2019年締め。ネイティブ・アメリカンの儀式"スウェットロッジ"で恐怖と向き合ってきた。
今年の総括的な晴れ晴れしいエントリーが並ぶ中、かなりマニアックな内容を投稿しちゃうのだけど、今書いておきたいんだから仕方ない。
先日、一年の内省の締めとして、ネイティブアメリカンの儀式であるスウェットロッジという超絶マインドフルネスな体験をした。
これは言葉にするのがもったいないような大事な大事な時間になった。
帰ってきてすぐ「こんなこんなで、すごい良かったー!」と興奮気味に人に話したのだが、話せば話すほど陳腐で軽くなってしまうような気がする...言語化難しい。
そして写真・SNSはNGで、広く詳細をシェアするべきではないので、興味のある方は一回体験してみて、としか言いようがない。(ご連絡くださーい。)
※一見するとだいぶ怪しいが、壺も売られなければ会員とかも無いのでご安心を。
なので、儀式については詳しくは触れられないのだが、スウェットロッジ体験を通して「閉所恐怖症」と向き合ってみたよ、という話を書く。
狭くて暗くてすぐに出られないところが苦手。
私は狭い場所、暗くて何も見えない場所、すぐに外に出られない場所がとても苦手だ。例えば、満員電車やスキューバダイビング、調子が悪い時はエレベーター、映画館やライブハウスなど。
安全・安心を感じられていれば全く問題ないので日常生活は普通に送れているが、ひとたび不安が始まってしまうとそれに支配され心拍数が上がり過呼吸のようになり、怖くて怖くて気持ちが悪くなってしまう。
大人になってから強く出るようになったものの、最近はマインドフルネスのメソッドから症状をコントロールできるようになってきた。だが、いまだに初めていくエステサロンでのパックでは目を塞がないようにお願いしている。
閉所恐怖症の悪条件が揃ったスウェットロッジ
今回体験したスウェットロッジはまさに悪条件が全て揃っていた。
狭い、暗い、すぐに出られない。(おまけに灼熱。)
スウェットロッジとはネイティブインディアンの儀式で、ラコタ族とともに30年過ごしてきた松木正さんという方の案内のもと行われた。
スウェットロッジ・セレモニー
~ 自分と 自分をとりまく すべての生命とつながる時・場 ~
「スウェットロッジ・セレモニー」は、アメリカインディアン(ラコタ族)に伝わる7つの儀式の一つで、ラコタの言葉で「イニィピー」と呼ばれ、それは子宮回帰を意味します。
母なる大地の子宮をシンボライズした半円球のドームの中に、私たちは四つん這いになって入っていき、囲炉裏を囲むように座ります。真っ赤に焼けた石をドームの中に運び込み、水を注ぎ、蒸気が舞い上がる中、扉が閉まるとそこは大いなる存在と自分の世界。
泣き、歌い、声をおくり、スピリットに祈り、自分のオモイを眺めて、エネルギーやプロセスを感じて、あるがままの自分のオモイを音にして、自分と語り合い、大いなる存在に祈りをおくります。
感謝すること・願うこと・尋ねたいこと・コミットメント(宣言)・・・
受けとめあい、つながり合い、全てのものとの関係に「変化と成長」をもたらす「死と再生」のセレモニーです。
(引用:マザーアース・エデュケーションHPより)
実は、今回内容も知らないまま流れで参加が決まり、どんなところで何をするのかを数日前に知った。
そして、「おお・・・ついに閉所恐怖症と向き合う時がきたのか...」と受け入れることにした。
当日、松木さんに「実は暗くて狭いところが苦手なのでそれが心配です」とさりげなく伝えたら
「真っ暗で何も見えなければ、目を閉じても開けても同じ。つまり無限を無限と感じられるようになるよ」というようなことを言われた。
確かに私は普段から入ってくる情報量が多すぎる時や自分と会話したい時は、焦点を合わせないようにぼんやり見たり、目をつぶったりする。
