見出し画像

「映画祭35℃」2023

 そんな名前の、新しい映画祭が開催されることに決まった。

 2023年、歴史を塗り替えた猛暑により、日本は全国どこでも亜熱帯と化したことを全国民が知ることとなった。
 この、2023年の突然の気温の上昇に日本各地で熱中症や、暑さが原因の不注意による事故が多発した。
 政府は緊急の有識者会議を開き、国会に意見を提出し、気温が35度を越えた時は、個人の判断で、仕事を休んでいいことという法案が通過した。
 なお、35度を越えると予想された地域には、緊急アラートによって、仕事を休んでいいという旨の緊急メッセージを送るシステムが構築された。

 今日も、緊急アラートが鳴る。
 まあ、私の家では、2人ともすでに退職しているから、アラートが鳴ろうが鳴るまいがどうでもいいのであるが。

 というわけで、今日我が家では、すべての家事を休み、26℃に設定された冷房の効いた室内で、映画祭が開催されている。(実際の室内の気温は28℃である笑)中身は、我が家のセレクション!ネットフリックス等、サブスクが全盛になる前に、忘れがたい、もう一度観たい映画として、我が家にコレクションされたものである。DVDやブルーレイで買ったものもあれば、まとめてレンタルから借りてきて、ダビングしたディスクもある。

 今回の映画祭のテーマは「シャーロック・ホームズ」の①と②である。

 シャーロック・ホームズをロバート・ダウニー・ジュニア。
 助手ワトソンをジュード・ロウが演じている。

 ダウニー・ジュニアが、同時期に、アイアンマンという当たり役を得ていた時の、シャーロック・ホームズ。どちらも、当たり役としかいいようがない。俳優人生の油の乗った時期というのか?
 どちらのキャラもとにかくチャーミングで彼以外の配役が思いつかない。
 インディジョーンズやハン・ソロが、ハリソン・フォードしか考えられないのと同じだ。

 ダウニー・ジュニアが演じるホームズは、繊細で、大げさで、ちょっと病的で、結婚間近のワトソンに、いつまでも自分の相棒としてそばにいて欲しくて、絡むくだりは、ちょっと同性愛的だ。
 また、相手役のワトソン君が、ちょっと従来のワトソンのイメージと違う、ホームズと違って現実に手際よく対応し、女性の扱いが上手い紳士、医者でありしかも退役軍人で腕もたつジュード・ロウという配役は、ホームズと同じぐらい魅力的な男である。(スピルバーグの「A.I」という映画でのジュード・ロウのロボットの美しさと言ったら!この映画を観るとなぜか愛犬のような愛しいものを思い出して涙腺が決壊するヤバい映画だが、この映画もコレクションしたいものの一つ)

ホームズとワトソンが対等にかっこいい(⋈◍>◡<◍)。✧♡

 そんな風に素敵な2人が絡み合うシャーロック・ホームズが面白くないわけがない。
(大概、ダウニー・ジュニアは滑稽で、それを静かに受け止めるオトナのジュード・ロウが素敵!でも、ものすごく怒っている時もあるけど)

 それに重なって、ホームズの頭の切れ方が、ホームズ物の面白さと思うが、この映画の話の筋の運び方のスピード感、アクション、頭脳を駆使して肉体派でも強さを発揮していて、とてもかっこいい。
 物語の面白さ、見せ方、脚本、テンポの良さ、当時のイギリスを再現した重厚な美術、シャーロックホームズと手漉きの紙にカリグラフィーのペンで書かれたタイトルといい、全てが、美しく、好ましい映画である。

シャドウゲームは2本目。最強のライバル、モリアーティ教授が出てくる。

 それにしても、シャーロック・ホームズっていうキャラクターを始めに創り上げたコナン・ドイルの功績なんだろう。
 この映画を2本見終わった後、原作にこのホームズぐらい頭の切れるモリアーティがどんなふうに登場しているのか、調べたくなったし、カンバーバッチのホームズもテレビでずっと観ていたが、ドラマなのにいつも見ごたえのある映画を1本観たような面白さだったことも思い出した。
 もう一回、カンバーバッチのホームズも観たい。

 私個人は推理小説に初めてハマったのは小学生とか中学生の時で、ホームズとルパンのどちらがスキかと言われれば、圧倒的に洒脱で、柔軟で何にでも化けれるルパンの方であった。コカイン中毒の気難しい探偵の良さは子供には分からなかったと思う。

 しかし、そうやって、キャラクターでこの世界を探してみると、いろいろな魅力的なキャラクターが沢山いるのかもしれない。
 勝手に、いろいろなキャラクター祭りを開催してみるのも面白いかもしれない。自分の好きなキャラクターをあちこちから集めてきて、なぜスキなのか考えてみたら、自分が心の底から求めているものがわかるかもしれないからだ。ホームズを観てしまったら、次の映画祭はクリストファー・ノーラン監督の「バッドマン・シリーズ」かな?

 もう一人の映画祭の主催者と相談して決める。

 

 


この記事が参加している募集