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絵本「ちょっとだけ」から垣間見える子育て
息子を妊娠中、お姉ちゃんになる意識を高められたらと思い、娘に絵本を買った。
それがこれ。
「ちょっとだけ」
○出版社からの内容紹介
弟が生まれて、なっちゃんはお姉さんになりました。お母さんは赤ちゃんのお世話で忙しいので、いつもなっちゃんの要求に応えてあげるという訳にはいかなくなりました。そこで、なっちゃんはいろんなことを自分ひとりでやってみます。お姉さんになったからと頑張るなっちゃんですが、眠くなった時だけは、どうしてもお母さんに甘えたくなります。お姉さんになったことで感じる切なさ、そしてそれを乗り越えることで成長していく子どもの姿を母親の深い愛情とともに描いています。
本屋さんでは「ママが泣ける本」とのポップが。
一読してみるとなるほど、なっちゃんがお姉ちゃんとして健気に頑張る姿がいじらしいし、でも甘えたい時には甘えていいんだよというママからの優しいメッセージも温かい。
確かに素敵な絵本と思い、早速娘に読んでみた。
◇◇◇
読み聞かせ後、娘に「どうだった?」と感想を聞いた。
「うーん」と考え込む娘。
お姉ちゃんになるという現実に不安になったり、嫌悪感を抱いたんじゃないかと少しドキドキしていた私に、娘は予想外の反応を示した。
👧「ねー、なっちゃんのパパは何してるの⁇」
私「えっ!?」
た、確かにパパは何をしているんだろう💦
この本でなっちゃんの家には、ママと赤ちゃんしか出てこないのだ。
色々な事情で、パパがいない家庭も沢山ある。
でも、お姉ちゃんになったからといって、上の子が当たり前のようにママと赤ちゃんを気遣って、自分で髪を結んだり、1人で公園に行ってみたりするのは違う気がする。
もちろん自立心や思いやりは大切だけども💦
例えばこういうのはどうだろう。
パパがお仕事を休んでくれている(育休)から大丈夫!
髪も結んでくれるし、公園も一緒に行ける✌️
とか、
(パパ以外の)家族が助けに来てくれて、なっちゃんが困っている時に助けてくれた✌️
とか。
それでも駄目なら、シッターさんみたいな人が赤ちゃんを見てくれて、なっちゃんはママと楽しく過ごせた✌️
とか。
ここで強調したいのは、絵本を批判したいわけじゃないんです。
ただ、この絵本は、所謂ワンオペと呼ばれる日本の子育て状況を強く反映しているのではないか、と。
だから、ママが泣ける絵本なのだ。
泣くべきは絵本に登場すらさせてもらえないパパのはず。
世の中が変われば、きっとこの絵本の内容も変わる。
パパが、家族が、そして周囲の沢山の大人が、なっちゃんとママ、そして赤ちゃんを支える。
お姉ちゃんになったからといって、上の子に我慢を強いるのは違うよな、と強く思ったのでした。
頑張るのは子どもではない、大人だ。
お姉ちゃんになって家族が増えても、沢山の大人が守ってくれるから大丈夫✌️
上の子が希望を持って安心して赤ちゃんを迎えられる、そんな絵本が増えていけばいいなと感じました。
○余談
この話を聞いて、我が夫は大喜び。
娘にとって、頼りになるパパで良かったね❤️
まぁ、ちょっと尻にしかれていますが😂笑💦