レザーアイテムとサスティナブルを考える
どーも。ファッションクリエイターの福元です。
先日、「LOUIS VUITTON」がフランスに建設した新たなレザーグッズ工房の落成式を行ったというニュースがありました。
クロコダイルやパイソン、オーストリッチなどのエキゾチックレザーへの投資を強化するそうです。
2018年にクロコダイルやスネークを含むレザーの使用を中止すると発表した「CHANEL」を始めとして、近年リアルレザーの使用を中止するブランドが増えています。
そんな中で、キゾチックレザーへの投資を強化する方針を発表した「LOUIS VUITTON」に対して「サスティナブルな取り組みをしていない」と否定的な見方をする方もいるかもしれませんが、果たしてそうなのでしょうか?
これについて、ルイヴィトンの会長兼CEOであるマイケル・バークは「エキゾチックレザーを使用しなければ、これらの動物は絶滅してしまう」と主張しています。
「生息地を自然のままの状態で保つためには、その土地自体に価値を持たせる必要がある。そして、こうした土地が持ちうる最高の価値は、クロコダイルやアリゲーターの産卵地となることで、われわれはその卵を1個約50ドル(約5700円)で購入する。そして100個買うごとに、1年後には1歳のワニを10匹野生に放つ。こうして絶滅寸前だった動物を再生しているのだ」とも。
つまり、絶滅寸前だった動物を救うことに繋げる為に、エキゾチックレザーの使用を強化しているということです。
ちなみに。
レザーの使用に関しては「ワシントン条約」によって規制されているので、「ワシントン条約」についても少し説明させてください。
めちゃくちゃザックリと説明すると、「貴重な野生動物を護るための国際的な取り決め」でして。
保護が必要と考えられる動物を絶滅危機の度合いによって3つに区分けして取引を規制していて、動物の生体だけではなくて、剝製や毛皮・骨・角・葉・根、それらを使用したバックや加工品も対象になります。
そして、「ワシントン条約」は、ただ単に野生動物を保護するだけでなく、適切な利用を続けていくことも念頭に置いているんですが。
近年世界的な標語にもなっている「サスティナブル・ユース」という言葉をご存知でしょうか?
これは、長期的な展望に立って「無理のない資源の有効活用」という考え方のもとにレザーを使用しいるという事で。
例えば、野生のクロコが沢山生息していうアフリカのパプアニューギニアでは、クロコの取引により経済圏が成立しています。
多くの人がそれによって生計を立てているため、野生動物の利用を全面禁止にしてしまうと、産出国やその地域の住民にとって動物資源が無価値となってしまったり、乱開発や密猟の原因となり、生息環境の破壊へと繋がってしまうんですよね。
そこで、それぞれの利害を調整した社会的合意を形成することが地球の資源を守ること=サスティナブル・ユースへと繋がっていくことになります。
つまり、「サスティナブル・ユース」も野生動植物の護り方のひとつなんです。
最後にもう一つ。
私は、撮影スタジオでアシスタントの仕事もしているので、クロコやパイソンのバックにもよく触れているんですが。
「JRA」というタグが付いているブランドが多いんですね。
これはどんな意味があるのかというと、「ワシントン条約の規定に基づいて輸入された革を使用し、全ての工程が日本で行われた」ことを示す、MADE IN JYAPAN製品である証なんです。
JRAタグの付いた製品を買うという事は、「持続可能な利用」を推進する事にもなるので、ひとつの目安にしてみるのも良いと思います。
「レザーの使用は良くない!!」と思っている方が多いと思いますし、それが間違いという訳ではありません。
実際に、動物や地球環境への負荷が大きい形でレザーを使用しているブランドも沢山あったと思います。
ただ、レザーを使用することが動物や環境を保護することに繋がっている場合もあるという事を知って欲しくて、この様な記事を書かせていただきました。
必要なのはキチンと背景を知った上で判断することだと思うので。
この記事がそのキッカケになれば幸いです。
以上、レザーアイテムとサスティナブルについてのお話しでした!
では、またねー!
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