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言葉にならない思いを、どう伝えるのか

思っていることが、なかなか言語化できない。なんとなく「こんな感じ」というイメージはあるのに、それを伝えるのが難しい。「こんな感じ」の「こんな」って、一体どういうことなのだろう。

noteで毎日更新を始めたばかりの頃、まだ全然読んでくれる人が少なかったときに「あやめしちゃんの記事は、自分が思っていたことを上手に言語化してくれている」と、何人もの人に言われたことがあった。あまりにも色んな人に言われるものだから「そうか、わたしはちゃんと言語化ができる人なんだ!」と思った。特に何かトレーニングしたわけでもなく、心の中で思ったことをそのまま書き出していただけなのだけれど、それが上手いと言われ、「あれ、わたしちょっといけるんじゃね?」なんて思っていた。

あれから数年の月日が流れ、「ちょっといけるんじゃね?」からさらに経験と知識を積んで、文章を書くことを仕事にした。

そして今、思ってもみなかった「言語化するの難しい」の壁にぶつかっている。かつてはすらすらと言葉が出てきていた。でも、今はちがう。どう表現したらいいのか分からない。どういう言葉を使えばきちんと伝わるのかが分からない。

何年も言葉と向き合って、自分の書いた文章が伝わる経験も伝わらない経験もしてきた。自らの思考の癖も、書き方・表現の仕方の癖も、分かるようになってきた。色んな知識がついてきた上でぶちあたっている「言語化難しい」の壁。

多分、過去のわたしよりもはるかに高度なところで、今わたしは悩んでいる。「どう表現したらいいのか分からない」の裏には、ちゃんと読者の顔が浮かんでいる。「あの人に理解してもらうには、どうしたらいいのだろう」を考えているわたしがいる。文章を書き始めた頃には、誰かに向けて書くことなんてなかった。どの記事も、自分が書きたいことを、自分の書きたいように書いてきた。でも、今はちがう。ライターとして文章を書くようになってから、この記事は誰を想定して、何を伝えたい文章なのか、をより意識するようになった。すると、普段の何気ない文章でのやり取り(LINEとかメール)でも、それらを強く考えるようになった。

「この表現で、わたしの意図することは確実に伝わるのか?」

送信ボタンを押す前に、自分以外の誰かに届いてしまう前に、一旦考える癖がついた。本当にこれで大丈夫?もっと他に適した表現があるのでは?

自分の気持ちを言語化する。伝えたいことをきちんと伝える。

それらは、難しいことだなぁと思う。一生精進し続ける必要があるのだとも思う。

書くことも、表現することも、伝えることも、スキルだ。そのスキルは、ここまでいけばゴール!みたいなものが、今のところ全く見えない。書けば書くほど、自分の至らぬ点が見えてくる。表現すればするほど、目指している場所と自分の現在地に大きな乖離があることを思い知る。
もっと上手くなりたい。もっと自分のことを表現できるようになりたい。もっと伝わる文章を書けるようになりたい。

わたしは今、終わりのない修行の真っ只中。今日より明日、明日より明後日のわたしの方が、少しでも前に進めているはずだと信じて、これからも書き続けるのだと思う。



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あやめし
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