
絵描き、森と海に+企画展終+聖夜
黒い白
寒い森が産んだ小さな海
その海水は穏やかに渦を巻き
漂流するものを悉く漂白する
洗われて包まれて浄められる
海底の透明な椅子
誰かが座るのを待っている
それとも待っていた
それとも逃げた
それとも見えないのか
漂白されてもなお
根を張る黒
閉じ込めただけ
封じ込めただけ
いずれ解放される
生き死にを操る小さくて深い海
寒い森の中を移動する
ある日の容赦ない陽の光
小さな深い海を干す
海底の透明な椅子は顕
朽ちた座面に黒い海星
頼りなく影だけの花を咲かせる
あたしの正体

F 3 キャンバス 油彩
あたしの正体
12月21日土曜日
東京京橋、ギャラリー檜の企画展、終了いたしました。
そもそも……
あたしは怠けものなのよ
なぜ?
こんなに身体中痛くてもこんなにも動いてるのに?
誰にも案内状を出さなかった
なぜだろう
noteのささやかな一記事にはしたけれど
誰ひとりにも案内状も出さず
ひっそりと展示して
ひっそりと終わった
なぜ?
自分の作品を中央で発表する
いろんな人に宣伝して然るべきなのに
わからない
気持ちが怠けたかったのかも
でも作品はちゃんと創ったのよ
無機質で真っ白な作品にしたかったけど
あたしにはやっぱり強い汚れが必要だったみたいな
ふぅん、怠けものってそうゆうものなの?
わからないわよ
あたしがそうなだけ
ギャラリーの真っ白な壁に並べられた
数多の小品たち
一点一点作家の個性を放つ
そんな中の一点のあたしの子
白い壁面に溶け込むことなく中央で浮き上がって
何のことはなく澄まし顔で堂々と黒い白を主張していた
無機質な花の影を作ることなく佇んで
だから作品は怠けてなんかないの
6日間いろんな人の前で咲き続けたの
そうだったわ
ありがとうあたしの子
静かに作品を壁から外し同じ空間で過ごした作品たちを生み出した作家仲間と笑顔でまたいずれと会釈する
誰も誘わなかったギャラリー企画展
それでも健気にかっこよく頑張ってくれた我が子に感謝
こんな気持ちの怠け方は正解じゃないと元気じゃないあたしを反省する
いずれにせよ企画展も悪くないと思ったわ
絵を描くから、言葉があるから、どんなに森が深くても迷子になっても病が再発しようとも必ず死ぬまで生きてやる
今夜は町の教会に行くわ

スキスキをありがうございます♡

