不毛な絵描きの非皆既月蝕
皆既スーパー月蝕、楽しみにしてたのに……
月を食(は)む……ドキドキする響きです。
月を食べるのですよ。月が蝕まれるのですよ。ドキドキします。
5月26日、日中の様子では、天気も大丈夫そうだし、我が家のベランダはおあつらえむきの南東向き!
本当に本当に楽しみにしていました。
肉眼で愛でる気満々で、蚊に蝕まれないように、足元に古来からの蚊取り線香を焚いて、キッチンの椅子を持ち出し、準備していたのに……なんで?見えん!
あの辺りに居る!というのは、うっすらオレンジが滲んでいる空の部分からわかるのですが、厚い雲に遮られて、その姿を見る事が出来ない!雲はますます厚くなり、蝕が始まったであろう頃には月の位置が全くわからない。完全に地球の影に入ったであろう時刻をすっかり過ぎても、音沙汰のない空。
諦めて、夏に出品予定の作品を模索しつつ、時々チラチラとベランダに出ても、ウンともスンとも言わない空。
こんな事ならYouTubeとかのLiveを見ていた方が良かったかと、ヘソを曲げ、蚊に食われた足をかきながら、筆を持ち直します。
絵に集中して忘れた頃にベランダに出ると、薄くなった雲の向こうに、満月に戻った太った月がぼや〜〜っと浮かんでいました。遅いよ!
それでなくても乱視の私には、普段でも月が三つ重なって見えるのに、今夜は雲の向こうで三つの月がくっついて、なおさらぼやぼや〜〜。しばらくすると、雨、雨、雨!一晩中降り続けていました。私の皆既月蝕はどこへ?
「私の皆既月食は何処へ」
まあ、普段でも月を愛でると、気持ちがリセットされる事もしばしば。これからも、毎夜空を見上げて、混乱するものを鎮めようと思います。満月と新月の夜は、別の何かに変化(へんげ)できる事ですし。かぐや姫に想いを馳せましょう。
「かぐや姫のかくれんぼ」
月繋がりで竹林を愛でるのも気持ちのよいものです。