2章 棚の位置、それが問題だ
すでにやる気満々の私はもう一度「ほんまる」に戻り、自分の棚をどこに出すのか考えた。なるべく人目につく所がいい。「ほんまる」は地下と一階がある。そう考えると地下はハードルが高いかな。実際に店内を歩いてみると、一番下と一番上の棚も目線に入りにくい気がした。でも敢えて一番上を選んで「天空の本棚ラピュタ」みたいな名前を付けても面白いかもしれない。まあでも初めての経験なので無難に目に入りやすい所にしよう。
そんな事を考えて棚を物色していたら気になる棚主の名前があった。
「山崎怜奈」
これはひょっとして、元乃木坂46の山崎怜奈さんなのでは！？そう思いスマホで検索するとどうやらご本人の棚のようだ。
…僥倖！
これを僥倖と言わずして何がラッキーマンだろうか。すかさず山崎さんの隣の棚が空いていないか見たが、残念ながら埋まっていた。そりゃそうだ、考える事はみんな同じだ。
しかしれなち効果を諦めきれず、れなちの棚からちょっと斜め上に離れた空き棚を申し込むと心に決めた。
「れなちもいいけど将棋もね！」
そんなやらしい宣伝文句が頭に浮かんでいた。
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