そうすると自分の感覚にアクセスでき、物事を理解しやすくなる。
その時私が何を感じ、何を思考するかは自由だ。
そういう時間にすればいいのかもしれない、とヒントをもらった。
冒頭に恐怖の絶頂
そして、いざ、準備をしてスウェットロッジに入る時がきた。
私は入り口からは離れた場所に座ることになっていたことを思い出し緊張が走る。参加者10名が狭いロッジに入り、入り口のぶ厚く重ねられた毛布が降ろされ、一切の光が遮断された。
そこは熱せられた溶岩のほのかな赤色以外は何も見えない世界。
そのわずかな赤もみるみる暗闇に吸い込まれていく。
私の心拍数が一気に上がる。
心臓が喉元まで上がってくるような感覚。
「やばい、怖い。」「このままだと吐くかも・・・」
「どうしよう。でももう出たいなんて言ったらどうなるだろう」
「隣の人に手を繋いでとお願いしようか、でも絶対嫌だよね。もう限界・・・・」
そんな思考が一度によぎる。。。
今にも「すいません、出ます!」と声をあげそうだった。
でもここで夏にプチ超人化するために学んだウィムホフメソッドの感覚を思い出した。
この恐怖はまやかしであり、私の限界はここではない。
そうだ、そのためには「思考スイッチ」から切り替えるのだ・・・!
恐怖とともにいる。恐怖をただあるがままにしておく。
とりあえず、息は吸うんじゃなくて吐く・・・
そう、息を吐く、息を長く吐く。
少し落ち着くと、ウィムホフやっといて良かったー!とちょっと能天気な思考もよぎる 笑
こうなると少しメタ認知できているってこと。
でもまだ圧倒的に恐怖が優っていて動悸はおさまらない。怖い、怖い。
1秒1秒がまるで、1時間にも永遠にも感じられるような時間を過ごしたところで松木さんが話し出した。(実際は2・3分程度だっただろう)
ここでは詳しく書けないのだが、大地と繋がり、参加者みんなとも繋がる、という内容だった。
私は松木さんの言葉通り、自分と大地をつなげた。
そして何度も「ここは安全です。ここは安全です。ここは安全です。」と繰り返してくれたことで、安全を信じられるようになり、昼間の松木さんの言葉を思い出した。「そうだ私は無限を感じていれば良いのだ」と感覚で理解することができると、「ここは私の心の中なのだ」と思えて、自分でも驚くことに安心感すら湧いてきた。
そうして儀式の冒頭で恐怖と向き合い、つながりから無限を感じ、恐怖を乗り越えられたことでスウェットロッジでの3時間を、感謝や人を応援する喜びで満たされ、熱さも楽しくて、ずっと笑顔でいた。(今思うと、一種のトランス状態だったのかな・・・?)
思考からセンシエントな自覚へ
そんなスウェットロッジ体験を含む不思議な24時間を過ごした最後のチェックアウトで私はこう話した。
「私はつながりによって恐怖を乗り越える体験をした。つながりを感じるために恐怖があったのかもしれない。これからもつながりを感じることで恐怖を乗り越えていくんだと思う。」
そして2020年に大切にしたいことが鮮明になった。
それはセンシエントな自覚。
センシエントな自覚とは言葉になる前の微細な感覚を自覚していること、とも言える。
思考モードもとても大切なので、思考モードとセンシエントな自覚を自在に行き来できるようになりたい。
これをテーマの一つに持ち、私はスウェットロッジで誓ったことを果たすべく2020年を生きていくことになるのだろう。
Ho Mitakuye Oyashin
Tunkasila WakanTanka
(おまけ)
一緒に体験したマインドフルネス仲間の中村悟さんも早速noteに書かれていました!
お正月明けにこれを読むのが楽しみ!松木正さんの著書。
「あるがままの自分を生きていく ~インディアンの教え」
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(おしまい)
※写真はイメージです。