AWESOME Choices Issue no.06「文学部を卒業して20年後に工学研究科で学び直す」というキャリア
上松恵子さん
現在、研修事業を運営されているとのことですが、学部を卒業して20年後に理系分野を学ぼうと思われた理由について教えてください
元々、読書が大好きで、文学少女。今でも基本は文系だと思っています。ただ、大学関連のお仕事で理系の大学の先生や学生と触れ合う機会が多く、彼らの論理的な思考やデータを紐解く分析力、プログラミングやAIなど新しい技術を果敢に取り入れるスキルを尊敬していました。
自分とは違うからこそ、興味が湧いたし、さらに、そのスキルを身につけることができれば、視野が広がるだろうなぁという期待から大学院で理系にチャレンジすることにしました。
大学院の学部や専攻を選んだ理由についても教えてください
基本的に、自分と違う人には、特に尊敬するし、ご一緒できるとワクワクします。そしてなんとなく、文学と工学は、両極なイメージがあり、自分にないからこその憧れも含めて、「えいっ!」と、チャレンジしました。また、社会の課題を解決するために、新しいやり方や方法を編み出したいという思いも強く、イノベーションに関して学べるという点も選んだきっかけです
これまでに経験したお仕事を選ばれた理由について教えてください。
文学部卒業後は、高校生やその保護者、高校教員等に大学や短大の情報をお伝えする、広告の営業職をしました。その後、学校法人に転職して、広報や入試、新設学部設立のための調査などを担当しました。 さらに、名古屋大学を拠点として、学生と企業が新しいものづくりを進めるプラットフォームとしての役割を担う ⼀般社団法⼈の事務局長を務めました。
この経験が、理系の大学院進学に大きく影響を与えくれたと思っています。
お仕事の中で理系での学びが活かされているなと感じることはありますか?
もっと「理系」が出てほしいと願っているくらいの、発展途上ですが、以前よりも、多面的に物事を考えること、定性的な視点だけではなく、定量的なデータ分析なども可能な限り集めること、などは心がけるようになりました。
理系で学んだ今だからこそ、感じていることについて教えてください
基本的にはこれまでの仕事も今の仕事も文系的な仕事ですが、理系の人材と文系の人材、それぞれに長所があるので、力を合わせたチームになると、さらに面白いことが生まれる希望と予感を感じているので、積極的に多様性のあるチームづくりをしたいと思います。
ご自身にとって「理系で学んだこと」や「リケジョ」に対して何か思うことなどあれば、教えてください
理系分野が得意だから、ではなくとも、理系の先にある未来にワクワクするなら、ぜひ、「理系」にチャレンジしてほしいと思います。私は、全く理系科目は得意ではないですが、周りの方に助けていただきながら(大いに大学の課題では助けてもらいました)修了しました。「できること」はもちろんですが「やりたいこと」を見つけられたなら、きっとできるようになるために、壁を突破する努力は可能だと思います。
これからの進路を考える女子中高生や理系学部で学んでいる学生の方などに向けて、ぜひ一言アドバイスをお願いします
文系に比べると、理系は女性が少ないのは事実ですが(私も大学院では、たった一人女性でした)、希少な人材であることに誇りと勇気を持ち、前に進んでほしいと思います。
あなただから気がつけること、できること、やり抜けることが、きっとあると思います。応援しています!
最後に
文系出身で、お仕事も文系の中で理系の道に関心を持たれた上松さんが、工学で学びの機会を追求された姿勢に本当に感銘を受けました。特に、文系のキャリアにいらっしゃるからこそ、理系・工学で得られる強みの要素について客観的にお話いただけたことが、理系女性たちの可能性をより広げるヒントになると確信しています。貴重なお話をいただき、本当にありがとうございました。上松さんの今後の更なる活躍を心から応援しています!
あとがき
AWESOMEでは、理系で培ってきた強みを活かして、さまざまな業種や職種で活躍する女性の「選択(Choices)」から見えてきたストーリーを紹介していきます。
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