「デリシュ!」 極楽試写会/コラムンの犬 2022年9月1日 18:57 映画『デリシュ!』オフィシャルサイト 2022年9/2公開https://delicieux.ayapro.ne.jp/フランス革命直前宮廷料理人であった主人公が自信を持って作り「デリシュ」と名付けた料理。だがそれには当時まだ食材としては不可であると誤解されていたジャガイモを使ったもので、貴族らの反感を買って解任される。そこから、世界初めて(という設定)の一般人の為のレストランを開く。ここを舞台に、革命前夜の時代背景に繰り広げられるエンタテイメント性も十分高い作品となっている。主演のグレゴリー・ガドゥボワは実力演技派俳優、いい味出している。個人的には、間抜けな公爵を演じるバンジャマン・ラベルネに惹かれた。資料によるとガドゥボワはゴダール監督の二番目の妻の自伝的小説を映画化した「グッバイ・ゴダール!」などで助演ラベルネは2017年のフランスコメディー映画「セラヴィ!」で助演といった脇を固める実力が評価される役者ということだ、今後さらに期待。監督のインタビューにある下記を知ると、この作品に込める思いがより一層わかる気がした。一部引用:「・・・私はフランスのアイデンティティを形作るものに焦点を当てたいと思いました。自分たちの国の神話とアイデンティティに絶えず取り組んでいるアメリカ人は、この分野のチャンピオンです。彼らは星条旗、開拓者精神、そして自立した男の神話を持っています。イギリスには孤高性と王族があります。フランス人のDNAに関するプロジェクトを構築する可能性について考えたかったのです。18世紀について読んでいるとレストランのコンセプトの発明に出くわしました。私はこの歴史的遺産の起源について疑問に思ったことはありませんでしたので、いくつかの調査をしましたが、すぐに手ごたえを感じました。美食という、座って食事をし、陽気な瞬間を共有すると同時に、啓蒙の時代と革命の要素を全て備えているものがそこにありました。」最後に個人的雑学を。「なぜ、フランス料理人はあんなに威張って(ように僕は感じる)いるのか?」それは、フランス革命が関係しているのです。というのはこの映画にもあるように当時、料理人とは、貴族の食卓の料理人であり一般のレストランなどというものは存在していなかった。しかし、フランス革命により多くの貴族が没落し伴って、多くの宮廷料理人が失業する。彼らは仕方なく一般人相手の「レストラン」を始める。当然、彼らは「私たちは貴族の料理人」というプライドがありどうしても、一般市民に対しては「作ってあげる」という上から目線がその根源にあるという説がある、真偽のほどは確かではないが説得感のある説だと思う。僕はどうしても、フランス料理というとソースの味で方向を決めている感じがしてそれより素材を楽しみたいなと常々思うわけなんです、けど・・・でここでまた雑学:「なぜ、フランス料理はソースなど手を加える料理が多いのか?」答えは、パリを中心に栄えたフランス料理、当地は新鮮な食材がなかなか手に入らない内陸地冷蔵技術が発達していなかった時代には、こうした加工が不可避であったから、という説。だからというわけではないが冷蔵技術が発達した現代では、伝統的なフランス料理に加えて、新鮮な、あまり手を加えない食材の味を生かした料理が人気になっているというのも事実のようだ。ではぼなぺち!2022年9月2日 公開 いいなと思ったら応援しよう! チップで応援する #映画 #デリシュ