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切る、斬る、Kill! ―榎本俊二『斬り介とジョニー四百九十九人斬り』―

 李牧「『邯鄲の歩み』ってどんな歩き方ですか?」
 廉頗「モンローウォークだ!」
 藺相如「…違います」
 李牧「(うっ…)退却の秘訣を教えてください」
 廉頗「ムーンウォークだ!」
 藺相如「それも違います」

 呂不韋「うわぁ、強敵(笑)」

 …失敬!

 今回は短めの記事をこちらに転載する。この『斬り介とジョニー四百九十九人斬り』(講談社)は、2010年のアフタヌーン誌7月号に掲載された榎本俊二氏の時代劇漫画だが、主役コンビがとにかく悪党どもを斬り殺すお話である。ストーリーは、悪党どもにさらわれた村娘の救助を村人たちに依頼された剣客コンビが、悪党どものアジトに乗り込んで、バッサバサと敵どもを斬りまくるというシンプルな内容である。
 タイトル通りに499人斬られているかは、あえて数えていないので分からないが、とにかく人が斬り殺される。剣客コンビのどちらが「斬り介」で、どちらが「ジョニー」なのかは、作品中名を呼ばれていないので分からないが、多分、若い方が斬り介で、ヒゲのおじさんがジョニーだろう。この二人が、まるで野菜のように、あるいは雑草のように、敵どもをとにかく斬りまくる。何となく『ドラゴンボール』のベジータのなり損ないみたいな敵キャラが出てくるが、次のコマであっさり殺されてしまう。
 何だか、『ファイブスター物語』の騎士が地球に現れて大暴れするくらいの反則的な強さの主人公たちだが、剣の嵐によって、悪党どもの首が怒涛のように刎ねられまくる。終盤で巨人のボスキャラクターが出てきて、主役1号はそいつもあっけなくやっつけてしまうが、主役2号は致命的なミスをやらかしてしまった。

 後書きによると、榎本氏は2007年にアフタヌーンの編集者にこの企画を持ち込んだが、他作品との兼ね合いの都合上、完成したのが2010年2月と、2年と6か月もかかったという。その血の滲むような努力の果てに、このような血なまぐさくスピーディーな作品が出来上がったが、仮に映像化するなら、10分くらいの短さになるだろう。

【Overkill - Elimination】
 バンド名が当記事の通り。


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