4年半在籍したよりそうを卒業します【退職エントリー】
こんにちは、タカダ アヤカです。去年に引き続き世界が大きく変わった2021年、皆さまはいかがお過ごしでしょうか。
さてさて、ついに私にもこれを書くタイミングがやってきました。
2022年1月15日で、約4年半在籍した株式会社よりそうを卒業します。
ベンチャーは「3年いたら古株」なんてよく言われますが、私からしたらビックリするほどあっという間で、かなり濃い日々でした。
よりそうには数え切れないほどの恩義があるので、この機会に感謝をしたためておこうと思います。
ちなみに、恩義があり過ぎて4,500文字超の大作になってしまったので、お正月休みの時間つぶしコンテンツとしてご笑覧ください。
▼人生を拗らせた女がいっぱしの社会人になるまで
今までの人生を肯定できるようになった場所
大学卒業からよりそう入社までの私は、周囲の人に恵まれながらも自分の中でうまく昇華できずにモヤモヤした感覚の中で生きていました。
美大を卒業するも就活に失敗して2ヶ月ニート。第二新卒で印刷会社に就職するも正社員になれず。
次に転職したデザイン会社でもなんとなくしっくり来ない日々が続き、「私の人生、これでいいのか?」と毎日のように悩んでいました。
(何度でも言うのですが、その間も周囲の皆さまには温かく見守って頂きました。あくまでも自分の置かれた立場となりたい姿にギャップがあった、ということです)
次のキャリアを模索していたときに見つけた「ベンチャー・未経験歓迎・広報専任」という求人。これだ!と思って飛び込んだのがよりそう(当時は「みんれび」)でした。
入社してからは、社会人としてあまりに経験の乏しい自分の現状にガッカリしましたし、そのせいで周囲にも大いに迷惑をかけました。
業務のミッションがわかってないどころかビジネスがなんたるかも分かっていない、事業進捗を聞いても用語や数字の読み方がわからない、葬儀や供養のことを何一つわかっていない、事象と感情を切り分けて思考できずにまともなリリースが書けない……(そのくせ酒はいっちょ前以上に飲む)。
それ以外にもここには書けないような、読者の皆さんを共感性羞恥に巻き込む類の失敗をかなり多くやらかしたのですが、当時の上司や経営陣にかなり温かく見守ってもらい、なんとかいっぱしに広報できるまでに育ててもらいました。
私の強みを見出して伸ばそうとしてくれたり、できるようになったことをちゃんと褒めてくれる人が周囲にたくさんいたからこそ、少しずつ自信と実力をつけられたのだと思います。
お陰で、「自分は社会で何の役にも立ててない……」と常にしょげていた私の自己肯定感はかなり高まりました。BPOの現場に長く身を置いた経験やデザイナーとしてのスキルをすべて注ぎ込めるこの《広報》という仕事は、私にとっては天職だと思っています。
記者さんたちとの出会い
この仕事をするようになって初めてお会いするようになった、「記者」を生業とする人たち。
昔からニュースを読むのが好きだった私にとって憧れの存在でしたが、やはり最初から上手くお付き合いできるわけではありませんでした。
ときには満足に情報を共有できずに怒られたりたしなめられたり、ご迷惑をたくさんおかけしました。それでも嬉しいことに出逢いに恵まれ、広報としていかに立ち振る舞うべきか大いに学ばせていただいたことには感謝がつきません。
先日広報としての姿勢を諭して下さった記者さんに卒業を報告したところ、温かい励ましの言葉を頂きました。今後も率直なコミュニケーションを心掛けながらこういう出会いを増やしていきたいと思います。
「お葬式」「ご供養」というテーマに向き合えたこと
人生が《自分探し》の連続だった私にとって、「お葬式」や「ご供養」の世界との出合いはとても重要でした。
仏教の教えやお葬式の意味などは、正直言って今までの人生で考えたこともなかったテーマでした。それを自分なりに勉強し、解釈し、時には社員とディスカッションすることで、自身の在り方や人生観がとても良い方向に進んだように思います。
もっと今を大事にしたいし、周囲の人とも誠実に向き合いたいし、自分も周囲も納得できる最期を迎えられる人生を送りたい。そのために何をすべきか真剣に向き合う機会をもらえました。
もちろん、仕事面でも多大な影響を受けました。
私たちが向き合っているご利用者さまお一人おひとりと、その方々が直面する大切なライフイベント。そして、お別れをお手伝いするのに欠かすことのできないパートナー葬儀社様さまや僧侶さま。私たちの目指す未来に期待してくださる投資家の皆さま。そして何より一緒に頑張るメンバーたち。
全ての皆さまのお陰で事業が成り立っている感謝を背負いながら社会と向き合うのは、他者への配慮が苦手な私にとって常に難題でした。
ITベンチャーがお葬式やご供養をテーマとした事業を展開することに違和感を覚える人たちはまだまだ大勢います。「人の死を数字としか見ていないのではないか」と問われることもありました。
実際は、どのメンバーも関係各所に深く感謝しながらこの深いテーマに真剣に向き合い、少しでも皆さまのお役に立ちたい一心で一生懸命に仕事をしています(一方で、企業体である以上、数字に変換して経営状況や事業進捗を把握しなければならないことは事実です)。
なので、「よりそう」という気持ちをベースに事業を運営している事実や、高齢多死社会という大きな社会課題にチャレンジしたいという会社としての強い想いを前面に押し出して広報活動を行ってきました。
