何度も読む『男も女もみんなフェミニストでなきゃ』
それはしばらく気になっていた一冊だったが「フェミニスト」という言葉が怖くて買わずにいた。
わたし自身、女性だからという性差別を受けたことはある。でも被害者というには些末な事だと飲み込み生きてきた。フェミニストという言葉に強い主張を感じて、こんな自分が読めるものなんだろうかと手を出せずにいた。
先日、本屋B&Bに『マンゴー通り、ときどきさよなら』の訳者くぼたのぞみさんのお話を聞きに行った。翻訳家のくぼたのぞみさんから、この『男も女もみんなフェミニストでなきゃ』の著者アディーチェはナイジェリア出身でありアメリカでも活躍していて、彼女の文学はアメリカ文学・アフリカ文学とくくれない、「英語」を使った文学の人なのだ、文学の中では「国」はもう消えているようなものだと聞いた。
気になっていたこの本がくぼたのぞみさんの訳したものだとわかり、その場で買ってかえった。
それが梅雨のとき。
暑い夏が始まって、先日、東京医科大学の性差別入試のことが明るみになった。
この本の原題は "We should all be feminists"
くぼたさんはこのWeを”男も女も”と訳した。
この本を読んだわたしはフェミニストをにんげんイストと呼びたい、などRADWINPSみたいなことを思っている。
男も女も、そのあるがままの「ひと」で差別を受けることなく生きられたらと、書くと情けなくなるくらい普通の最低限のことを思う。
女性がそのままの「ひと」でいられることを切に願う。
わたし自身、心の奥底に「男は○○でなきゃ」「女だから○○でいい」という、放ったらかしにしてきた甘い考えの習慣がある。
この本は解説込みで100ページ。何度でも読み返そう。アディーチェは眉間にしわを寄せジェンダー論を語るのではなく、ハイヒールも口紅の重ね塗りも好きだと語り、やさしくわかりやすく話しかけてくれる。
甘えて何度でも読み返そう。
差別を飲み込んでいる自分から、脱するために。(宣言の記録)
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