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一人で踊るべきか、誰かと踊るべきか? 神経系から考えてみた

 昨年からのお気に入りチューンがある。こちら。

豆知識をご紹介。Tayla Parxは、映画版『ヘアスプレー』などにも出演。アリシア・キーズ“In Common”、ジ・インターネット“Special Affair”、ジャネル・モネイ“PYNK”を始め、マライア・キャリー、ジェニファー・ロペス、BTSなど数々の人気アーティストの楽曲を手がけるシンガー・ソングライターなんですって。へ〜、アリアナ・グランデの7ringsもなんだ、すごい! って、大丈夫です。音楽のことを無駄に詳しくなくても、今日のトピックはついてこれます。

話はもどって...........はじめてこの曲を聞いてからというもの、サビの

♬I don' t wanna  dance alo~~~~n♬

が、走馬灯のように頭を駆け巡りまくって、心の内でも外でも熱唱しながら踊っていた。だよね〜〜、一人でなんて踊っていたくないよね〜〜、と深くうなずきからら、家でアローンで踊っていた。「♩まだ家に帰る準備なんてできてないよ♩」なんて、文句にはさらに胸キュン💜だ。上のアニメーションもビデオもとてもキャッチーで、はじめは意気揚々としてこれに夢中だったが、ご本人登場のこちらのビデオを発見した。

あれ?? ビデオの出だしにわんちゃんいたけど、基本的には、家で、パジャマで、一人で踊り倒している。しかもめちゃくちゃ楽しそうだ。ミラーボールも大回転! しかもよくよく考えてみると、タイトルは「DANCE ALONE」、訳して一人で踊る。 Taylaの提案は、一体、一人で踊りましょうよなのか、 みんなと踊りましょうよなのか、すっかり道を失った。 そして、さらに混乱の極みは....秋に出た次のビデオに遭遇したからだ。

あらもう大変!!!  #dancefromhomeのハッシュタグ付きで、登場人物みんな、それぞれの家でかなりの熱量で踊っている。 人種も年齢も性別も体型もまちまちダイバーシティ&フリーダム、共通点は誰もがみんな主役級にエンジョイしてダンスしていること。あ〜〜、正直言って、なんだか勇気をもらっちゃう感じだ。一人で踊っていいんですよ。実は、みんなこうやって一人で踊ってるんですよって、許してもらえたような気がして。

副交感神経の2つのモードを知っていますか?

 さて、ここからやっとカラダの話。神経系の話だ。神経系といえば、自己調整をはかる自律神経が有名だが。この自律神経についても、最近いろいろなことがわかってきた。これがスティーブン・W・ポージャス博士による多重迷走神経理論だ。これにによると、これまで自律神経といえば交感神経(緊張・覚醒モード)と副交感神経(休息・消化モード)の2種類だったが、、副交感神経の中にもさらに2種類あることが判明した。

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まずは一人でリラックスする時。背側迷走神経を使う。一人でご飯を食べたり、ぼ〜っとしていたいなと思ったり.....人といることやしゃべることに疲弊してしまって、とにかくアローンの自由気ままな時間と空間が欲しい!というときはこちらの背側迷走神経が働いている。いわゆる「休息・消化モード」だ。

もう一つのモードは、「社会的つながりシステム」の神経とよばれる、二人以上、他者とのつながってのリラックスの神経、いわゆる「つながりモード」で、腹側迷走神経と呼ばれる。哺乳類にしか見られず、社会交流システムに関わる活動を支えている。

さらに...少し複雑にはなるのだが.....1つめの背側迷走神経には、レベル(程度)がある。この背側迷走神経、リラックスモードを司りながらも、交感神経(プラス)が過度に高まるような、強いストレスを受けた後には、副交感神経(マイナス)の側へも、大きく振れることがある。この大きくマイナスへ振れる副交感神経は、通常の回復のためのマイルドな背側迷走神経とは違い、「フリーズする背側迷走神経」となる。その状態になると、表情が少なくなったり、呼吸が浅くなったり、体が動かなくなったり、感情・感覚が鈍くなったりなど、様々な活動がシャットダウンされる。これも本能で備わっているもので、脳が過度のストレスを受け続け「このままでは危ない!」と判断すると、
自分の意志とは無関係に自動的にシャットダウンのスイッチが入り、やる気がなくなったり、「うつ状態」になる。

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こちらの図は『「今ここ」神経系エクササイズ/浅井咲子』より引用させていただいた。↑は神経系の度合いで、図の上のほうにいけばいくほど、緊張度を増す。命の危険にさらされているということだ。逆に、交感神経の活性化が低い時は、繋がりモード(腹側迷走神経)で過ごすことができるが、もしくは消化・休息モード(おだやかな背足迷走神経)が働くということだ。

浅井さんのこちらの本から引用させていただくと.........「アクセルとブレーキの自律神経系には、【やすむ・たべる】【誰かとつながる、なかよし】【たたかう、にげる】【こおりつく】これらの4つの状態があります。自律神経系が普段ほどよくマイルドなブレーキであるつながりモード(なかよしの腹側)と、休息・消化のモード(パンケーキの背側)を使い、緊張が必要だったり、身を守る時はたたかう、逃げるのアクセル(ライオン・うさぎの交感神経)を稼働させます。そして非常時でアクションをとることさえ危険なときは、急ブレーキ(こおりの背側)を働かせます。このようなパターンが神経に構築されていれば、快適な生活を送ることができるのです」

わかりやすっ!

背側からか腹側からか.....実はオンになる順序がある!

ここでやっと今日の本題。実はこの2つの副交感神経を有効に働かせるためには、順番がある。答え↓

背側迷走神経が働く時間がじゅうぶん確保されていると、次に二人以上でリラックスできる神経、腹側迷走神経が働きだす。

そうそう、隣人を愛するより前に、まず自分を愛さないといけない。自分に優しくしなくてはならない。安心できる場所で、ゆっくりご飯食べて、そして...ダンスアローンして.....

やっと今日の話のオチが見えてきた。汗。

私たちは、いま、このコロナという状況下で、カラダも心も神経系もフリーズしている。いや、フリーズまでいかなくとも、少なくともスタックはしていると思う。哺乳類は生物として、腹側迷走神経を使うためにも人とのつながりが必要だ。(こんな遠回しな言い方しなくても....w)。そして背側よりも腹側迷走神経でリラックスしていくほうが、調整がつきやすい=神経系に優しいという。

でもね........一人で、お気に入りのチューンを爆音でかけて踊っていると、その時は少なくとも孤独を感じない気がする。体が動いている。神経系も内臓も揺らされている。そして何よりも、音楽が、リズムが.....最高の友達になってくれる。ありがとう!Tayla💜

あれ???

今日の回答は、マイルドな背側(休息・消化モード)をオンにしてから、腹側(つながりモード)をオンにするから、一人で踊ってこそ、それからのみんなでダンス!という流れだと思っていたが、変わっちゃった。

ダンスアローンも、立派な腹側迷走神経オンなんだ。

音楽とリズムの力を借りて、揺らして行こ。

カラダも。

感情も。

神経も。

がんばろ。

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