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最近の楽しみ

朝8時。

テレビの前で正座して、私は毎日連続テレビ小説『ブギウギ』を観ている。なんか気になると10月に観始めて、もう『ブギウギ』なくては1日が始まらないほどになった。

そんな『ブギウギ』のシーンの中でも、登場人物たちが手紙を書いている場面が、2番目に好き。もちろん1番目は歌って踊る舞台の場面なので。

連絡手段といえば手紙や葉書だった時代、万年筆や鉛筆できゅっきゅっと便箋に綴られていくところに、毎回惚れ惚れとする。

そんな『ブギウギ』に影響されて、ずっと迎え入れようと想いを馳せていた万年筆をついに迎え入れた。

初心者向けの万年筆。それでも私にとっては初めての万年筆。にやにやしながらキャップを外し、ペン先を眺める。ああ、しあわせ。

とりあえず初めてなので、付属のカートリッジをぎゅっとさしこむ。そのインクがペン先に落ちてくるまで、じーっと見つめて待つ。無音の中で万年筆を見ていると、内部の音が聴こえそうな気がして、耳を澄ませてみる。

カートリッジの中のインクがペン先に届くまで、その音は聴こえないし、流れる様も見えない。だけれど、頭の中で自由に想像してみることはできた。最近は、そんな時間が楽しくてたまらない。

そして日々万年筆で手帳を書いてみているのだが、まだ上手く書けない。インクが上手く出なかったり、掠れたり、むしろインクが出過ぎたりしている。へたっぴで愛おしい文字が毎日誕生している。

ペン先を立ててみたり、ゆっくり動かしたりしながら実験しているのだが、この時間がとても、最近の私の心を穏やかにしてくれている。

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456字

かみつれ

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