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「夢のない人だ、、」36年目の結婚記念日
結婚記念日です。
なんと、36年目。
親よりも兄弟よりも、長く一緒にいます。
朝1番、洗面所で会ったら。
理科系夫「いつもありがとう」
こういうところは素直でよろしい。
あつこ「こちらこそありがとう」
ーーー
夕方、帰ってくると。
体の後ろに、何かを隠した理科系夫が近づいてきます。
いやいや、もうばれていますが。
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薔薇の花。今年は3本。
新しくオープンした花屋で買ってきたようです。
理科系夫の花束に寄せる悩みは去年も書きました。どのくらいの長さで切ってもらうか、かすみ草はつけるかどうか。
2年前の結婚記念日には、高さ50センチのバラをプレゼントされて。我慢していたけど、とうとう笑い転げてしまったあつこ。
ーーー
そして、本題のキャンドルです。
椿山荘で結婚式を挙げた私たち。
結婚記念で渡されたろうそくを、毎年律儀に燃やすのが彼のセオリーなのです。
25周年で、とうとう数字のシールがなくなってしまい、東急ハンズで買ってきたシールを貼り付けて。
40周年までのキャンドルを作り上げました。
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花束を渡した後、いそいそとろうそくを取り出していました。
お皿にクッキングペーパーを敷けば最強なのですが。ロウがこぼれる時があるので。(あとから敷いた)
まだ、燃えているので芯は今年は大丈夫そうです。どこまであるのか。ろうそくの芯。
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ろうそくに刺さっているのは「ようじ」と「マッチの軸」です。
これだけの太さになると1年分燃えるのに時間がかかるため、ろうそくの芯を増やそうと言う試みだったのです。
その結果、
・ようじはすぐに消えてしまう
・マッチは小さな光だが、燃え続ける
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理科系夫「マッチの軸の木材は、空間があって、ロウが中に染み込みやすい。
対して、ようじは折れないように中が詰まった木材を使っているため、ロウが染み込む隙間がないからだろう」
と、分析をしていました。
理科系夫「マッチ棒の燃え方が、頑張っていて、けなげだ」
ーーー
だったら染み込みやすい材質で、ろうそくの芯代わりのものを作れば良い。
文系妻を侮るなかれ。
あつこが挑戦です。
新聞を細く切り裂いてねじってみました。
10センチほどのネジネジ。
理科系夫「それじゃ火事になる」
むむ。計画変更して3センチほどのネジネジ。
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これをロウの溶けている池の部分に置き。
ロウを染み込ませます。
そっと火をつける。
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燃えたっ。
少し高く、炎が上がって。
それから安定しました。
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でも、しょせんは新聞紙なのでだんだん燃えて小さくなって。
ロウの池に沈みそうに。
じゃあもうちょっとだけ大きいネジネジを。
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大きめネジネジも無事に火がつきました。
最初にちゃんとロウを染み込ませるのがコツです。
だけど、やはりこちらもだんだん燃えてしまって。
大きいのも小さいのも、ロウの池に沈んで消えてしまいました。
ーーー
文系妻考える。
お酒のキャップの部分。切り取った細い金属がありました。
そこに新聞紙をくるりと巻きつけます。
その新聞紙部分にロウを染み込ませて。
金属なので、燃えて柔らかくなっているろうそくの中心部分に刺せました。
恐る恐る、火をつけると。
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一瞬、15センチくらいの火があがり、ロウが流れ出して下にこぼれてしまいました。
その後、安定的に燃え続けて。
(火事の元にならないよう充分気をつけましょう)
ーーー
理科系夫「1年分燃えたかな」
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柔らかくなったロウを内側に埋めていきます。
「36年めの厚さ」しっかりと押し込みます。
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そして、火を消して。
下に流れ出したロウが、こんな形になっています。
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型抜きのように、取り出します。
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ロウが柔らかいうちに畳んで?
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あつこ「この流れ出したロウはどうするの」
理科系夫「取っておいて、このキャンドルが使えなくなったときに備える」
あつこ「は?」
理科系夫「このロウをとっておいて、新たな型に流し込んで、40年以降のキャンドルとする」
あつこ「新たにキャンドルを作るんですか?
だったら、この36年目の部分を輪切りにしてとっておけば良いんじゃない?それを作るとき、まとめて溶かせば。
わざわざ燃やすの面倒だし」
理科系夫「はあー。。。
夢のない、、、人だ、、」
大きなため息をつきながら、言われました。
心底あきれたように見えるのはなぜ。
一瞬罪悪感を感じてしまったあつこなのでした。
来年の5月22日はどうなるのでしょう。
はあー。
(椿山荘さん、40年目以降のキャンドルってないですか?)
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