インリンとアーモンドアイの不定期万冊 第2回 タカハシマコ『乙女ケーキ』
ある意味ALI PROJECTのアンチテーゼだったJOYTOY。
インリン「アイちゃん、今回は百合漫画?」
アーモンドアイ「タカハシマコさんの短編漫画集『乙女ケーキ』(一迅社)です」
インリン「かわいい絵ね。でも、単にかわいいだけでなくて、毒やトゲを含んでいる感じ」
アモアイ「『女の敵は女』という言葉を真っ向から否定する自称フェミニストの女性たちは少なくないのですけど、明智紫苑さんはむしろ『女の敵は女』という言葉を究極の『百合』だと見なしています」
インリン「どういう事?」
アモアイ「ある人曰く、理解不能なものに対してわざわざ非難する必要はありません。さらに、ある女性エッセイストが言うには、女性に対してやたらと批判的な男性はむしろ女性的な気質ではないのかというのです」
インリン「確かに、自分自身の男らしさに対して自信がある男性は、わざわざ女性に対して細かいイチャモンをつけないような気がするね」
アモアイ「紫苑さんはクエンティン・タランティーノ監督の映画『キル・ビル』で描かれている女性同士の殺し合いに対して究極の『百合』を見出したそうです。あの人は孫臏と龐涓みたいな男性同士の本格的な対立関係に対して萌える性癖があるのですけど、女性同士の場合でも同様の萌え傾向がありますね」
インリン「うーん、私には理解不能だわ」
アモアイ「話を『乙女ケーキ』に戻しますが、この短編集自体がメルヘンチックなケーキみたいな印象ですね。甘い外観に微量の毒が含まれてしびれるような感覚です」
インリン「紫苑さんはBLは嫌いなの?」
アモアイ「好きなのはよしながふみさんの『きのう何食べた?』くらいですね。少なくとも紫苑さんは、BL・百合・異性愛を問わず、本来の設定をねじ曲げたカップリングの二次創作は嫌いですし、BLも百合もオリジナルでないとダメなのです」
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