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何歳になっても尻を諦めないで

BGM:あーなたーのーしーりをーあーきらめーなーいでー♪

私事ですが、リクエストの多い、プリケツトレーニングの成果について明らかにさせていただきます。

老若男女、猫も杓子も筋トレブームのようだ。コロナ禍で運動不足になったり、運動する時間ができたりしたからだろうか。シティーな大阪市内に行ったら、交差点の4つ角全部にジムがあって驚愕した。

私としては、昨冬にひどい鬱になってしまったので、今シーズンはそれを避けるべくトレーニングを始めた。

きっかけになったのはこの本。

その時貧乏性だったので(鬱の時は急にお金のことが不安になって、本を買うときにもレビューだけで満足したりする)、図書館で借りて読んだ気がするけれど、覚えている限り、筋トレによっていろんな脳内ホルモンがドバドバでて鬱にならないよ、ってな感じのことが色々とエビデンスで実証されている。エビデンス大好物なので全て盲信。

脳内ホルモンをいかにコントロールするか、というのがライフワークの私としては、脳内ホルモンの材料になる食べ物に加えて運動が重要だとはわかってはいたけれど、筋トレには手が出せずにいた。なんだか面倒そうで、続かなさそうで。

で、パーソナルトレーニングにも興味を持っていた。同業に近い頭脳労働のコーチングとかコンサルタントとかは嘘くせえ、と思う一方、ようわからん身体のことについてはコーチがいて欲しいと思っていた。優しく知識を持って導いて欲しい、と。

そんなタイミングでパーソナルトレーニングジムが近所にでき、ようやく時は満ちた!

そして出会った鬼コーチ(年下女子)。ご夫婦で経営されている小さなジムなので、一見家庭的。鬼コーチは言った。

「大丈夫ですよ、メンタル強くなりますよ。だって、筋トレより辛い事はないので。」

え…。そんなに辛いの…?

人生多々辛いことはある。多々どころか日々やってくる。辛すぎて、艱難辛苦、と唱えながら自転車こいだりするぐらい。

それより辛いの…?

と、不安になったが、慣れないマシントレーニングにひーひー言ってるそばから、鬼コーチは笑顔で「はい、あと5回」、「5kg足しますねー」と、負荷をドンドコ追加してくる。

これはね、自分では無理です。こんなに追い込めません。コーチがいて良かった。と早速実感。

そして良かったのが、ペアでトレーニングしていること。同じくアラフィフに向かっている友人とペアパーソナル。ペアソナル。サボりたくてもサボれないし、何より一緒に成果を喜べる。

この友人は、これまで運動経験もなく専業主婦が長いし、私がお手本見せてあげるわーと侮っていたら意外や意外、すごいちからもちだった。

10年以上、3人の子を次々に抱っこし、チャリの前後に乗せて、習い事に送迎している主婦筋は、ワーママの、基本デスクワークですけど仕事前にちょっと走ったりしてます筋とは根性が違った。

小柄でどうみても華奢なくせして、その全身マッスルに秘められたパワーは凄まじく、鬼コーチも慄いていた。本当、ちからもちって感じ。

私も小柄なので、職場で「荷物持ちますよ」とか言われると嬉しいんだけど、無駄に母プライドを引っ提げて「あ、子供10kg以上あるので」と答えてしまう。

そう、育児によって筋肉が鍛えられるという新たな効能が明らかになりましたのだ!育児は心身が削られてくだけじゃなかった!

ほんで、お尻やがな。

週に1回1時間、さまざまなマシンやらダンベルやらベルトやらを活用して、さまざまな部位の筋肉を鍛えているのです。

5-7回で結果出ますよー、と言われていたのですが、3回目ぐらいから形状の変化が、いや1回目から痛みによる変化が感じられたのだわ。

40年以上私のヒップはぺたんこで、いないものだと思っていたのだけれど、お尻ちゃんは「ここにいるよ!」と声を上げ出したのであります。しかも、色んな部位から声が聞こえてきた…

BGM:Baby boy わたしはここにいるよ どこもいかずに待ってるよ
〜中略〜
鎌倉の砂浜で見た君の姿 波にのまれた君に言いたい言葉。なんだかマジせつねぇ 男なのになんで…言葉出てこねぇや

てな感じで、鎌倉行ったことないけどマジせつねぇ。オバはんなのに言葉出てこねぇや。ごめんな、今まで。

ほんで、お尻とひとまとめにしていた物体は、個々の筋肉から構成された複合体だったのです!

