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2024年6月の記事一覧
「お隣さんはヒトラー?」
映画『お隣さんはヒトラー?』公式サイト https://hitler-movie.com/ 今もナチス、ホロコースト、またもや、と思いきや・・・ 今も毎年、この題材の映画が多くつくられる。 決して許されない忘れてはいけない事実であることに 異論は全くない。 が、正直こんなにまで多く、、、、 と思う。 しかし、本作は見事に見る側のそんな思いを覆えてしまうツボが。 ホロコーストで家族を亡くし 老後を南米で一人暮らすユダヤ系ポーランド移民の「ガンコなお爺さん」。 彼の隣家に謎の人物が引っ越してくる。 時は1960年、 南米に逃れていたナチスの重罪戦犯がイスラエルの強力な捜査網で逮捕された時期。 そこにあのヒトラーと思われる人物が引っ越してきたことで このお爺さんは俄然、私設調査を始める。 自殺したはずのヒトラーが実はこの南米で生きている!? 物語は思わない方向に展開し・・・ なんと、二人の中には友情すら芽生えるなどもし 思いがけないものとなっている。 この奇想天外なストーリー その重要な要素の一つが お爺さんの自宅の窓からの隣人の偵察。 プロダクションノートでは この偵察する窓、家屋という重要なセットに苦心したとのこと。 言われてみれば、うなずける。 そう、個人的にはヒッチコックの「裏窓」を思いだしたかな。 裏窓 : 作品情報 - 映画.com https://eiga.com/movie/5440/ ともかく 愚かな戦争、しかもホロコーストという悲惨な題材から このような物語を編み出した製作陣に乾杯ですね。 監督は、本作が長編2作目となるレオン・プルドフスキー。 1978年、ロシア・レニングラード(現サンクトペテルブルク)生まれ。 13歳の時にイスラエルへ移住し、テルアビブ大学で学士号を取得。 ヴェネチア国際映画祭、トロント国際映画祭等で評価を得る。 他にTVムービーシリーズでも活躍。 隣人をヒトラーと疑うお爺さん役のデヴィッド・ヘイマン。 英テレビドラマ「ロンドン警視庁犯罪ファイル」(97~09)の マイク・ウォーカー警視役で知られる、 ヒトラーに疑われるヘルツォーク役のウド・キア。 『マイ・プライベート・アイダホ』(91)、『アルマゲドン』(98)等で わきを固める名優。 そして 『ダンサー・イン・ザ・ダーク』(00)を始め、 ラース・フォン・トリアー監督のほぼ全作に出演しているとのこと。 ダンサー・イン・ザ・ダーク : 作品情報 - 映画.com https://eiga.com/movie/1044/ 2024年7月26日 公開 @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@ 今月試写した映画 「潜水艦コマンダンテ」 映画『潜水艦コマンダンテ 誇り高き決断』オフィシャルサイト 2024年7/5(金)公開 https://comandante.ayapro.ne.jp/ 2024年7月5日 公開 「フェラーリ」 映画『フェラーリ』公式サイト|7月5日(金)全国公開 https://ferrari-movie.jp/ 2024年7月5日 公開 「Shirly」 映画『Shirley シャーリイ』公式サイト https://senlisfilms.jp/shirley/ 2024年7月5日 公開 「クレオの夏休み」 映画『クレオの夏休み』公式|7月12日(金)公開 https://transformer.co.jp/m/cleo/ 2024年7月12日 公開 「ある一生」 映画『ある一生』公式サイト https://www.awholelife-movie.com/ 2024年7月12日 公開 「わたしの物語」 映画『わたしの物語』公式サイト 6月22日(土)より新宿K’s cinemaにてロードショー‼ http://www.pan-dora.co.jp/watashi/ 2024年6月22日 公開 「郷愁鉄路~台湾、こころの旅」 映画『郷愁鉄路~台湾、こころの旅~』公式サイト – 台湾と鉄道を愛するあなたに捧ぐ、情緒溢れる記録映像 7月5日(金) 新宿武蔵野館ほか全国順次公開 https://on-the-train-movie.musashino-k.jp/ 2024年7月5日 公開 