見出し画像

コロンビア大学の心理学者が教える、効率的にやる気を出す方法

【レビュー】

皆さんこんにちは。

今このページをご覧頂いているということは、キーワード検索で「やる気」や「効率的」といったワードを検索されたか、何となくここに辿り着いたという方々が多数ではないかと思います。とにもかくにもアクセスして頂きありがとうございます。

『やる気が上がる8つのスイッチ コロンビア大学のモチベーションの科学』(ハイディ・グラント・ハルバーソン ディスカヴァー・トゥエンティワン 2018)は、私たちが人間のやる気を駆り立てる方法を解明している本です。

思うような成果を出すためには、そのやる気のない状態を作り出しているさまざまな要因を探り当て、医者が脈拍や体温や血液検査などを頼りに病気の診断と治療をしていくように、私たちも表に現れたさまざなな事象から、いくつかのパターン別に解決を探っていかなくてはいけません。

どこに問題があるのかがわかれば、心理学ですでに解明された「治療法」が見つかります。この本は、あなたが「人間をやる気にさせるお医者さん=モチベーション・ドクター」になるための最初の一歩になるように書かれています。

自分のやる気を出すのも大変なのに、ましてや他人のやる気もあげるとか、なんて難題だ!と思います。マネージャーの皆さま、いつもお疲れ様です。

何事も簡単に解決出来たら世の中どんなに楽かという感じですが、一筋縄でいかないところもまた、生きる楽しさだと個人的には感じます。

そんな中、今回この本から学んだ大切な肝は、「問題解決に、万人に共通するたったひとつの方法などない!」ということと、「それぞれの人に合わせて方法を考えることが大切」ということです。

当たり前のようで、言われてみると意外と出来てないな、みんな同じように対応しちゃってるなって人も多いのではないでしょうか?

そんな皆さま必見です!この本では、3つの軸をもとに人を8つのタイプに分けて解説していて、各タイプ別にそれぞれの特徴や、最適な対処法がまとめられています。これを把握しておけば、それぞれのタイプがさらにやる気になり、効率的に仕事も人生もこなしていくにはどうすればいいのかのヒントが得られるかも?!

まずは自分がどのタイプで、そのタイプにはどんな特徴があるのかを知る自己分析をしてみてはいかがでしょうか?その後にぜひ、自分の周りの困ったちゃんや凄い子くんがどのタイプでどんな特徴があるのか、ぜひ考えてみてください。

【著者について】

ハイディ・グラント・ハルバーソン

社会心理学者。コロンビア大学モチベーション・サイエンス・センター副所長。コロンビア大学で博士号を取得。モチベーションと目標達成の分野の第一人者。「ハーバード・ビジネス・レビュー」「ハフィントンポスト」「サイコロジー・トゥデイ」「フォーブス」などへの寄稿多数。本書のほか『やり抜く人の9つの習慣』(ディスカヴァー)『やってのける』(大和書房)『だれもわかってくれない』(早川書房)などのベストセラーがある。


3つの軸と8つのタイプ

本書では、人を8つのタイプに分けています。この8つのタイプをそれぞれ正しく理解しておけば、その人のやる気の上げ方や効率的に仕事や人生をこなしていく方法が分かってくると思います。

この8つのタイプは、3つの考え方の軸(マインドセット、フォーカス、自信の有無)を変数として様々な現れ方をするそうです。

1つ目の軸、マインドセット(考え方の癖、思考傾向)は2つに分類されており、「証明マインドセット」は自分の能力の証明に、「成長マインドセット」は、自分が向上することに焦点を当てます。わかりやすくいうと、「証明マインドセット」はすごい人と思われたいのに対し、「成長マインドセット」はすごい人になりたいと考えるようです。

次に、「フォーカス」(心の焦点が何か)は2つに分類されており、高いレベルの仕事を達成したいと考える人は「獲得フォーカス」、安定感や信頼性を重視する人は「回避フォーカス」となります。同じ目標に向かっていても、自分にとってのやる気や動機付けられる要因なども異なるので、やり方や戦略が違ってきます。

最後に、「自信の有無」ですが、自信は目標を達成するためには必須の要素です。さらに、成功をするのになぜ自信が必要で、どのように必要な自信(自己効力感)を身につけていくかを紹介しています。

今回は8タイプの中でもモチベーションの観点から特に『破滅的』と診断されている「中二病」と「臆病者」、逆に『最高の仕事人』とされる「新星」と「熟練の匠」からそれぞれ1つずつをピックアップしていきたいと思います。

「中二病」と「新星」は対照的

この2つのタイプの最も大きな違いは、「マインドセット」と「自信の有無」です。自信がないのに自分の能力のなさを周囲に知られたくないんだろうな、という人が「中二病」タイプです。わからないのにわからないと言えず、助けを求めるのを自分の無能の証明だと勝手にきめつけている。何とも扱いに困りますね・・・。

はたまた、エネルギッシュでアイデアに溢れ、壁にぶつかるほど力が湧き出てきて、リクスを恐れない、そんないかにも「できる人」な人は周りにいるのではないでしょうかか?本書ではこのような人のことを「新星」タイプと呼んでいます。

全く真逆の2つのタイプですが、「中二病」が目指すべき境地は「新星」タイプ。「中二病」タイプだって、誰もが憧れるような情熱と前向きさを周囲に伝染させる人に、変われます!

効率的に改善していくには、3つのステップが提唱されています。

画像1


第一段階:証明マインドセットから成長マインドセットに変えていく

マインドセットとは考え方の癖であり、自分が「こう考えよう」と思って考えるわけではないから変えるのは難しい。

自分のマインドセットをシフトする方法の例としては、(1)目標を考えるときには「成長」を意識したものにする、(2)「if-thenプラニングをする」たとえば、人に認められたい、褒められたいと思って目標をきめた時は、この目標を達成することがいかに自分を成長させてくれるかという観点から考えるなどの方法が示されています。

第二段階:必要なスキルと自信を身につける

ここでは、フォーカスの軸別にスキルをつける方法と自信のつけ方が説明されています。決して簡単に解決する問題ではないですが、まずは意識づけをすることが何より大切です。

第三段階:力を発揮する場を作る

「フォーカス」ごとに力を発揮する方法は異なります。例えば、『獲得フォーカス』の人は「よく褒めてポジティブで楽天的な環境を整える」、『回避フォーカス』の人は「建設的な批判と悲観主義でアプローチする」など。

最後に・・・

ここまでざっくりとした内容のまとめをしましたが、何となく理解して頂くことはできましたか?自己理解が不足していると感じている方や、他者理解に苦しんでいるという方にお薦めしたい一冊です。

やる気を出すのに、万人に共通するたったひとつの方法などない!ということと、それぞれの人に合わせて方法を考えることが大切ということを頭の片隅に覚えておいて頂ければと思います。

長々とお読みいただき、ありがとうございました!


もっと読む…
【モチベーションの上げ方】やる気がアップするモチベーターを理解する
社員の内発的動機付けのビッグデータで見えてきたこと
内発的動機づけ vs 外部動機はどちらがより重要か?
社員のエンゲージメントを上げる特効薬はワンオンワンしかない
部下の理解にも1to1マーケティングのような視点を

Attuned
https://www.attuned.ai/jp/home/ 






いいなと思ったら応援しよう!