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祈ることは宣言すること~「よい祈り」を習慣にして「運のいい脳」に変える~

最近、朝のウォーキングで近所の神社に行っている。

恥ずかしながらこれまでは、神社に行くのは年に一度、お正月に初詣に出かけるときくらいだった。
罰当たりなことに、人が多く並んでいたりすると、とりあえずおみくじだけ引いて帰ってしまうなんてこともある。
(ちなみに今年は大吉だった!)

そんな私が、散歩コースをいつもとは少し変えて、気まぐれに朝から神社に行く日が何日か続いた。

一日目はふらっと行ったので何の準備もしておらず、なんだかばつの悪い気持ちになったので、翌日はお賽銭を用意して向かった。

神や祈りだとかに縁遠い私でも、きりっとした冬の朝の神社からは神聖なものを感じる。

そして、信じているのかもわからない神の前に立ち、祈った。

というよりも、宣言した。
今日一日、私は何を大切にし、何をします、と。

最近、『自分という壁』(大愚元勝・著)という本を読んで、祈りについて新たな認識を得たところだったのだ。

この言葉の語源には諸説ありますが、そのひとつは「意を宣る」というもの。「自分はこうしたい、こうありたい、こうなりたいのだ」という、未来に向けての意志や意図を自分自身に対して宣言することであるといわれています。
「いのる=自分の想いを宣言する」ことによって、他力本願ではなく、自分で決めたこと、目指すこと、実現したいことを自分の力で成し遂げていくことにつなげていくのです。すなわち「祈り」とは、神様や仏様に向かって「〇〇をかなえてください」「〇〇になりますように」とすがるのではなく、「私は〇〇を実現します」と宣言する行為なのです。

大愚元勝. 自分という壁 あなたの幸せを邪魔するのは他人ではなく自分自身. アスコム. 2023. p246


祈ることは、宣言すること
これまでも、一日の初めにその日の目標を手帳に書いたりしていたが、それも祈ることだったのかもしれない。

しかし、実際に一日が始まると、目の前の些末なことにとらわれてしまい、今日はこうしよう、と思っていたことをつい忘れがちだった。

それが、神社で宣言した日は、そのことが頭に強く印象に残り、一日を通して意識を保つことができた
私は弱いので、自分との約束を忘れてしまったりないがしろにしてしまうが、神の前で自分に約束したのだから、と思うと、背筋がシャンと伸びる感じがした。

なるほど、信心深い人々は、神という自分を超越する存在を感じることによって、自分を律しているのかもしれない。
しかし私はやはり、宗教や神を信じるというのがしっくりこない。
それよりも、思考や哲学として、祈る=宣言するという習慣を持つ、と考える方がしっくりくる。

「祈る」ことについて、以前読んだ本でも書いてあったなと再度手に取ったのが、『新版 科学がつきとめた「運のいい人」』(中野信子・著)だ。

運がいい人について科学的に、参考文献を紹介しながら述べられている本なのだが、そんなファクトベースの本のエピローグに、「祈り」を習慣にしようという話が書かれてあり、少し意外に感じたので覚えていた。

運をよくするためには、まずは脳を「運のいい脳」に変えてしまう、という方法が紹介されている。

ここまで、運がいい人の共通の考え方や行動パターン、また運をよくするための振る舞いについて書いてきました。結局、運というのは、その人がもともともっているものではなく、生まれつき決まっているものでもなく、その人の考え方と行動パターンによって変わる、といえます。
だとするなら、その人の考え方や行動パターンを決める脳そのものを「運のいい脳」にしてしまえばよいのです。

中野信子. 新版 科学がつきとめた「運のいい人」. サンマーク出版. 2023. p200


この「運のいい脳」にする方法として、「祈り」を習慣にするとよいという。
よい祈りは脳にプラスの影響を与える、ということが前の章で紹介されており、ざっとまとめるとこんな感じだ。

・人間の脳には前頭前野内側部と呼ばれる部分があり、ここは自分の行動の評価を行っている
・祈りの内容についても脳は良し悪しのジャッジを下している
・自分のことだけを考えた祈りよりも、自分以外の誰かの幸福も願った祈りの方が「よい祈りだ!」と脳が判断する
・脳が「よい祈り」と判断すると、多幸感や快感をもたらす物質が脳内に分泌される
・逆に「悪い祈り」と判断した際には、ストレス物質が分泌される

そしてこの「祈り」は、たった一度では効き目はない。
人間の細胞が入れ替わるには約3ヶ月かかるといわれており、脳のほとんどは脂肪でできているので、骨などの硬い組織ではないことから、同様に3か月ほどで細胞が入れ替わるといえる。

だから、「祈り」を習慣化することで、脳を変化させていくことができる。

著者は本書の中で、朝と晩の1日2回、祈る方法を推奨している。
朝は、前向きな気持ちで、「将来なりたい自分」「成し遂げたい目標」について集中して祈る。
夜は、その日一日を振り返って、目標に向けて何ができたか、明日できることは何か考える。

これって、手帳やノートを書く習慣のある方は、割とやっていることなのではと思う。
私も、朝のルーティンとして、前日を振り返り、今日の目標を考える。

ただし、著者は、脳にはまさに「ルーティン化」という性質があり、「考えなくてもできること」を増やそうとする性質があると指摘している。

祈りも、惰性で祈っても脳によい影響を与えられない。
毎日しっかり意識して、心からの「よい祈り」を捧げる。
これを繰り返していけば、「運のいい脳」に変化していくという。

私も、毎日は神社に行けないが、手帳を書き、祈ることは日々どこでもできる。
よい祈りを習慣にしていこう。

【追記】
★行動に落とし込み習慣化するポイント
いつどこでやるか、決めておく
→「脳はルーティン化するのが上手」を利用する
逆に5W1Hが決まっていないと迷ってしまって挫折しやすい
例:朝、起きて白湯を飲みながら手帳を書くときに祈る、と決める

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