季節外れの鈴虫が記憶のどこかで鳴いている
時代を超えてボクらは生きる
誰も忘れる事はない
当たり前の日常を
それでもボクらは生きなければいけない
誰も忘れることは出来ない
ボクらがそこにいたことを
寂しさや、不安や、絶望は
小さなボクの心をもてあそんで
いつしか希望や、夢までもがボクを右往左往させている
全ての日常は奪われて
それでも消えぬ小さな光が余計にボクを
暗くさせる
今のボクはそんな小さな光にも届かない
暗闇につつまれた世界に沈んで
ボクらは考えさせられた
この世界に思い知らされた
世界はお前たちのものじゃない
そんな自分もそんな世界も、そんな憂鬱な日常も、それが生きるということそのものなのかもしれない
雑念と一筋の希望が入り乱れ、正義も悪も共存し、混沌という言葉だけでは収まりきらぬ
この世は神も悪魔もどうすれば良いかわからない
そんな世界を傍観して眺めていると
虫の息が聴こえる微かに微かになにかが聞こえて
小さな声で虫たちは耳元で鳴いている
「なるようになればいい」