「お母さんが一緒」 映画『お母さんが一緒』公式サイト https://www.okaasan-movie.com/ 2024年7月12日 公開 「墓泥棒と失われた女神」 映画『墓泥棒と失われた女神』オフィシャルサイト https://www.bitters.co.jp/hakadorobou/ 2024年7月19日 公開 「幸せのイタリアーノ」 映画「幸せのイタリアーノ」 公式サイト – 2024/7/26(金)より シネスイッチ銀座他にて全国順次公開 http://cdt.onlyhearts.co.jp/ 2024年7月26日 公開 「時々私は考える」 映画『時々、私は考える』公式サイト 7/26(金)ロードショー https://www.sometimes-movie.jp/ 2024年7月26日 公開 「Dito」 映画『DitO』 公式サイト https://www.ditofilm.com/ 2024年7月26日 公開 「お隣さんはヒトラー」 映画『お隣さんはヒトラー?』公式サイト https://hitler-movie.com/ 2024年7月26日 公開 「ロイヤルホテル」 映画『ロイヤルホテル』公式HP https://unpfilm.com/royalhotel/ 2024年7月26日 公開
「ある一生」
映画『ある一生』公式サイト https://www.awholelife-movie.com/ シンプルかつ力強い。 ストーリは 1900年頃のオーストリア・アルプス。孤児の少年アンドレアス・エッガーは遠い農場の親戚に預けられ過酷な生活が始まる。 唯一身を案じてくれた老婆が亡くなるとそこを出て、アルプスに作られるロープウェー建設の日雇い労働者として生計を立てる。 生活は苦難でも独自性を持った自分の人生、愛する娘とも結ばれる。 しかし、その安らぎもひと時しか続かず、 その後第二次世界大戦でソビエト戦線に送りこまれ帰還はする。 時代は進み、今はアルプスのリゾート地となったかつての日雇い労働の場を前に 彼にはかつての思い出がフラッシュバックのように流れる。 そして人生の終末を迎える。 という、確かな「ある人生の一生」を描いた シンプルかつ力強い作品。 原題は「ein ganzes leben」 意味は「一生」 タイトルも内容も誠にもってドイツらしい! 以下はあくまでも資料から (なんたって僕は誰も知らなかった) 原作は ローベルト・ゼーターラーの同名小説でブッカー賞最終候補にもなった作品。 主役のアンドレアス・エッガーは年代ごとに3人の俳優が演じる。 幼少期をイヴァン・グスタフィク、青年期をシュテファン・ゴルスキー、老齢期を性格俳優のアウグスト・ツィルナー。 監督は、『ヒランクル』(03)、『アンネの日記』(16)のハンス・シュタインビッヒラー、脚本は、『マーサの幸せレシピ』(01)のウルリッヒ・リマー。 2024年7月12日 公開
「わたしの物語」
映画『わたしの物語』公式サイト 6月22日(土)より新宿K’s cinemaにてロードショー‼ http://www.pan-dora.co.jp/watashi/ またまた 色々と投げかけてくれる作品です。 極めてまれな障がいを持つ女性が 撮影期間4年にわたり自ら撮影・監督したセルフ・ポートレイト・ドキュメンタリー。 主人公で監督のエラ・グレンディニングは 股関節がなく、大腿骨が短いという極めて稀な障がいのあるイギリス人女性。 障がい者差別が未だに根強く残るこの社会で、同じ障がいのある人をSNSで探し、 自分を更に愛するには何が必要と自分らしい生き方を模索する自らの姿を記録した作品。 柱は 治療をすれば障がいは改善されるだから「障がいを治す」とすることに対して 実はその意識の底辺には「障がいは害である」という「障がい者差別(エイブリズム)」の実在。 そして彼女は障がいがあっても「そのままでいい」という力強いメッセージを発信する。 自身の出産や母親、友人などの状況が彼女を取りまき、これまた考えさせられるドキュメンタリーだ。 【資料から】 〈障害者差別(エイブリズム)〉 エイブリズム(Ableism)/非障害者優先主義/健常者優先主義/能力主義 能力のある人が優れているという考えに基づいた、障害者に対する差別と社会的偏見を意味する。 辞書には「障害(=他の人がすることが難しくなるような病気、怪我、状態)を持っていることを理由に 不当な扱いを受けること(出典元:Cambridge Dictionary)」と記載されている。 