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言葉と向き合う日々の中で、表現力の幅を広げるために

ライターになってから、より言葉の使い方に敏感になった。本を読んでいても、テレビを見ていても、どんな言葉で表現されているのかがとにかく気になって仕方がない。言葉を仕事にしなかったら、得られなかった感覚なんだろうなぁと、不思議な気持ちにもなる。

原稿を書きながら、いつもいつも「自分には語彙力が足りない」と思ってしまう。幼少期から読書が好きで、結構な冊数を読んできたつもりだった。たくさん言葉も知っているつもりだった。でも、ライターとしていろんな文章を書きながら、自分の表現には限界があることも感じた。

もっとレパートリーが欲しい。もっと言いまわせる力が欲しい。

そんなことを思いながら、毎日たくさんの文章に触れて、吸収しようともがいている。

最近読んだ漫画で、表現の仕方がすごく勉強になるなと思うものがあった。それは、『おひとりさまホテル』。

たまたま1巻がkindle unlimitedの対象だったので、何気なく読んでみたら、すごく引き込まれてしまった。ホテルで過ごす「おひとりさま」の時間を大切にする主人公やその仲間たちが、様々なストーリーの中でホテルステイを楽しむ話なのだけれど、ここに出てくるホテルの描き方がすごい。絵というより、言葉としての表現がすごい。

シンプルを極めた空間と暖かな光…
ホテルの部屋でこんなに吸い込まれるような感覚は初めて

「おひとりさまホテル」1巻3章より

わたし多分、こんな文章、思いつかない。ホテルの部屋の紹介で「吸い込まれるような感覚」なんて言葉、出てこない。わたしなら、「オシャレな」「清潔感あふれる」とか、そういう誰でも言えそうな言葉しか思いつかない。まだまだ自分の中には空間を表現するレパートリーが足りていなくって、陳腐な言葉しか生み出せない自分が少し恥ずかしくなる。

ページをめくる度に「こんな表現の仕方があるのか」と、全ての表現をメモに残したくなる。全部、自分のものにしたくなる。こんな感覚で漫画を読んだのは初めてで、とても新鮮だった。

同じ作者の方の『いつかティファニーで朝食を』は、食べ物に関する表現がたくさんあって、こちらもとても勉強になる。

知らない言葉がたくさんあるのではなく、わたしには使いこなせていない言葉がたくさんあるような気がしている。言葉自体は知っているのに、うまい組み合わせ方を知らないというか、適切な使い方を知らないというか。

だから、自分が知らなかった使い方を、レパートリーを、色んなところからインプットして、インプットしたものをアウトプットして自分の中にしっかりと定着させていきたい。わたしの中の言葉の引き出しにしまっておいて、すぐに取り出せる状態にしておきたい。

まだまだ勉強すべきことがたくさんあるなと思う。勉強すべきことがあると思えるのは、まだまだわたしには伸びしろがあるということ。

素敵な文章を紡げる自分になるために、これからも愚直に頑張っていきたい。


そんなわけで、今日もおつかれさまでした。


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あやめし
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