キャリア教育に関わることは自分の人生と向き合うこと【社会人のための“教育ってそうなってるのか!”講座】
キャリア教育コーディネーター養成講座実践コースをやっていると、
いつも思うことがあります。
「キャリア教育に関わることは、
自分の人生・キャリアと向き合うことになる」と。
例えば、授業を企画するとき。
その学校・クラスの子どもたちの状況や
先生の願いをしっかりお聞きすることが前提ですが、
同時に、キャリア教育コーディネーターの想いも
実はとても大事だったりします。
これがないと、ただの御用聞きになってしまうから。
キャリア教育コーディネーターである自分は、
子どもたちにどんなメッセージを込めようとしているのか。
そして同時に、それがひとりよがりでないかや
他人をコントロールしようとしていないかなど、
自分の無意識の領域とも向き合うことに。
「人としてのあり方」が
いちばん問われるシーンかもしれません。
そして例えば、教材や授業の流れを組み立てるとき。
大人としての願いだけでなく、
「自分が高校生の立場だったら」
どう感じるだろうか、どう受け止めるだろうかを
徹底的に考えることが必要になります。
もちろんそれは想像の域を出ない部分もありますが、
でも、結果として、子ども時代の自分が何を感じ、
何に悩んでいたのかと向き合う時間にもなります。
もうひとつ。
ゲスト講師と一緒に授業を組み立てるとき。
ゲスト講師にヒアリングをし、
授業の流れやスライドをつくっていく作業は、
仕事の内容や経歴といった「情報」だけでなく、
ゲスト講師その人の生き方・働き方、
要するに人生そのものに触れることでもあります。
他人の人生に触れるということは、
鏡のように「自分の人生」を考えることに。
ここでは、他者の人生に対して自分の心がどこで動くのか、
感性のアンテナを高く持っていることがとても大事です。
大人が感動しない話を
子どもが感動できるわけがないからです。
こうしていろいろなシーンで
自分と、自分の人生と、向き合うことになります。
時としてそれは、ちょっとしんどいことかもしれません。
自分はどう生きてきたのか、
また、これからどう生きようとしているのか。
キャリア教育コーディネーター自身が、
子どもたちに「生きる後ろ姿」を見せられるかが
問われているのだと思っています。
結局のところ、自分はなぜキャリア教育に関わろうとするのか、
その動機と向き合い続けることが必要なのだと思います。