BS探偵倶楽部〜雪に消えた過去 を遊ぶ沼
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冬になると想い出すあの「雪に消えた過去」
ファミコンディスクシステムの「消えた後継者」「うしろに立つ少女」から始まったこのシリーズは、私にとってゲームという枠を超えた存在だった。攻略本を買い、バーチャルコンソール版や3DSで何度も繰り返し遊んだ、まさに思い出の宝庫だ。
当時の攻略ガイドも、手付かずのまま
どれも思い出深いけど、その記憶を一気に更新したのが、1997年にスーパーファミコンの周辺機器サテラビューで配信された「雪に消えた過去」だ。なんといっても、ゲームと音声がシンクロする「サウンドリンク」。あの仕組みには度肝を抜かれた。
サテラビューの魔力:衛星から降りてきたゲームと音声
サテラビューって、もはや一部の人には伝説の域だろう。スーパーファミコンのくせに、衛星通信でゲームデータと音声をリアルタイムでダウンロードできるなんて、当時のテクノロジーでは夢のような話だった。私もその誘惑に負け、サテラビューを購入。毎週放送日には会社をサボり、テレビ前に正座して待機していたのは良い思い出だ。
流石に本体はもう手元にないが(そもそももう使えない)、説明書だけはいじ汚く保存してある。何度も眺めたのでもうボロボロ
スーパーファミコンのくせに、ナレーションや、肝心の場所では、しゃべってくれるのだ。それが声優の皆口裕子さんの声で、あゆみちゃんにピッタリなのだ。それを聞いてしまうと、それ以降にファミたんをプレイすると、皆口裕子さんの声で脳内変換されて、幻聴のように聞こえてくるから面白い(怖い。
この皆口裕子さんの声ははまり役だったからか、Switch版でのリメイクで採用されているのは、さすがというか当然というか、ありがたいことだった。
で、サテラビューに話を戻すと、このゲームは、サウンドリンクと言って、1時間のゲームプレイ時間が決まっていて、ある時間が来ると強制的にゲームがスタートし、イベント時には、こちらの操作に関係なく、強制的に画面が切り替わり、音声とリンクした小芝居や事件が展開されるのだ。ただ、そのサウンドリンクのタイミング以外は、自由に操作して、聞き込んだり調査したり移動したりできる、その部分はオーソドックスなファミコン探偵倶楽部なのだ、そこはどうってことはない。画面だって、スーパーファミコンなのだから、ファミコンより綺麗という程度。それでも、音声があるだけで、ゲームってこんなに面白くなるんだと、感動したものだ。
これからBS探偵倶楽部〜雪に消えた過去を遊ぶ沼
いきなりなんの前触れもなく、2010年の冬にまさに12月15日にYoutubeにその雪に消えた過去のゲームプレイ画面動画をアップしている人がいた。
速攻で、この前編・中編・後編と各話60分ほどの動画をダウンロードして、音声だけをMP3に抜き出して、ドラマCDの気分で聞いていたことがあった。
サテラビューが遊べればいいのになぁ、と思って検索すると同じようなことを考えている人がいて、サウンドリンクだから、この動画から音声だけを抜き取って、ゲーム開始時にセーノでタイミングを合わせてサウンドリンク音声をスタートさせてゲームを始めると、あら不思議、あの当時と全く同じようにゲームが楽しめてしまうというのだ。ほんと?