https://yogajournal.jp/9445より。

ほら、こんなにいたんだよ。お尻の仲間たち。あつもりならぬ、あつしりだよ。

解剖図まで詳細にはいかないけれど、それでも、お尻の上の方とか、横の方とか、下の方とか、意識しながら鍛えていくのです。鬼コーチに鍛えられている友人の臀部をまじまじと観察すると、それはもう動くターヘルアナトミアなのです。

鬼コーチは言いました。
「だんだんお尻の割れ目がはっきりしてきますよ。」

なんと、割れ目とは作るものだったのか。加工するものだったのか。

加工の具合を詳細に観測するために、このレギンスを買った。まあ、色んな色があって可愛い。ときめく。から、買ってもいいですよね、拝啓こんまりさま。

そして、2ヶ月が経った。論より証拠、ということでみていただきたい。

DODA!デューダではない。

正直いい歳して臀部を晒すのは恥ずかしくもあるが、物体として見ていただきたい。今、シュールレアリズムについて勉強しているので、そのコンセプトをお借りすると、意味を超えて、形を見るという新たな見方である。これは臀部という物体である。

まず一番嬉しかったのは、赤丸の部分の下方の滑らかさである。(早速物体に意味を与えてしまっていることはお許しください。)これまでは重量に耐えきれず、少しシワっとしていたのだ。

下方の筋肉とハムストリングスを鍛えることにより、それまで曖昧模糊としていた臀部の領域が明確になった。わたしはお尻だよ!おいどんはハムストリングスでごわす!とそれぞれの部位が主張し出したのだ。

そして、黄丸部分のお尻が上がるという現象。全体的に筋肉が目覚めて上がる、ということもあるが、仙骨周りに筋肉がついてきたのだ。ほぼ骨だった部分に丸みがついたのだ。

beforeの方が丸くていいじゃん、と思われるかもしれないが、下がって丸いよりも、上がって丸い方がいいじゃん。

筋肉が増大することによって、臀部全体として重力に対して直角、つまり水平方向のベクトルが大きくなるので、したがって水平方向の丸みも大きくなる。と、ちっこい黄色矢印が訴えている。

臀部上部の背中との境目については、まだ開発の余地があり、これが完成した暁には、ワンピースの背中くびれが美しくなるという。

鬼コーチは、スーパーで買い物しつつ「あの人綺麗だし、ワンピース好きなんだろうけど、くびれがいまいちだなー、鍛えたいなあー」と思って眺めているらしい。怖い。

そんな感じで、お正月休みなどを挟んで2ヶ月にたった5回しか通えずとも、変化が現れてきて心も明るい。

だって、こんな歳になっても、身体が変化すること、「うーっっっ!」とか唸りながら頑張れること、が楽しいし、嬉しい。他人から見たら微々たる差であっても、頑張れてる自分に気持ちが上がるのだ。

そして、身体のケアをすることの大事さを実感する。これまでは、忙しい日々の中で運動時間を取ることは罪悪のように感じていた。そんな時間があったら身体を休めるか、家事をしたらどうかって感じで。

鬱解消のために走るようになって健康診断の数値も上がり、プリケツトレーニングをするようになって、念願の筋肉率も上がり、上々である。

何歳になっても夢は叶う、というがまさにそんな夢心地。

願わくは夫も引き込みたいが、どうなんだろうか。ジムの店頭ボードには、「細マッチョからゴリマッチョまで」と書いてあった。ようわかっとる。私は細マッチョが好きだ。

鬼コーチの旦那さんであるトレーナーはゴリマッチョだけれど、意外にも穏やか。ゴリマッチョは破壊的である、という固定観念という思い込みを変えてくれたという。その容貌に反して、しんどさを分かち合える共感型コーチらしい。シュレックも優しいもんね。

ゴリマッチョシュレックコーチ(緑ではない)は、アメリカ帰りなので、知識も経験も豊富で、プロテインの飲み方にも色んな説があるよと教えてくださった。色んな説、大好物。断定するやつ、嘘くさい。

夫婦でコーチという家庭的な雰囲気もいいのだけれど、何より、プリケツトレーニングは、あられもない格好をさらしたり、うめいたり、お尻の部位を「今ここに効いてますよー」と触られまくるので、女性コーチじゃないと無理だ。

心身ともにあげたい中年女性には、女性鬼コーチによる、プリケツトレーニングは実におすすめである。ホナ!



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