じいちゃんと過ごしたラストイヤー
ブラジル時間 6時
その頃、日本時間 18時
会場に響く木魚の音、僧侶のお経と、
時折聞こえるすすり泣き。
祭壇には体育教師だった頃を彷彿とさせる凛としていて、
少しいたずらっぽい笑顔。
スマートフォンの小さな画面越しから最後の別れを告げた。
オンラインで葬儀に参列するのは初めてのことだった。
「はよ逝かせてもらえればいいんじゃがなぁ。」
ふと、祖父との会話の一コマが頭に浮かんだ。祖父の意識の先には病気の完治ではなく、死があるのだと初めて感じた時のことだった。
そんな祖父