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2022年9月の記事一覧
「スーパー30 アーナンド先生の教室」
https://spaceboxjapan.jp/super30/ テーマから マット・デイモン主演、ロビン・ウィリアムズ助演の天才数学者を描いた 僕の大好きな映画「グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち」 https://movies.yahoo.co.jp/movie/83888/ のようなものを想像していたのだがまったく違った・・・・・。 インドの事実に基づく物語・・・ 事実とは、 1973年にインド:ビハール州で貧しい家庭に生まれた数学者アーナンド・クマール。 数論に関する論文がケンブリッジ大学で評価され、入学が許可されたものの、 渡航費用を工面することができず断念。 その後彼は2003年 に 貧しくとも優秀な子供たち30名を無料で世界的超難関校、 インド工科大学(IIT)の入試対策を指導する私塾を開く。 因みに、このIITは個々に落ちた学生が アメリカのあのマサチューセッツ工科大学(MIT)に入る というのは事実らしい。 そうした超難関校に毎年20人前後が合格し、 2008年、2009年、2010年、2017年には、30人全員が合格した。 このような十分内容のある題材と活躍を劇的にアレンジした作品。 もちろん かつてのほどではないけれど、唐突に「踊り」のシーンが入ってきたり 派手なSEや効果音楽があり (ああ、インド映画だなぁ)と。 たびたび作品の中で表される言葉に力がある。 『王の子供だけが王になれる』という考えが今も残るインド。 能力はあっても、劣等感を持つ30人の生徒たちに主役のアーナンドは語る、 「もう王の子供は王じゃない。王になるのは能力ある者だ」。 それと 映画の冒頭で 卒業生であり功績を評される若者が語る事実にも改めて、そうか!と 「インドは貧しい国?コールセンターの国? ではあるが、 ペプシコーラ、ユニリーバ、マスターカード、ボーダフォンの 社長をグーグルで調べてみてください。 全てインド人です、そのグーグルの社長でさえも。 人材の国」と。 PS 僕、数学苦手です。。。。 2022年9月23日 公開
「オルガの翼」
http://www.pan-dora.co.jp/olganotsubasa/ ウクライナ、 2014年2月、親ロシア大統領ヤヌコーヴィッチを追放した ユーロマイダン革命を題材にした作品。 2020年でこの作品は終わっている。 という事は、2022年の戦争には当然触れられてはいない。 しかし、 彼らのおかれた状況を、2022年の目で見ることができる私たちには 十分、というか十分すぎるほど説得力のある作品だ。 15歳のオリンピアンを目指す女子体操選手の目から物語は展開する。 1994年生まれの若き監督、エリ・グラップの訴えがそこに、今こそ。 初長編作にして「カンヌ国際映画祭SACD賞」受賞 今です、今見ないと! 先日、知人から教えてもらったことに ピカソが1937年に描いた絵画と同じ絵がらせ作られた壁画には 左はスペイン語、右はバスク語で 「"GUERNICA" GERNIKARA」と表記されている、と。 本作品の主人公は母がウクライナ人、父がスイス人 自信を取り巻く環境ではウクライナ語、フランス語、ドイツ語、そしてロシア語が、 ・・・・彼女はどう平和を語ったらよいのか、考えてしまった。 2022年9月3日 公開
「デリシュ!」
映画『デリシュ!』オフィシャルサイト 2022年9/2公開 https://delicieux.ayapro.ne.jp/ フランス革命直前 宮廷料理人であった主人公が 自信を持って作り「デリシュ」と名付けた料理。 だがそれには当時まだ食材としては不可であると誤解されていた ジャガイモを使ったもので、貴族らの反感を買って解任される。 そこから、世界初めて(という設定)の一般人の為のレストランを開く。 ここを舞台に、革命前夜の時代背景に繰り広げられる エンタテイメント性も十分高い作品となっている。 主演のグレゴリー・ガドゥボワは実力演技派俳優、いい味出している。 個人的には、間抜けな公爵を演じるバンジャマン・ラベルネに惹かれた。 資料によると ガドゥボワはゴダール監督の二番目の妻の自伝的小説を映画化した「グッバイ・ゴダール!」などで助演 ラベルネは2017年のフランスコメディー映画「セラヴィ!」で助演 といった脇を固める実力が評価される役者ということだ、今後さらに期待。 監督のインタビューにある 下記を知ると、この作品に込める思いがより一層わかる気がした。 一部引用: 「・・・私はフランスのアイデンティティを形作るものに焦点を当てたいと思いました。自分たちの国の神話とアイデンティティに絶えず取り組んでいるアメリカ人は、この分野のチャンピオンです。彼らは星条旗、開拓者精神、そして自立した男の神話を持っています。イギリスには孤高性と王族があります。フランス人のDNAに関するプロジェクトを構築する可能性について考えたかったのです。18世紀について読んでいるとレストランのコンセプトの発明に出くわしました。私はこの歴史的遺産の起源について疑問に思ったことはありませんでしたので、いくつかの調査をしましたが、すぐに手ごたえを感じました。美食という、座って食事をし、陽気な瞬間を共有すると同時に、啓蒙の時代と革命の要素を全て備えているものがそこにありました。」 最後に 個人的雑学を。 「なぜ、フランス料理人はあんなに威張って(ように僕は感じる)いるのか?」 それは、フランス革命が関係しているのです。 というのは この映画にもあるように 当時、料理人とは、貴族の食卓の料理人であり 一般のレストランなどというものは存在していなかった。 しかし、フランス革命により多くの貴族が没落し 伴って、多くの宮廷料理人が失業する。 彼らは仕方なく一般人相手の「レストラン」を始める。 当然、彼らは「私たちは貴族の料理人」というプライドがあり どうしても、一般市民に対しては「作ってあげる」という上から目線が その根源にあるという説がある、真偽のほどは確かではないが 説得感のある説だと思う。 僕はどうしても、 フランス料理というとソースの味で方向を決めている感じがして それより素材を楽しみたいなと常々思うわけなんです、けど・・・ でここでまた雑学: 「なぜ、フランス料理はソースなど手を加える料理が多いのか?」 答えは、パリを中心に栄えたフランス料理、当地は新鮮な食材がなかなか手に入らない内陸地 冷蔵技術が発達していなかった時代には、こうした加工が不可避であったから、という説。 だからというわけではないが冷蔵技術が発達した現代では、 伝統的なフランス料理に加えて、新鮮な、あまり手を加えない食材の味を生かした料理が人気になっているというのも事実のようだ。 では ぼなぺち! 2022年9月2日 公開