ドラマの難しい交渉シーンで、こういう会話がある。

「あなたの名前を教えてくれない?そう、ジェシーね。ジェシー、難しいことは分かっているんだけど、どうしても今回これをお願いしたいんだ……」

画像6

「名前を知ったらすぐに相手を名前で呼び始めること」ってこれだ!と、頭の中でつながった。

このようなシーンでは、大体このあと交渉が成立する。名前を呼ぶだけで心理的距離が縮まり、相手に「仕方ない、やってやるか」という気持ちにさせるのだと思う。

初対面で突然、相手の名前を呼ぶのは気恥ずかしくて、私はなかなかできない。しかし、名前を呼ぶだけで海外ドラマのように、グッと距離が縮まったら、何か素敵なことが起こるかもしれない。

今度、挑戦してみよう。

4.相手が「幸せでありますように」と祈りながら話す

最後のこの一文に、感動した。いろいろなスキルが詰まった本書だったが、最後は相手の幸せを祈ることが究極のスキル、と締めくくる。幸せであるように祈ることは、相手のことを大切に思っていなくちゃできない。

画像7

やっぱり会話やコミュニケーションの元になるのは、相手を大切に想い、尊重すること。何か自分に嫌な気持ちがあったら、どこかにそれが現れる。

だから、苦手な人(ラスボスなような人)との会話を突然攻略するのでなく、大好きでリラックスできる人との会話から練習していけば、必ず話し方のスキルが身につくと、教えてくれている。

これから実践してみたいテクニックを、たくさん知ることができた一冊だった。

*  *  *

「「やっぱり」人は話し方(は聞き方)が9割だったか〜♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪」と言えるようになったら、きっとそのときの私は、今よりもっと楽しく、キラキラ輝く。

(話し方のテクニックとして、「やっぱり」と付け加えるのと、♪や!を10個つけるくらいのリアクションがいいとのことが書かれていました。文字にしてみると、♪めっちゃあるな〜!)


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集

この記事が受賞したコンテスト