インリンとアーモンドアイの不定期万冊 第9回 安西篤子『洛陽の姉妹』
韓信「十面埋伏!」
オルフェーヴル「うまいフグの毒!」
インリン「今回は中国史ものの短編集ね」
アーモンドアイ「はい、安西篤子さんの『洛陽の姉妹』(講談社)ですが、そのうち最初と次が春秋戦国時代の趙氏一族の話で、次が劉邦さんの奥さま呂雉さんの話で、その次が曹操さんと曹丕さん親子の話で、最後が表題作です」
インリン「趙氏といえば、『Avaloncity Stories』第一部のフォースタス・チャオさんのご先祖様でしょ?」
アモアイ「はい。フォースタスさんは趙の武霊王の息子さんですので、馬肉とスズメは食べません」
インリン「他のnoteユーザーさんたちが紫苑さんの小説をわざわざ読むのかな…?」
アモアイ「うーん。表題作は西晋の皇后賈南風さんの腹違いのお姉さんが主人公なのですが、この時代を取り上げる作家さんは少ないですね。あの宮城谷昌光さんの『三国志』だって、実質的に演義と同じタイミングで話を終わらせていますし」
インリン「確かに、西晋の話は塚本靑史さんの作風の方が似合うね」
アモアイ「私の記憶が正しければ、この短編集にはない話ですけど、安西篤子さんは呂不韋さんが主人公の短編小説も書いていました」
インリン「『キングダム』ではタヌキ、『達人伝』ではキツネの呂不韋さんね。あちらの朱姫(始皇帝の母)は自分自身の意思で呂不韋への復讐を目論むけど、『史記』では人物像がよく分からないからこそ、自由に人物造形を出来るんだね」
【中島美嘉 - GLAMOROUS SKY】
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