映画「返校」を観てきた話
楽しみではあったけど、観に行くまでが一番怖かったかもしれない。
自由が罪になる時代
先日、映画「返校」(邦題「返校 言葉が消えた日」)を観てきました。
もともと自分の好きなデジタルゲームの映画化としても、
史実を交えたフィクションの実写映像化としても、とても興味があったのですが、
実は正直に言うと、公開から1週間くらいの間、観に行こうかどうか迷っていました。
外出しづらい状況下で映画を観に行く事だけでなく、
途中で自力でやめられるゲームや実況動画と違って、
R15G+指定のホラー映画を、席に座ったまま大画面で観続ける事自体が、
私にとっては猛烈に不安だったのですが、
実際に観に行った方の感想を拝見すると、
「それでもやっぱり、観られる時に観たい!」
という気持ちが勝ったので、腹を括って観に行ってきました。
……結論から言うと、今だからこそ観に行って、本当によかったです。
……と、昔の自分に憑りつかれやすい時期に観たのも相まって、しばらく考え込んでしまいました。
ここは本当に学校なのか?
※ここからは、映画や原作本編の内容にガッツリ触れるので、ネタバレ注意。
原作のゲーム「返校 Detention」について書いた記事はこちら。
自由が罪になり、相互監視と密告が奨励された時代の、台湾の学校が舞台のホラーゲームです。
映画は、オリジナルのシーンや演出を交えて再編集・再構成しつつ、
原作のゲームの内容を補完するストーリーにもなっていました。
特に、探さ吊りの喉から……のシーンは、
グロ描写が苦手なはずなのに、何故か見入ってしまった。
基本的にレイ一人を操作して校内を探索する原作とは違って、
映画では、過去と現在・悪夢と現実を行き来しながら話を進めていく構成になっているので、
その分ウェイの出番が増えて、レイと一緒に行動したり、
刑務所にいた頃の回想シーン等が追加されていたりしました。
それ以外では、
「……あれっ、もしかしてこれ、ゲームでも見た事あるような?」
と思える要素も、次々と劇中に出てくるので、
もう一度映画を観てみると、何か新しく気付く事がある……かもしれません。
平凡で静かに生きてほしい
また、原作では、
手に入れたメモや所持品のフレーバーテキストが、登場人物の語りにもなっているので、
映画を観た後に、もう一度ゲームをやってみるのも面白いかもしれません。
「図書館とゲーム」の格闘系司書さんも、
映画公開後に大学図書館で展示企画を行われていました。
ゲームが好きな人や、台湾の歴史や文化に興味がある人はもちろん、
自分の意見や、やりたい事・作りたいものがある人、
自分の力だけでは変えられない世の中に、怒りや不満を覚えている人にも、
もっと触れて欲しい作品だと、改めて実感しました。
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