見出し画像

みまもる

6/1

夫を初めて馴染みのギャラリーさんへ連れて行った。近ごろ仕事と家以外で何か始めてみたいという気持ちが募ってきた夫。どんなきっかけになるかは分からないけど、わたしがいつもみている世界に少しだけ誘ってみようと思った。

夫曰く、いわゆる『月曜から夜ふかし』のような世界といえば極端すぎるが、会社員ではないひとたちとの関係が希薄なことで、会社員として働いて過ごしていく生き方以外よくわからないという。

わたしは周りにいわゆるスーツを着た会社員の方々のほうがマイノリティな環境で育ったうえに、自分の今の選択も含めて、寧ろ会社員としての生き方の方が未知である。

だから、わたしはいつも夫が淡々と仕事をこなして帰宅する姿を見て尊敬していた。個人的には、わたしにとって難しいことをしている夫の才能を羨ましいなぁと日々思うのだけれど、夫は夫なりにわたしへ羨ましいという感情を煮詰めていたようだった。

ギャラリーさんで想像以上にゆったりとじっくり眺めていた彼は、どのように感じたのだろうか。彼の感性にあまり踏み込み過ぎず、気になることやものに少しずつ触れてみてくれたらいいなと見守っている。

その帰り道、スーパーへ行くと梅たちがようやく並んでいた。思わず、「わぁ!梅がある!」とはしゃいでしまい、視線を少しだけ集めてしまって恥ずかしかった。今年は不作だと聞いて、梅仕事ができないかなぁと不安がっていたから余計に嬉しかった。

別の場所にも追加で赴いて、4キロほど買って帰った。ほくほく。コロコロとした姿がほんとうにかわいい。実ってくれてありがとう。

6/2

朝からお出かけをしたあと、帰宅して梅仕事を粛々とする。小さな実り、小さい中の大きな命を感じながら梅たちと触れ合っていると、気持ちがいくらぐるぐるしていても和らいでいく。
本当に自然の力は偉大だと思う。触れているだけで、心も身体もほぐしてくれる。今から1ヶ月、この子たちの成長を待つのだけれど、日々の中でこういった慈しみの時間を持つことは忘れないでいたい。

3年目の梅シロップ。すくすく育つのが楽しみ

ここから先は

0字

かみつれ

¥400 / 月 初月無料

忘れたくない小さな心の動きと無常な日常の記録。言葉で心がつながる瞬間がひとつでもあると嬉しいです。

この記事が参加している募集

ZINEの制作費や、表現を続けるためのお金として使わせて頂きます🌱