日本語では「非障害者優先主義」「健常者優先主義」、「能力主義」とも訳される。 エイブリズムの根底には、障害者は「治す」必要があるという前提があり、 障害によって人を定義する考え方がある。 エイブリズムは、人種差別や性差別と同様に、ある集団全体を「劣ったもの」として分類し、 障害を持つ人々に対するステレオタイプや誤解、一般化などを含む。 2023年サンダンス映画祭ワールドシネマ部門正式出品 2023年クラクフ映画祭最優秀ソーシャル・イシュー映画賞 2023年ミルウォーキー映画祭審査員特別賞他 SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2023上映作品(映画祭上映時邦題『あなたを探し求めて』) 2024年6月22日 公開 @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@ ここで提示されている問題とは 「答えの無い問題」 ともいえる。 直接関係ないが僕の好きなTV番組で NHKのEテレの「ニュー試」というのがある。 世界の一流の大学の入試をユニークに紹介する番組。 取り上げられる大学が求めているのは グローバルでイノベーティブな人材 と 専門性のある人材 という大きく二種類に分けられるようだ。 特に前者である、例えばハーバードやMIT、シカゴ大などが求めている能力とは まさに「答えの無い問題に対する解決能力や姿勢」が求められている。 今回の題材もそうした一環ではないかと、ふと思いました。 ニュー試 - NHK https://www.nhk.jp/p/newshi/ts/3MWXJL2V4J/
「クレオの夏休み」
映画『クレオの夏休み』公式|7月12日(金)公開 https://transformer.co.jp/m/cleo/# こういう愛の形、暖かさって好きだな。 パリで父親との二人暮らしの幼い少女クレオ。 母を亡くした彼女には一緒に暮らす乳母グロリアが大好き。 だがアフリカの島国出身のグロリアは事情があり母国に帰ることになる。 悲しむクレオをグロリアはバカンスの期間だけ自宅に招待する。 グロリアには島に残してきた実の子供たちがおり ここで繰り広げられるそうした家族たちとの交流や はたまた、クレオにしてみると 自分の愛を彼らに奪われてしまわないか、という幼い不安や葛藤が物語を筋立てる。 そして このような心を洗われるような物語「家族」の関係に 「南北関係」というもう1つの問題が提起される。 舞台となるアフリカ北西部の島国「カーボベルデ」は 美しい島国であるとともにポルトガルの植民地であった歴史を持ち 未だに貧しく グロリアはいわゆる経済移民として家族を島に残し パリでの出稼ぎで島に残してきた家族の生活を支えていた。 ストーリーは こうした世相的問題も内包しつつ シンプルな乳母との愛情物語を軸に展開される。 そして場面転換ごとに、描かれる素晴らしいアニメ映像 これがまたこの作品の美しさを倍増させ品位すら醸し出す。 また UPを多用したカメラワークも それぞれの心の中を表わせているような効果をもたらし ポイントになっている。 監督のマリー・アマシュケリは 1979年7月16日生まれのジョージア系フランス人。映画監督、脚本家。 共作の長編デビュー作『Party Girl』が2014年カンヌ国際映画祭の「ある視点」部門に出品され、カメラドールを受賞。セザール賞の最優秀長編映画賞と最優秀編集賞にノミネートされる。 本作『クレオの夏休み』が単独での初長編監督作となる。 自身が幼い頃にポルトガル出身の乳母に愛情ゆたかに育てられた実体験が本作制作のきっかけでもある。 主人公クレオ役のルイーズ・モーロワ=パンザニ なんと!パリの公園で遊んでいたところを偶然キャスティングディレクターが見かけたことから主役に抜擢された。しかし、その純真無垢な演技?は目を見はるものですぞ。 アニメーション制作は フランスで活躍するアニメーション作家・イラストレーター、ピエール・エマニュエル・リエ。 監督アマシュケリとの共作で、フレームひとつひとつに手作業でブラシを用いたペイント方法で、絵本のような温かい世界を表わしている。 2023年カンヌ国際映画祭<批評家週間>オープニング作品 2024年7月12日 公開 PS 島国カーボベルデ 行きたくなった!