非公式な手段でのプレイは法的・倫理的な問題を含む可能性があるため、注意が必要である。任天堂からの公式な再配信やリメイクの発表は現時点でないため、合法的に本作をプレイする手段は残念ながら存在しない。
ということで、このゲームをやりたくて、インテル版のMacにParallelsDesktopでWindows10を買って、ゲームをセットアップして遊んでみた。すごい、完全に音声が同期して、あゆみちゃんがしゃべっている。あの時と同じだ、と思い出してつい正座をしてしまった(嘘。
しかし、本日2024年12月14日(土曜日)現在では、すでにインテル版Mac(iMac 27インチ3台)は処分して手元には、Mac Studio M1 UltraとMacBookPro M2maxしかない。Arm版のWindows11では、その当時のゲームが遊べないのだ、とほほ。(MacBooK Air 11が残っているけど非力)
そこでちょっと苦労して調べてかき集めてみて、Arm版のWindows11でも遊べるように環境を構築できたので、自分のためのメモとして残しておく。
⚠️あくまで自己責任で、ご質問はご遠慮願います。⚠️
環境)
Mac Studio M1 Ultra
Parallels DeskTop Mac版
Windows11 ARM版
SNESGThttps://www.zophar.net/snes/snesgt.htmlここで、Ver 0.218 (Japanese)をダウンロード(最新版ではないのが肝)BS-X.binBS Tantei Club - Yuki ni Kieta Kako 1 (J).smcBS Tantei Club - Yuki ni Kieta Kako 2 (J).smcBS Tantei Club - Yuki ni Kieta Kako 3 (J).smc
オプションから設定を開いて、BS設定を選んで、
日付と時刻は、1997年4月1日 18:00:00 に設定する(これ以外は起動しない、というかおかしな挙動になる)
設定が終わったら、ファイルを呼び出せば遊べます。
あとは、音声ファイルをitunesで同期するだけなので、動画から編集するなりして用意する。そして、ゲームスタートとサウンドリンク音声をリンクさせてスタート
日付設定を18時にしておくことで、ゲームを開始すると、「時刻を確認しています」という待機状態になり、それから待つこと1分ほどすると基本のゲーム画面が出てきて、触れるようになるが、それがゲームシステムを理解するための練習画面だという表示が出て、あちこちクリックして、どうやって使えるかを覚える時間となる。
3:39 おや、向こうに誰かいるようです。ちょっと呼んでみましょう。
3:49 「わしに何か用か?」
と初めて村人が現れ、コマンドやシステムについての質問ができるようになります。
4:42 そういえば、捜査指数のことを言い忘れておったぞ。「捜査指数」は、
どれだけ完璧に操作をしたかの目安じゃ。毎回の最後に、表示されるのは、その時点までの捜査指数で、満点は常に100%じゃ。前編終了時に100%でも、中編後編でがんばらないと捜査指数は下がっていくから要注意じゃ。
と勝手に解説をしてくれます。
そしてカウントが5分でちょうど橘あゆみが出てきて、皆口裕子さんのナレーションが入る。音声と画面のセリフが完全にシンクロしている。
それがこれ↓
このあと、ゲームがスタートするが、前編・中編・後編は、わずか1時間ずつしかプレイできない設定なので、それほど時間をかけずに遊べる。(それでも3時間は拘束されるが)
まぁ、私なんぞはこうやって、遊ぶくらいしかできないが、世の中には、このBS探偵倶楽部の残滓で遊ぶだけではなく、なんと、サウンドリンク全編で流れていた音楽を全て耳で完コピしてアレンジしてしまう猛者がいた。
この動画のジャケットのイラストも、手書きで復元したという執念、恐ろしい、、、才能が耳から溢れて音楽になってしまったような人だ、こういう人のことを復元師とかいうらしい(?
この復元師との出会いに関しては、また別途ブログを書く。
そのレベルには到底追いつけないが、私はこのイラストの元になった雑誌のページを持っているので、この文字を消すとしたら、せぇ〜ぜぇ〜AIでゴニョゴニョするくらいだが、色々いじったけど、まだAIも復元師には遠く及ばなかった。
「雪に消えた過去」は思い出ではない、現在進行形の沼だ
たとえ公式な配信とサービスが終わっても、それは大きな問題じゃない。
今日も私は、「雪に消えた過去」という記憶の氷原を渡り、サウンドリンクの声と音に耳を澄ましながら、あの頃のサテラビューの夜に降り積もった感動を掘り起こし記憶を甦らせるプロセス――という名の底なし沼へ、躊躇なく足を踏み入れるのである。その道中で感じるのは単なる懐かしさではない。むしろ、時間を越えた再会の喜びと、新たな挑戦に挑む興奮。どれだけ寄り道し、どれだけ試行錯誤を繰り返しても、この旅が終わることはない。それこそが、沼の住人にとっての真の快楽であり、存在意義なのだから。
つづく。いや、終わらない。