ネジで開くカセットテープ by理科系夫
「昔のカセットテープはネジでとめられていた」
そう話す理科系夫の机の上で分解されているのは確かにカセットテープ。
「量産されるようになると、接着剤でとめられるようになった。そのほうが安く作れるから。
初期のカセットテープは、
それなりに高いものだった。」
理科系夫は、テープをつなごうとしている。
なぜ?
このカセットテープは、彼が大学3年生の時に録音したもの。
西暦だと1977年。
ーーー
録音していたのは歌謡曲だ。
当時、FM東京でコーセー化粧品がスポンサーの「歌謡ベストテン」という番組があった。
「コーセー♪
化粧品♪
歌謡ベストテーーーン♪」
番組内でのタイトルコール?をあつこも覚えている。歌える。
若かりし頃の理科系夫は、毎週「歌謡ベストテン」をテープに録音していた。
今のように好きな音楽をすぐに手に入れることができない時代だった。
レコード買えばよかったのだが、好きな曲を全て購入するわけにもいかない。
手軽に歌謡曲を聴くには、やはりラジオだったのである。
FM東京はよく聞いた。
歌謡曲ではないが「ジェットストリーム」があつこのお気に入りだった。
ーーー
付き合い始めたときに、ずらりと並んだカセットテープを見てびっくりした。
(ダイジョウブなのか?この人)と密かに思った。
月ごとに、録音されたカセットテープ。
曲名がきちんと書かれたカセットテープの紙。
実に美しくまとめられていたからだ。
1月2月なら続くだろうが、その並んだカセットテープはざっと見たところ、20個以上あった。
ということは1年を、ゆうに超えている。
ーーー
そして令和の今、なぜカセットテープか。
今年の夏、我が家はリフォームをする。
大々的な断捨離が必要になった。
しまい込まれていたカセットテープも外に出されたのである。
が、彼はそのまま捨てることを拒否。
写真を撮り、すべてをパソコンに記録するとのこと。
そんなことできるの?
理科系夫「ライン入力で、この機械で再生した音をパソコンにつなぐ。つまりデジタル化する」
あつこ、理解不能。
いったいどれほどの時間がかかるのか。
ーーー
こうして「歌謡ベストテン」のカセットテープは順調にパソコンに保存され始めた。
曲を再生しなくてはいけないから、理科系夫の部屋は昭和の歌謡曲であふれている。
例えば、こんな曲目が保存されていく。
(あなたもご存知の曲はあるだろうか。
個人的には「暑中お見舞い申し上げます」が、一番好きだ)
ところが、テープが切れているものがあった。
これでは再生できない。
そこで分解して、つなぎ合わせる作業が必要になったのである。
必要なのは
・小さなねじ回し
・両面テープ
・ハサミ
・カッター
こうして、夜11時も過ぎて、テープつなぎ作業に着手した理科系夫。
成功するかどうか、明日のノートでお知らせする。
(付き合い切れないあつこは、もう寝ます)
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