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初心者でも楽しめる将棋再挑戦──『こども将棋 強くなる指し方 入門』を読んで

1. 書籍情報

  • 書籍名: こども将棋 強くなる指し方 入門

  • 監修者名: 中原誠

  • 出版社: 池田書店

  • 発行年: 2011年9月20日

  • ジャンル: 棋書


2. この本を手に取ったきっかけ

40歳になってようやく将棋の駒の動かし方を覚えた私。将棋ウォーズで1級に到達したものの、そこで停滞しています。一般の棋書は難解で敷居が高く感じる中、こども向けに書かれた本書に魅力を感じました。図書館で偶然手にした本書は、基本からやり直すための新しい一歩となりました。

伸び悩んでいるので、将棋を好きな人が子ども時代に読んだであろう本からやり直してみることにしました。


3. 本の概要

『こども将棋 強くなる指し方 入門』は、次の一手形式で構成されており、序盤、中盤、終盤の3つのフェーズに分けて全67問を出題しています。序盤の10問、中盤の40問、終盤の17問を通じて、初心者から中級者までが楽しみながら学べる内容となっています。

監修者である中原誠十六世名人の知識と経験が詰まっており、扱われる戦法も多岐にわたります。腰掛け銀や角換わり棒銀、中原流3七桂戦法、急戦石田流など、幅広い戦術が学べる点が特徴です。

  • 相掛かり: 腰掛け銀、くさり鎌銀、ひねり飛車、塚田スペシャル、飛車先交換型棒銀、中原流3七桂戦法、横歩取り戦法、相横歩取り、3三角戦法

  • 角換わり: 角換わり棒銀、早繰り銀、角換わり腰掛け銀

  • 矢倉

  • 振飛車戦: 四間飛車、中飛車、急戦石田流


4. 印象に残ったポイント

本書で特に印象的だったのは、将棋の各フェーズでの目標設定です。

  • 序盤: 敵より有利な駒組みを作る

  • 中盤: 駒得を目指す

  • 終盤: スピードを重視して玉を詰ませる

これらのポイントは、他の多くの棋書でも繰り返し説かれています。私も知識としては理解しているつもりでした。しかし実際には、それを実践できていないことに気づかされました。まるで論語の「學びて思はざれば則ち罔(くら)し。思ひて學ばざれば則ち殆(あやう)し」のように、私は分かったつもりになり、我流を繰り返していただけだったのです。

特に中盤を軽視し、適当に指していたことを反省しました。本書を通じて、基本に立ち返ることの重要性を改めて実感しました。


5. 読後の感想

本書を読み、将棋で重要なのは「その場の最善を尽くすこと」だと改めて感じました。藤井聡太先生が、その頂点に立つ存在である理由も、この本を通して少し理解できた気がします。初段の人は、ぼくより「その場の最善を尽くすこと」ができるし、もちろんプロの人はもっとできるのでしょうし、現在全人類においてそれが一番できているるのが藤井聡太先生なんだと思います。

加藤一二三先生が少年時代に「善い手を指し続ければよい」と悟り、プロになれることを確信したエピソードを思い出しました。天才とはまさにそういう方々のことを指すのだと痛感しました。本書は、伸び悩む私に新たな視点を与え、将棋に対するモチベーションを再燃させてくれました。


6. 行動への影響

本書を読んでから将棋ウォーズでの勝率が改善されました。今年に入ってからは4勝1敗という好成績を記録しています。特に「寄せの基本が身につく はじめての詰めろ」との組み合わせで得られた効果が大きかったと感じています。この内容については、別の記事で詳しく書く予定です。


7. この本をおすすめしたい人

本書は、将棋を好きな方や基本から学び直したい方に特におすすめです。ただし、駒の動かし方の解説は含まれていないため、初心者の方は他の入門書で基礎を学ぶことを推奨します。また、戦法を学ぶ際には、自分に合ったスタイルを選ぶと良いでしょう。

私自身は棒銀を愛用しています。棒銀に興味がある方には『藤井聡太がやさしく教える 棒銀戦法の指し方』や『井上慶太の居飛車は棒銀で戦え』を併せて読むことをおすすめします。


まとめ

『こども将棋 強くなる指し方 入門』は、初心者でも楽しみながら学べる一冊です。将棋を通じて学び直しの大切さや、基本に忠実であることの重要性を教えてくれました。この本が多くの将棋愛好家にとって、新たな発見と挑戦の機会を与えることを願っています。

将棋ウォーズで対戦することがありましたら、よろしくお願いします!


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