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ダークサイドへのスイッチ▶︎『地面師たち』読書感想エッセイ

『地面師たち』(原作小説)を読んでるんですが……やっぱりハードなダークサイドものは気力・体力を使います。
読んでるだけなのに。

なんとなく私の中でジャンル・ヒエラルキーみたいなものがあって、ダークサイド小説は官能モノとともに頂点にあります。
自分を偽らないと読めない感じ。

こういう感覚は人付き合いにもあって、ずる賢く生きている人たちといるときは、自分もそう振舞おうと頭のスイッチを切り替えているようです。
「いるようです」というのは、自分でも自覚がないのです。
一緒にいるために、いつの間にか切り替わっている。
多分、そのとき近くにいる人たちに「嫌われたくない」という、ある意味においての自己防衛反応が働くのでしょうね。
擦り寄らなければ生きていけない。
そう思い込んでいるし、思い込むように育ってしまいました。

私は読んでるものやハマってる物語に感化されやすく、普段の言動にも表れてしまいます。
正直、『地面師たち』を読んでいる今は、小さなことにイライラしやすく、わかり易く言うと、チンピラっぽい言動が表面化しています。
(なんでそっちよ。策士っぽい方向に出ればいいのに)
元々持っている性格の一部であることは確かなので、普段は隠してる……だと自発的に押し込めてる感じですが、そうじゃなくて自然な形で潜めている、のだと思います。

バカにされたくない。
侮られたくない。
雑に扱われたくない。
そういう、知力のある生き物に沈殿している消し炭が、チロチロと炙り出てくる物語です。
お取り扱いには、気をつけて……。

#読書感想文

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