山沢栄子「私の現代」展@東京都写真美術館
山沢栄子は1920年代に油彩を学ぶために渡米し、アルフレッド・スティーグリッツの弟子だったカメラマンの助手となって撮影を学んだ。こんなにも早い時期にアメリカで写真を学んだ日本人であり、しかも女性という非常に稀有な存在である。
本展覧会で圧巻なのは、抽象的なカラー写真《What I am doing?》のシリーズである。ある作品では光の角度と陰影が丹念に計算され、素材の質感が生々しく立ち上がり、またある作品ではカラフルな対象が極めて平面的に撮影されてあたかもポップアートの絵画