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最も印象的だった「大切な人のワガママを叶える」大学生たちの挑戦2023

2023年の最後の日になりました。ここ数日は社内でも、仲間たちの間でも1年間を振り返る機会があってとても良い気持ちで年末を迎えています。

最後に何か年末っぽいことをしたいなと思った時に、1年間で全国の学生たちと取り組んだワガママLabについて書きたいと思いました。

私たちは全国の小学生・中学生・高校生・大学生たちと、自分の大切な人の”ワガママを叶える”ためのアプリをつくるワークショップ「ワガママLab」を行ってきました。

これまで80人ほどの皆さんが参加し、自分の大切なひとのことを深く深くイメージしながら、その人の困りごとを解決するアプリをつくっていきます。

誰でも簡単にアプリをつくることができるソフトウェア「MIT App Inventor」を使うので、技術の習得のハードルは限りなく低いのですが、誰のどんな困りごとを解決するのかを考えていくことが本当に大変。

みんなワガママLabに参加する理由は、「アプリをつくってみたい」とか「地元で何かやりたい」とか「お父さんに勧められた」とか「就活(もしくは受験)で役に立つと思って」とか。いろいろあるんだけれど、やりきったあとの学生たちのちょっと”成長した感”がとても大好き。

特に、私がハラハラドキドキしながらも、とても大好きな時間が「誰のどんな課題を解決していくのか」をみんなで一緒に考えていくところです。

私がワガママLabで初めてがっつり担当したチームのおかげで、その後も続いている気がします。そのチームの試行錯誤を少しだけ振り返っていきます。

送り迎えで親に苦労をかけた。なんとかしたいんだけれど・・・どうする?

ほこたワガママLab1期のチームです。メンバー全員が鉾田市で生まれ育ち、鉾田一高出身、大学進学を期に首都圏で暮らしているチームで構成されていました。

全員の原体験にあったのが「送り迎えで親に苦労をかけたな・・・」という気持ちでした。そこまでは簡単に出たのですが、ここからが大変。じゃあどうするの??って。

「公共交通の課題だ!」とか、よくある感じの議論もひととおりしました。でもそれを言ったって、ほこたワガママLabでは何も変えられない。大きな課題の解決も、自分たちができる小さなことから始まる。その一歩目になるのはなんだろう。私も一緒に必死に考えていきました。何回、夜にオンラインで集まっただろう。

ブレイクスルーのポイントは、メンバーのひとりから、最もなんとかしたいと感じた具体的なシーンを想像できたことでした。

彼女が最も親に申し訳ないなと思ったシーン、さっきの記事から引用します。

家族の誰も私たち姉妹の送迎ができないとわかった時点で、母は周辺に住む友達の親に一緒に乗せて行ってもらえるか連絡を取ってくれました。都合が合う人が見つかるまで探してくれる姿を見ていて、非常に申し訳ない気持ちになったのを覚えています。

そこで気がついたのは、周辺の家族は同じ時間帯に学校や駅に送り迎えをしていること。まずは信頼関係のある近所同士から「送り迎えを助け合う文化」をつくることができないか。それがヒントになって進んでいきました。

そこで強く感じたのは、出身者だからこそ地域にできることがある、ということです。

一朝一夕にはできないその地域の人たちのつながり。信頼関係。もちろん、単純にいいことばかりではないと思うけれど、絶対的に味方してくれる人は地元にひとりはいるはず。

自分たちのつながりを活かしてアンケートを取ったり、近所に協力を求めたり。方向性が決まったあと、みんな本当にたくましく、お母さんの送り迎えの負担を軽くするアプリをつくりあげていきました。

その姿に私もとても勇気づけられて、これは地域を本当に良くするぞという可能性を感じることができました。また他のみんなからもそんな姿が私は見たくて続けている気がしています。

こんな気持ちにさせてくれて、チームのみんなには本当に感謝です。

ほこたワガママLab1期の取り組みは、MIT認定教育モバイルコンピューティングマスタートレーナーでありIRODORI顧問の石原先生を通じて、MITのApp Inventor財団にも届きました。

私が書いた記事をベースに、英語のレポートがアップされてとてもとても嬉しかった。英語にするとこうなるのねと。

そこから全国でたくさんワガママLabを実施させていただきました。たったひとりの“ワガママを叶える”アプリとして、例えばこんなテーマに取り組んだ子もいます。

  • インドネシア人の外国人技能実習生が鉾田市で楽しく暮らせるようにサポートしたい

  • 将来相続する不動産について、お父さんと真剣に話し合いたい

  • 膝の悪いおじいちゃんの日々の生活を楽にしたい

  • 幼馴染の高校2年生が、自分の進路を実現するために鉾田市で勉強する場所を増やしたい

  • 大学生が、離れて住むおじいちゃんおばあちゃんと継続的につながりをかんじていられるようにしたい

  • 運転を理由に、飲み会でお酒を飲むことを諦めず楽しくコミュニケーションを取れるようにしたい

  • 地方で暮らしていてもプログラミングを学ぶ機会に出会うことができるようにしたい

  • おじいちゃんにお友達をつくってほしい

  • 挑戦したいと思っている高校生があきらめないようにサポートしたい

どのアプリにもストーリーが詰まっていて、聞いてくれる方がいれば私はどこまでも語りたいです。

鉾田市では2期行ったのですが、1期から参加している高校生の女の子が「ワガママLabに参加して、自分も人の困りごとを解決できるんだと思った」と言って、日常から少し自信を持てているというコメントをもらいました。嬉しい(泣)

この記事を書いていて、私が圧倒的に温かい気持ちになれましたし、ワガママの可能性を再認識できました。書いてよかった。ワガママLabは来年はまた新たなフェーズに行ける気がしています。

ワガママLabホームページもつくりました。(思い入れが強すぎてつくるのに1年弱かかったので、すでに内容が古いという悲しみ)最新情報を更新していくので、ぜひ見てみてください。

ワガママLabに興味あるよ〜という方は、ぜひご連絡ください!私に直接ご連絡いただくのも大歓迎ですし、抵抗があればお問い合わせまで(笑)

2023年も関係者の皆様、大変お世話になりました。2024年もよろしくお願いします。

ページの最後まで辿り着いてくださって嬉しいです。「かえれる地元をつくる」挑戦の過程をこれからも発信します!