山陰中央新報で月に一度掲載している【オンナでもオトコでもない曖昧なワタシ-松島彩のLGBTQ事情-】の過去記事。写真は、いしとびさおりさんの作品から。現在は、新聞連載はしていませ…
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#セクシャル・マイノリティ
LGBTQ事情#1 女の子なんだから。
私は小さい頃、自分のことを「オイラ」と言っていた。
女の子なんだから、自分のことはワタシと呼びなさい。足を閉じて座りなさい。スカートをはきなさい。「女の子なんだから。」
どうして、人は性別に私を当てはめようとするんだろう。女の子だけど、ズボンや黒い服が好きだし、足を広げて座りたい。それではいけないのだろうか?
「女だから」とか「男だから」と口癖のように言う人には、つい反発してしまう。
LGBTQ事情#21 LGBTQの人になろうとしていた。
私は最近「ワタシ」を忘れて、「LGBTQの人」になろうとしていた。
コラムをきっかけに講演の依頼をたくさんいただいた。話す内容を考えるため、インターネットや本を読み漁ったが、壮大すぎて頭がくらくらした。生物学?医学?法律?歴史?なにもまとまらないまま、ある講演の前日、突然取り憑かれたように、自分で髪をバッサリ切った。今の見た目では、ただの女で「LGBTQの人」としての説得力に欠けるんじゃない
LGBTQ事情#20 親の愛情を独り占めしたかった。
私の性の悩みのはじまりは、親の愛情を独り占めしたいという欲求からだったように思う。
3歳のころ弟が生まれた。私にだけ向いていたみんなの目が、一斉に弟へ移った。「男の子が生まれてよかったね」という誰かの何気ない言葉が今も耳に残る。あんなにかわいがってくれていたのに、私が女であることを残念に思っていたのか。それをきっかけに自分の女の部分を嫌い、男っぽさに憧れを抱くようになった。
そして、また