個性を発揮できる環境〜職場、地域〜
淡路島に移住して、11月で3年を迎える。振り返ってみて印象的なのは、「悔しかった」出来事だ。何も決めずにホームレス移住だったせいか、目標を語っても、「君は苦労したことがないだろう」とか、「何者でもないんだから地に足つけて働いたらどうか」など言われたのを覚えている。こういった大人からの言葉があるたびに、「やったこと無いお前に何がわかる」と活力に変えたのが懐かしい。
まだまだ発展途上だが、経営者として2人の仲間にも少しだが給与が渡せるところまで来ている。活動の幅も広がり、夢への距離も少しずつ見えてきていると感じている。ホームレス時代のひもじい生活は地方の物価の安さも相まって何不自由なく暮らしている。当時の私にふざけた事を言ってきた人も、今では手のひらを返して応援してくれている。そして痛い所をつかれたからこそムキになった自分も客観視できるようになった。
淡路島に来てからとにかく色々な人に会って、チャンスを探ってきた。今ある事業もそうして出会った人たちの支えの中で生まれたものだ。私はどちらかというと、「外交的」なタイプなのだと思う。そして、「内向的な人が活躍するには」という面白い記事を読んだ。
そこに書かれていたのは、『「静かな人」の戦略書」』という本についての話だった。ビジネスにおいて内向的な人は一般的には不利とされている。しかし、内向的なことは「個性」であって、矯正して治すものではなく、強みを活かしていくという考え方がそこには書かれていた。戦略的思考が得意で、チームワークを乱さず、傾聴力に長けている内向型の人は自身の強みを理解する。そして、リーダーが個性を理解して活かせる環境を作ることで、大きな力を発揮できるのだという。そして、外交を求められるリーダーという立場に対してモチベーションが上がらない内向型の人のリーダーという立場の捉え方が書かれていた。
仕事における成功や充実には人それぞれの筋道があり、「正解」はない。しかし、ほとんどの企業ではその正解があるような風潮になっているのではないか。最近だと、社内研修で一人一人の個性を理解してそれぞれのチームで活かしていこうというようなものも増えてきているようだが、まだまだ内向型の人は外交型の人に比べて難しい日々を送っていることは容易に想像できる。
しかし、会社の総力は社員全員の合計値であることを考えるとそれぞれの個性を発揮できる人事とリーダーが必要不可欠だ。そして、まずは自分自身が個性を理解し貢献しようという意欲が必要だと思う。
個性を発揮できるという点で、地方は面白い。環境がガラッと変わることで自分の中でも変化が生じ、自己分析するにも多くの気づきを与えてくれる。私自身淡路島に来て、気がつかなかった自分の個性を発見できた。自分自身とは、「自分と環境によって形成される」という言葉もあるが、現状に打開策を見つけられないときは、環境を思い切って変えることも有効な手段だと思う。
何はともあれ、力を発揮して幸せに生きるにはまずは自分を知ることから始まる。そして、自分らしく在れる環境でないなら環境を変えてでも幸せを追求すべきだと思う。その上で、自分自身が体験中の淡路島という選択肢も私は推していきたい。
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