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稲川淳二の怪談ナイト2024感想-怪談より一番怖かったこと-
こんにちは。
福岡でテレビショッピングを中心に映像ディレクターをしている別府です。3児の母、共働きのフリーランスです。
昨日は、稲川淳二の怪談ナイト2024-ミステリーナイトツアー-怪談喜寿-へ夫婦で行ってきましてその中で一番怖かったことについて。
福岡の"まぶだち"(ファン)の前で住吉神社能楽殿にて怪談をするのは6年ぶり。私も確かに前回参加したのはかなり前だったので楽しみにしていきました。
稲川さんの怪談の魅力についても書いていきます。それではどうぞ!
レジェンドの現在
怪談といえば稲川淳二さん
稲川淳二さんといえば怪談。
そのくらい日本の怪談界隈ではレジェンドは今回「怪談喜寿」だけあり、現在77歳。
いよいよ私も、8月で後期交霊者となりますが、
— 稲川淳二 (@Junji_Inagawa) July 27, 2022
猛暑の夏、コロナの夏を、
力いっぱい乗り切る所存です。
後期交霊者となり(笑)、益々元気そうに肌ツヤも良く足取りも軽やか。
話に澱みがなく、緩急の付け方や声の大きさも能楽殿に響き渡るよう。
「あと10年は行けるな」と安心いたしました。
住吉神社能楽殿にて4days
福岡ではこのツアーお馴染みの住吉神社能楽殿。
貴重な戦前からある木造の劇場建築で2年の改修工事を経てやっと来れた、こじんまりとした200名ほどの地べたで座って鑑賞する能舞台です。
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大正時代、警固神社(福岡市中央区)の能楽堂が老朽化し演能困難になったため、昭和10年頃、能楽関係者から新たに住吉神社境内に能楽堂を建設する計画が興り、昭和13(1938)年秋落成、その後住吉神社に寄贈されたもの。
「怪談」の垂れ幕に雰囲気を演出する舞台照明。
腰掛けと和傘、稲川怪談と灯る行燈。
改修工事前よりかなり空調が効いて寒いくらいの現場で今回も満員御霊(笑)。トイレや入り口などキレイに生まれ変わり利便性も向上。
どんな大きなホールより怪談にぴったりの雰囲気で遠くからも参加者が来られるそうです。
ショーの中身
公演の中身はざっとこのような感じでした。
■怪談
・住宅街の神様
中野に住んでいた時に街中で見たタンクトップの神様
・4人の女子高生と海の女の霊
夏に海で遊ぶ3人の友達とあとから参加した女子高生の話
・奇妙な殺人、タイタニックの因縁
フランスでの殺人事件とタイタニック号の事故と酷似した小説
・廃屋の自殺者
カップルが肝試しをしに行った工場廃屋の霊の話
・空き家で見知らぬ女性
インチキ霊媒師と不動産屋が一晩泊まった空き家での話
・雪山での事故
雪の峠でスリップ事故を起こした男性の恐怖体験
■心霊写真解説
全国から集まったフィルム心霊写真の紹介
名人芸の数々と怪談より怖かったこと
有名な「やだな〜怖いな〜」という名台詞はご健在。
絶妙に腹の底からの高低織り交ぜた声喉のガラっとしたトーン。
え〜あの〜という映像業界用語でいうフィラーワードという間つなぎ多用。
通常のトークでは逆によくないというものを敢えて取り入れ唯一無二の存在感を作り出していらっしゃる。
稲川さんの怪談はYouTubeでも見られるので是非観ていただきたいのですが、最初に土地を言うのが雰囲気があって良いのです。
例えば「これね〜千葉の話なんです」みたいな感じ。
土地柄を思わせるというか、妖怪話に近い雰囲気。
更に、その後のディティールの話は大枠から入らず"懐中電灯を持って進む"ような局所的な状況説明なんですね。
「男が、そうだな〜40代から50代くらいなんですね。夏でも無いのにタンクトップ、そして半ズボン着て、桶を持ってるんだ。」
ひとつひとつ遭遇してその場にいて目で追うような話し方。
そして特徴的な効果音。
"バサバサバサ"とか"ザーザーザー"とか"コツコツコツ"とか
耳から入る臨場感がすごくて、しかも上手い。
向こうからこちらに歩いてくる靴音とか雨の強さ、扉が動く不気味さ。
緩急をつけた音量を口で出して本当にリアル。
しかも今回よく聞くと、少し長い。
映像の仕事してるとどうしても話をカットする編集点を頭の中で想像してしまうんですが、普通テレビとかで見せるようなシーンイメージより1ターン効果音が長い感じ。
「強い雨がザーザーザー、男二人が乗った車のワイパーがバーバーバー、水飛沫がバシャバシャバシャ」「ザーザーザー、バーバーバー、バシャバシャバシャ」で終わるかと思いきやこれがあと2回くらい。
この"妙な違和感"が不穏な空気を演出するのではないかと推察しました。
繰り返しがいつ終わるのか?どうなるのか?という人間心理を突く。
舞台照明も話に合わせて、流石長年の阿吽の呼吸で暗くなったり赤くなったりで面白過ぎました!
下記は怪談では無いんですが、稲川淳二さん実は御巣鷹山のJAL123便に乗らなかった話が(昨日も少し話されていた)YouTubeに載っていたので。
怪談はこわおもしろいのですが、隣の高齢男性が「〇〇を〇〇に記載しないとお宅に行きますよ、場所も〇〇の〇〇だってわかってんだ」とアンケート用紙にリアルで横で記入していたことが一番ビビりました。
霊よりも一番怖いのは生きている人間だわと思った次第です。
稲川淳二さんに学ぶ、好きを仕事にするということ
そもそも桑沢デザイン研究所を出られて工業デザイナーとして活躍していた稲川さん。工業デザインから舞台美術、タレント事務所マネージャー、タレントなど様々経て、今は怪談家としてご活躍だそうです。
この「好き」を色々やっていたら極めちゃった、っていうスタイルが素晴らしいなと。
だって怪談始めたの、7歳らしいですよ(笑)。
絵もデザインも好きで、子供たちが好き、演じる方も好き、色々やってたら今がある。
これアンパンマンのやなせたかしさんに共通するところがありますよね。
それなりの方は好きなことを色々やってそれぞれで結果を出してさらに声がかかる。そして行き着く先は子供の頃から好きなこと。
今回久しぶりにミステリーツアーに参加して、好きを仕事にする大切さ、それによりたくさんの"まぶだち"(ファン)が喜び楽しむ世界を体感。
あなたは今のお仕事、楽しんでいますか?
周りの人も巻き込んで楽しめていますか?
舞台演出的にも大変学びの多い経験でした。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
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