自分の意見を言えたー娘の進路
「納得した中学校生活を送ってほしいよ。どの中学校に行っても。」
娘は小6。兄が受験をし、楽しそうに中学校生活を送っていることを毎日目にしている。小5の終わりまでどうしようか悩んでいたが、入塾し、成績も上がり、自信がついたのか受験を決めた。
しかし、当たり前だがまだ小学生。受験勉強よりも楽しいことがいっぱいある。小4、5と算数、理科に苦手意識をもっていたせいか、その学びを取り戻すのも大変。
夏休みも終わり、いよいよ学校説明会に行き入試のスケジュール調整をする時期に入ってきた。志望校をどうするか、地元の公立中学校に進学することも視野にいれていくのかを話し合った。
息子と違って、周りの反応が読める娘は、自分で決めることをほとんどしたことがないように思う。「ママがおこるから」「パパが悲しむから」というのが彼女の決断にはほとんどついてくる。
そんなことを教えたつもりもなく、同じ女性である私も自由に言いたいことを言うタイプなので、娘がそのように言うのに本当に驚いた。え、これって社会的な刷り込み?
ドラマや少女漫画が好きな娘。もしかしたら、そういうことを学んできたのかも。いや、私がそうさせたのかな。
でもでも、このままじゃ進路を決めるのはできない。とにかく現時点で「悩んでいる」でもいいから自分の意見を言ってほしい。それで口に出たのが、冒頭の言葉だった。
私たちの時代の進路指導、キャリア教育はあってないようなものだった。平成10年ごろかな。偏差値で決めるか、その大学や高校の雰囲気が好きか、学部があってるかぐらい。九州の地方に住む私は、親と進路の話をしたことはほとんどない。中学校受験も「あるからやってみる?」と言われたが、一緒に学校を見に行くことはしなかった。それでも教育には熱心だった方だと思う。留学も「してみる?」と聞かれたこともあった。でも想像ができなかった。学校を見たことも、中学校受験や留学している人に会ったこともなかった。
高校や大学の進路指導は学校の先生か塾の先生。その先生たちも、今同じ立場だから言えるが、ひどいものだった。自分が働くこと、どうやって生きていくかと進学が結びついていなかったからだ。
今の小学生はずいぶんキャリア教育が進んでいる。娘もおぼろげだが「好き」がある。そこから逆算して自分の進路を考えていく。小学校ではそこまでの指導はしないし、塾は希望校に対しての現在地しか語らない。結果、家庭でやるしかないと思っている。
何より「自分の意見を言える」ことができないことには話にならない。でも、どうしたらいえるようになるのだろう。その子の性格もあるし。
我が家がしたことは、次のようなこと。
① 進路樹形図を一緒に作る。
② 夫、私、娘で話し合う時間を兄の留守中に作る。
③ 娘の決断を待つ。別室で考える時間を持てるようにする。
④ 言いにくそうなときは夫と漫才のように適当なことを言いながら家事をして待つ。とにかく笑い、明るい雰囲気にする。
そこまでして、3時間かけてやっとやっと、「○○中学校に行きたい。だめだったら、地元の学校に行く。」が言えた。
「よく言えたね。」「すごいじゃん。」「変えたいときはいつでも言ってね。」など夫とわいわい言いながら、話し合いは終わった。娘はよほど疲れたようで、この日は受験の学習は休んで早めに寝た。
これが正しいのかわからない。迷い迷い、進んでいる感じだ。
子どもたちと一緒に生活できるのもあと6年ほど。誰だよ、10才過ぎれば手がかからなくなるっていった奴。お世話はなくなったが、精神的に支えることが多くなった。親として、自分の生活に芯がなかったら、子どもに依存するか放置するかどちらかだろう。
放置すれば手はかからないが、子どもは不安定になる。依存すれば親は満足するが、子どもは自立しない。
難しい。難しすぎるぞ、思春期子育て。
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