平たく言い換えると「配慮」や「調整」なのですが、今まで苦手だった私にとっては体当たりで向き合えるまたとない機会だったことは確かです。
個人的にも全方位にできる限りの感謝と敬意を払うためにたくさん勉強しましたし、社内でも常に表現方法について議論を重ねました。おかげで、広報として必須ともいえるこれらのスキルを養うことができたように思います。
その結果として世に出て行ったたくさんのプレスリリースや報道が、少しは会社の財産になっていることを願っています。
▼初めての広報から、ここまでできるようになった
始めは一つの新聞記事から
広報になって初めて「企画を記事にしてもらった」のは、当時の広報のコーチに託してもらった《葬儀料金が出せずに親の遺体を遺棄する事件の頻発と、葬祭扶助について》の話題でした。
当時は入社して4ヶ月ほど、過去ご取材いただいた経緯のある某ブロック紙の記者さんに初めて1人で企画をプレゼンし、採用してもらいました。
(今でも中野のルノアールで緊張しながら説明したことを思い出します)
記者さんが公判の傍聴を重ね、弊社への取材も丹念にしていただいた記事を見たときは感動もひとしお。「社会課題に絡めて自社のサービスを知ってもらう」という、広報としてのOSをインストールするには十分すぎる経験でした。自分でも社会の役に立てているという手応えを感じ、広報という仕事への思い入れを深くしていきました。
テレビ取材も、イベント運営も
それから先は怒涛のように広報経験を積ませていただきました。
某キー局2番組の平行取材、五反田バレー立ち上げ、ESSEオンラインでの執筆、資金調達リリース、浅草でのお坊さん便イベント、カゾクトーク、コーポレートサイトのリニューアル……。
どれもめちゃくちゃ大変だったのですが、時にチームで・時に1人でやりきれました。成功体験こそが人を成長させるな、と強く思います。
1人で広報をやりきった「後葬」関連PR
では、何が1番印象に残っているか?と問われたら、私は即決で「後葬関連施策」と答えます。
何かといえば、コロナ禍でお葬式があげにくい状況でも「《後》から《葬》儀をあげられる」サービスのリリースに合わせて行った一連の施策です。
提携の葬儀社さんにアンケート協力を仰ぎ、サービス名の決定に関わり、結果レポートとサービスリリースを連日配信するということを2〜3週間でやったのですが、とにかく反響がすごかった。
テレビ3本、5大紙制覇、全体の露出は3ヶ月で約50件。4月には「お坊さん便の電話法要」リリースを出したこともあり、常に何かしらの取材案件が走っていてどうにかなりそうでした……。笑
でも、周囲に支えられながらもリリースから取材まで1人で対応しきった経験はかけがえのないものだし、よりそうにいたからこそ成し得たことなので、そうした意味でもめちゃめちゃ感謝しています。
▼なぜ卒業するのか
こんなに感謝してるのに卒業する理由ですが、ひとえに「新しい環境に身を置いてステップアップしたい」というものです。
よりそうの成長を支えるという道もあったのですが、プライベートの状況がかなり劇的に変わったこともあり、「環境を変えて早くその道に進んだ方がいい」と結論を出しました。
具体的に言うと今年突然結婚することになりまして(!)33歳になった自分のライフプランと今後のキャリアパスを真剣に考えると、環境の変化をかなり急ぐべき状況になりました。
よりそうが嫌いになったわけでなく、よりそうと私の人生の方向性が変わったのだとご認識いただければ嬉しいです。ちなみに私はこれを「音楽性の違いにより解散したバンドと同じ」と解釈しています。笑
そうでなくても4年半もの間在籍していたので、いろんな意味でよりそうという組織に慣れきってしまい、何かを変えなければいけないと思っていたことも事実です。メンバーみんながいい人過ぎてなかなか踏ん切りがつきませんでしたが、「最後は自分軸で決めよう」と勇気を持って決断しました。
ちなみに、そんなこんなでよりそうは新しい広報を募集しています。ご関心ある方、お繋ぎします。なんなら入社後も(可能な範囲で)サポートしますのでお気軽にお声掛けください!
▼次はどこへ行くのか
次はもう少し規模の大きなベンチャーへ、広報として転職します。事業と理念への共感が決め手です。
やっぱり広報たるもの、会社トップクラスの強火ヲタクとして仕事したいじゃないですか。よりそう並みに推せる会社とご縁ができて幸せ者です。入社してしばらくしたらまたお知らせしますね。
ちなみに、即戦力枠で転職するのが初めてなので、楽しみな気持ちとともに緊張と不安も多少持ち合わせています。けど、新天地の人たちがみんな親切だし、今までと違って多少は自分の歩みに自信を持てているので、何とかなるだろうと信じています。
▼最後に
こう書き出してみると、本当に周囲の人や環境に恵まれてここまで来たことを実感します。
先日ある人に「今の環境は自分が努力して手繰り寄せたんだよ」と声をかけてもらいました。もちろん私なりに努力した自負はありますが、努力するための原動力は常に周囲からもらっていたように思います。本当の意味で周囲が見えるようになり、少しずつ正しい努力をできるようになったことが、よりそうに入って一番の収穫なのかもしれません。
今後も自分のため、そして周囲のために努力できる人間でありたいなと思うこの年の瀬です。来年があなたにとっても私にとってもいい年になりますように。よいお年を~!
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?