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デザインのひきだし44

■ ひとこと概要

魅力的な板紙・厚紙の実物見本と共に徹底紹介してくれる今号。既成概念に囚われることなく新しいスタンダードを実現していく発想の柔軟性も凄い。であることの意味を最大限に魅せる職人たちの想いが今回も熱く読者にも響いてくる。

■ 感想

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「デザインのひきだし44」(グラフィック社編集部)P160

魅力的な板紙・厚紙の実物見本と共に徹底紹介してくれる今号。

既成概念に囚われることなく新しいスタンダードを実現していくアイデアたちも凄い。花は好きだけど花器は持っていないという人に向けて考案された、お花を購入して持ち帰る時のショッピングバッグとしての機能だけでなく、家でグラスに花を挿しフラップを外側に折り返すとグラスを覆う花瓶となり、彩りを新しく付加してくれる二段階に素敵な構造のUNBOX。他にも板紙・厚紙両者の違いや用語、印刷の際にトラブルを起こさない為の基礎知識も勉強になる。

今回の表紙の制作秘話も凄く面白く、5cmの見本帳を挟み込んでも表紙が硬く立たない為2cm間隔で折り筋を空押しする「お風呂のフタ作戦」を施すなど、発想の柔軟さも流石。最大限の効果を目指して圧と熱を調整し続ける匠の技と研究心も圧巻。空押しの出来も雰囲気が良ければ細部はまあ…なんて妥協は許さず、きっちりと可読性にも拘り、合計14000枚以上の表紙の紙を1枚1枚丁寧に手でセットし加熱空押しされたコスモテックの前田さんの職人魂は感動的。

表紙の紙は3色あり、自分の元に届いた版以外の紙は書店で眺めるしかできないところを、3色とも付録として添付してくれているのでイメージだけに留まらず現物を見られるいつもながらの心遣いも嬉しい。

さらっと読んで終わりになるのではなく、本や紙で作られた製品に面白さや引っ掛かりになる付加的要素を乗せ、紙であることの意味を最大限に魅せる職人たちの想いが今回も熱く読者にも響いてくる。

■ 寄り道読書

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「そのまま豆本 はじめての手製本編」(河出書房新社)P96

切り取って組み立てることで17冊の豆本が作れるキットにもなっている初心者向け豆本作りの為の本書。

かわいさを眺めてばかりいたけれど、そろそろ作ってみよう。

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