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サービス化するメーカーとIT化するリテールの出会い~究極のイノベーション・エコシステム~

 日経電子版の記事【未来のコンビニ、パナソニックが丸ごと支援 (リテールテック~衝撃の現場)】は、いかにしてイノベーションを生み出すのか、という最重要事項に関して、改めて考えさせてくれます。



 まず、記事でリポートされている事例を整理してみると、「パナソニックがファミマのFC(フランチャイズチェーン)加盟店となり、パナソニック社員が店長を務める」という、きわめて特異なアライアンスが最大の特徴、肝(きも)となっており、その店舗には、主に5つの仕掛けが施されています――

▶『リテールテック』5つの仕掛け

〇『仕掛け』・・・・・・・・・使われるテクノロジー・・・・・・・・・メリット

①『顔認証決済』・・・顔認識システム・・・(ユーザー)素早い決済。
                  (店舗)無人レジ化。
 *註:まずはパナソニック従業員のみ。

②『全方位カメラなど』・・・業務用監視カメラなど・・・
        (ユーザー)品揃えなど様々な売場のレベルが向上する。
        (店舗)来店客の買い回りを分析。など

③『業務アシストシステム』・・・工場向けの生産効率化システム
      (ウエアラブル端末に品切れ状況など様々な店内情報を表示)
  ・・・(ユーザー)品切れがない、トイレがきれいなど様々な売場の
         レベルが保たれる。
     (店舗)不慣れなアルバイトが働きやすく、店長・ベテラン店員の
       負担が減る。

④『電子値札』・・・液晶・電子ペーパー・・・(ユーザー)売価違いがない。
                 (店舗)値札差し替えの手間がない。

⑤『対面翻訳』・・・液晶・音声機器・・・訪日客へのサービス充実。 

 様々な現場のプロセスにイノベーティブな施策が試みられ、単に店舗サイドの業務が軽減されるというのではなく、業務の質が高まって、最終的にユーザーにとってのメリットが最大化していくようになっています。



 このような、顧客満足の最大化という最終目的を外さないイノベーション、記事の表現では『現場プロセスイノベーション』が実現できたのは、メーカーとリテールの出会いの形、アライアンスが極めて密接なものであったからに違いありません。

 消費の形が体験重視の『モノ』から『コト』へと移っていく第4次産業革命の時代に、『BtoB』的な発想はもはや通用せず、『BtoBtoC』的な発想をより深掘りすることが求められています。

 サービス化し『モノ』と『ソリューション』をセットで提供しなくてはならないメーカーと、IT化しスマホなどを取り入れた新しい生活スタイルを提供して顧客体験の最大化を図らなくてはならないリテールとの出会い、結合は必然的な流れであったのかも知れません。

 メーカーがリテールのFC加盟店となり、メーカーとリテールの情報共有の質と量を飛躍的に高めたことは、イノベーションのスピードを加速させずにはおかないはずで、このような形でのアライアンスは、様々なオープンイノベーションの中でも究極のイノベーション・エコシステムではないかと考えられるのです。



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