#10 D2C by 佐々木康裕
D2Cとは
D2C(Direct to Consumer)とは、メーカーやブランドが小売店を通さず自社ECサイトで直接個人に販売するビジネスモデル。
「自社ECサイトで」というのがポイント。Amazonや楽天を使うのはD2Cではない。なぜなら顧客の購買までの行動や購入履歴が自社のデータにならないし、サイトの世界観や購買までの体験もAmazonに依存してしまうから。
・ 自社で顧客データをIDに紐づけて管理できている
・購買の体験(UI/UX)をコントロールできる
この2つが揃って初めてD2Cとなる。
信頼する、ファンになる
ブランドを信頼しファンになる過程と、個人を信頼しファンになる過程は同じだと思った。
たとえば私の場合、Twitterで有名人(エンジニア、デザイナー、CEOなど)をフォローする際は以下を見ている。
・考え方が現代的か(倫理観など)
・言動に一貫性があるか
・一貫性がある、と感じられるだけのアウトプットの量と質があるか
・誠実か
・世界観に惹かれるか(もしくは有用な情報を提供してくれるか)
・それ/その人を良いと言っている人たちは魅力的か
・自分もその輪の中に加わりたいか
ブランドに対しても同じで、商品そのものだけではなく、公式ウェブサイトやSNS、加えて実店舗まで世界観が一貫していると、信頼が置けると感じる。
ブランドの発信量 < 顧客の発信量
SNSの普及によって、
ブランドからの発信量(広告) < 顧客の発信量(レビューなど)
となり、ブランド側からの一方通行だったコミュニケーションが、双方向になった。
ブランド側からすれば、
ネガティブな側面:誠実ではない対応や前近代的な言動をするとあっという間にSNSで拡散されて炎上する。
ポジティブな側面:ファンになってもらえれば勝手に拡散・宣伝してくれる。
ということになる。
ネガティブを最小にして、ポジティブを最大化できている(思わず拡散したくなるきっかけ作りができている)ブランドが強いのだな。
Mr. CHEESECAKE
D2Cと聞いてまず思い浮かんだのはMr. CHEESECAKE。
商品はたったひとつ、チーズケーキ。(+ たまに季節限定フレーバー)
フォローしているデザイナーやベンチャー企業の人たちの「めちゃくちゃおいしい」という口コミで知った。
Mr. CHEESECAKEの好きなところは3つ。
1. ブランドの世界観
ウェブサイトやSNSを見ると、洗練されていて、落ち着きがあって、穏やかな気持ちになれる世界観。
このチーズケーキを買えば自分の家にも束の間の穏やかな空間が訪れるのかな、と期待してしまう。
2. 中の人の顔が見える
シェフやフォトグラファー、デザイナーの人たちが一個人としてTwitterで発信している。
ブランドのプロモーション用ではなくあくまで個人のアカウントなので、それぞれの日常や別の仕事があって、Mr. CHEESECAKEはあくまでその一部。
なので各個人のファンでもあると同時にブランドのファンでもある、という状態。
3. ファンの人たちが素敵
さきほど「口コミで知った」と書いたけれど、口コミの主は自分が尊敬している人たち。
尊敬している人たちが良いと言っているのなら、きっと良いのだろうなと期待する。
そして自分もそれを体験して、良さを知っている人たちの一員になりたいという気持ちになる。
D2Cって素敵
世界観に惹かれる、ファンになるってとても素敵なこと。
「好き」「語りたい」は人生を豊かにしてくれる感情。
そういえばこないだこんな本を読んだんだった。こんなところにもつながってくるんだなあ。
#これからの企業の情報発信
たまたまだけど、ちょうどこんなnoteライブをやっていた。
「法人」が文字通り人として扱われる時代になったとか、まさに自分が感じていたことだったのでびっくりした。
『D2C』を読んで、興味の幅が広がったなあ。