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【セミナー開催レポート】事業が勝手に育つ企業文化と新規事業の関係性
はじめに
「新規事業を成功させるには、どんな組織文化が必要なのか?」この問いに対する答えを探るべく、私たちアウトレは先日オンラインセミナーを開催しました。講師を務めたのは、当社CEOの小林です。
小林は、美容健康機器で知られるMTGをはじめ、複数の企業で経営企画や新規事業開発に携わってきました。新規事業の成功は、単なる事業戦略だけでなく、組織文化と密接に関係しているという持論を、実体験を交えながら参加者の皆様にお伝えしました。
新規事業開発の二つの起点
新規事業の始まり方には、大きく分けて2つのパターンがあります。一つは「社員起点型」、もう一つは「社長起点型」です。
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社員起点型では、現場で働く社員が新しいアイデアを提案し、それを会社の承認を得ながら進めていきます。小林がMTGに在籍していた際は、社員がプレゼンテーションを行い、経営陣の承認を得て事業化するという流れが定着していました。ただし、この方式には「知識やスキルが属人化する」「有能な人材が既存業務と新規事業の両方を抱え込んでしまう」といった課題があることも、現場で実感してきました。
一方、社長起点型では、経営者自身のアイデアや構想から新規事業が始まります。この場合、意思決定は早いものの、「既存事業との摩擦」や「社内の断絶」といった新たな課題が生まれることもあります。特に、新規事業のために外部から人材を採用した場合、「あの部署は別枠」といった声が上がるなど、既存の社員との間に温度差が生まれやすい傾向があります。
企業文化を形成する「多数決の法則」
セミナーの中で小林が特に強調したのが、企業文化は「多数決」で決まるという考え方です。これは組織内の「2-6-2の法則」と密接に関係しています。
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組織には通常、意欲的で行動力のある上位2割、消極的な下位2割、そしてその中間となる6割が存在します。興味深いのは、たとえ社長が「右に行く」と宣言しても、99人が「左に行きたい」と思っていれば、結果として組織は左に向かっていくという点です。
「表向きは『挑戦することが大事』と言いながら、実際には誰も挑戦していない」という状況が生まれるのも、この「多数決の法則」が働いているからです。小林は複数の企業での経験を通じて、この法則が確かに存在することを実感してきました。
事業が育つ組織文化の作り方
では、どうすれば事業が育つ組織文化を作ることができるのでしょうか。私たちが提案するのは、上位2割の社員の力を活用し、彼らを通じて中間層の6割を動かしていく方法です。
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「中間層に直接アプローチする研修プログラムも世の中にはありますが、効果は限定的です」と小林は指摘します。むしろ重要なのは、意欲的な2割の社員たちが活躍できる環境を整え、その姿を社内で可視化することです。中間層の多くは「自ら行動を起こす」タイプではありませんが、周囲の変化に応じて行動を変えていく柔軟性は持っています。
小林はこれを「薪と種火」に例えて説明しました。上位2割は自ら燃える「種火」であり、中間層の6割は周りが燃えれば燃え出す「薪」だというのです。この理論に基づき、私たちのプログラムでは、まず「種火」となる人材の育成に注力します。
新規事業開発プログラム「アウトレ」の特徴
私たちの新規事業開発プログラム「アウトレ」は、12回のワークショップで構成されています。各回のテーマは顧客インタビューやカスタマージャーニーマップの作成など、実践的なものばかり。「新規事業では様々な課題が同時に押し寄せてきますが、一つずつ順番に取り組むことが重要です」と小林は強調します。
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特に重視しているのが「仮説検証力」の育成です。新規事業に正解はありません。だからこそ、自分なりの仮説を立て、それを検証していく力が必要になります。プログラムの中では、参加者が自身の仮説に基づいて行動を起こし、その結果を次のステップに活かしていく実践的な学びを提供しています。
また、厚生労働省の「人材開発支援助成金」を活用することで、月額7.5万円のプログラムを実質2.5万円で受講することができます。「人への投資」が重視される今、より多くの企業に活用いただけるよう、費用面でもサポートを行っています。
これからの企業に求められる3つの要素
最後に小林が強調したのは、企業成長のための3つの重要な要素です。
カルチャーマネジメント:組織の多数派の意識を変えていくこと
企業独自の価値軸の明確化:自社らしさを言語化し、共有すること
適切な制度設計:変化した行動を正当に評価し、維持発展させる仕組みづくり
「制度は人を変えるためにあるのではなく、変化した人々の行動を支えるためにある」という小林の言葉が、印象的でした。
おわりに
このセミナーを通じて、新規事業の成否は、単なるアイデアや戦略だけでなく、それを育む土壌としての組織文化が重要だということを、改めて実感していただけたのではないでしょうか。私たちアウトレは、これからも企業の皆様の新規事業開発を、組織文化の面からサポートしてまいります。
新規事業についてのご相談は、45分間の個別相談会でも承っております。貴社の実情に合わせた提案をさせていただきますので、お気軽にお問い合わせください。
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アウトレにご興味をいただけましたら、ぜひ資料請求、お問い合わせお待ちしております。
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