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らいすき会#5 分析note

らいすき会とは、
ライティング力を高めたいというメンバーが集まって発足したコミニュティで
ライティングがすき と ライティングスキルをアップさせよう
という言葉を掛け合わせて命名されました。

同じ文章を読み、その文章について分析し合あう。そしてnoteにアウトプットするという活動をしています。

めっちゃ素敵な取り組みじゃないですか?そう実は元々3人で開催されていたところに、私が飛び込みで参加させていただきました。

快く参加を承諾してくださってありがとうございます。

ではさっそく#5に参加させていただいたので、分析noteを公開したいと思います。

ちなみに三宅香帆さんのバズる文章教室を参考に分析しております。

古い話である。僕は偶然それが明治十三年の出来事だと云うことを記憶している。どうして年をはっきり覚えているかと云うと、その頃僕は東京大学の鉄門の真向かいにあった、上条と云う下宿屋に、この話の主人公と壁一つ隔てた隣同士になって住んでいたからである。その上条が明治十四年に自火で焼けた時、僕も焼け出された一人であった。その火事のあった前年の出来事だと云うことを、僕は覚えているからである。

森鴎外「雁」

過去の話をするときに自分だったらどう書き始めるかな?というのを考えました。きっと「学生の頃に」など〇〇の頃に、で始めてしまうと思います。そして、過去の状況を羅列していく、どちらかというと自分語りに近い文章になるのが想像できます。

森鴎外さんの文章では過去のことを話すときの出だしは、「古い話である」とありました。先に「過去の話ですよ」と伝えることで、読者も「あ、過去の話か」っと心の準備もでき、情景を浮かばせやすくなります。そして、読み進むに連れてまた別の主人公という存在がでてきます。この話のメインは自分ではなく、別の人物「主人公」。自分語りではなく、過去のことが物語のように話されることで、より読者がイメージを膨らませやすいのではないかと思いました。

また、著者の三宅さんは、「現実味のない話は、読み手と同じ境遇の人がそばにいることによって、身近に感じられる」と書かれていました。

読み手と同じ境遇の人がそばにいるというのは、読み手に寄り添うことでもあります。ライティングを学んでいる中でも、難しい言葉や専門用語はなるべく使わないようにするか説明を付け加えてくださいとありました。読者が離れていきやすいからです。

私自身も自分の理解を超えた範囲や共感が得られない文章はどうしても読み進めづらく苦痛になってしまったり、眠くなったりしてしまいます。あらめて、読み手が読み続けたい!続きが気になる!と思ってもらえる文章を書きたいなと感じました。

森鴎外さんが読者を離脱させないために工夫してこの文章を書いたかはわかりませんが、教科書にも掲載される数々の名作が残されてる作家の1人ですので読者を魅了する秘密があるのは間違いありません。

高校生の頃に教科書で森鴎外「舞姫」や芥川龍之介「羅生門」夏目漱石「こころ」に触れましたが、知らないうちに記憶から消えてしまいました。あの頃は学習として「読まされた」が強かったからかもしれません。

ただあれから15年近く経った今なら、あの頃とは違う気持ちで名作に触れることもできるのかな?と思いました。

森鴎外の雁を含め、教科書に掲載されていた3作品も青空文庫でも読めるようです。年末年始の冬休みにいかがでしょうか?



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