『ノモレ』先住民は文明化されるべきなのか
裸の青年が、こちらをにらんでいる。
その眼に、「お前は何者だ」と問われているような気がしました。
表紙の写真から目を反らせなくなり、ジャケ買いをしたのが『ノモレ』でした。
アマゾン奥地の先住民と文明人のドキュメンタリーです。
「ノモレ」は先住民族の言葉で「仲間」を意味します。
先住民と文明人は「ノモレ」ではない。
先住民と一口に言っても、部族が違えば「ノモレ」ではない。
当然のようなことですが、知らないことばかりでした。
これを読んでいると、「文明化」するって何なのだろうと考えてしまいます。
文明化していない先住民と、文明化している私たち。
そこには、信じられないくらいに大きな溝があります。
文字や文明の利器、教育、お金だけじゃない。
人を殺す基準だったり、
時の捉え方だったり、
人との関りだったり、
住む土地の考え方だったり。
本書の主人公は、自分が文明人なのか先住民の末裔なのかで悩みます。
文明のルールと森のルールのどちらに従うべきかで悩みます。
先住民は文明化すべきなのでしょうか?
もし先住民が文明化を希望した場合は、それを助けるべきなのでしょうか?
その場合は、どのように助けるべきなのでしょうか?
子ども達とも考えてみたいテーマです。