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極楽試写会

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新作映画の試写会の案内もオンラインでの試写が増え、 気軽に自分なりに選んだ作品の試写をしております、 極楽気分で。 そんな中、皆さんにも見てほしいなと思った作品を紹介したいなと
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2022年7月の記事一覧

極楽試写会(番外編):岩波ホール

今日2022年7月29日 岩波ホールが50余年の幕を閉じる。 昨日、たまたま、神保町に行く用事があったので見納めにと外観を写真におさめてきた。 40数年前の学生の頃には何だか敷居が高い映画館だったが 大人になってから、良い作品に誘われて何度か足を運んだ思い出の場所。 このブログでも紹介した作品も上映されている。 単館系の先駆けとして始まり、選び抜かれて上映される作品の質の高は ・・・少々高すぎて難しすぎるときもありましたが・・・素晴らしいものだった。 山田洋次監督が 先日の

「L.A.コールドケース」

https://la-coldcase.jp/ 珍しく サスペンス物の紹介。 90年代LA 人気ラッパー2人が射殺された 実際にあった事件を題材にした作品。 ポイントは 主役のジョニー・デップ 助演のフォレスト・ウィテカー この二人の演技の妙に尽きるし この二人を取り巻く各出演者が皆、一筋通った演技で 更に全体を締めてくれていて そこに引き込まれる作品である。 ・・・「内容は難しかったが」 というのは 勿論、題材がそもそも迷宮入りの実際の事件ゆえに、事実の絡み合いが複

「アプローズ、アプローズ!囚人たちの大舞台」

http://applause.reallylikefilms.com/ これはGOOD!!! この作品の紹介したい度はトップレベル※です! 僕はこういう作品、好きです。 スウェーデンの刑務所であった実際の話 ・・・それだけで、何だか魅かれる傾向はあるが・・・ をフランスにアレンジしたものだ。 素人や場違いな人たちが、演奏や舞台など晴れの場に挑戦する姿を描く ・・・それだけで、何だか魅かれる傾向はあるが・・・ 映画はよくある。 が、この作品はそれらだけではない。

「掘る女  縄文人の落とし物」

https://horuonna.com/#modal 内容はタイトルでわかるように 縄文土器の発掘作業に携わる女性を取り上げたドキュメンタリー。 過剰に装飾するでもない、することもない いたって地味な題材なんだが 取り上げる素材(人物)とその深堀の仕方に 監督の力量が表れている。 と、それもそのはず、 監督の松本貴子 85年スタートのあのファッション番組「ファッション通信」の立ち上げ、 ドキュメンタリーのジャンルではTV番組「情熱大陸」でディレクターを、映画では15年に「

「あなたと過ごした日に」

映画「あなたと過ごした日に」公式サイト (amped.jp) いやぁ 映画って良いですね。 第一に映画製作には国境はない、と思わされた。 順を追って記すと ・原作はコロンビアの作家エクトル・アバド・ファシオリンセのベストセラー小説、実話 ・この小説はノーベル賞を受賞しているペルーの作家マリオ・バルガス・リョサが「近年で最高の読書体験」と評する作品 ・監督のフェルナンド・トルエバは『ベルエポック』(93)で、アカデミー賞外国語映画賞を受賞したスペイン人 ・主役のハ

「ルッツ 海に生きる」

極楽試写会のブログのスタート期に当たり ストックしていた良い作品のなかから 公開直後のものを 立て続けに紹介することにします。 http://luzzu-movie.arc-films.co.jp/#modal 地中海の けっして豊かではない漁師が主人公。 劇的な展開はないが 心にじっくりと染み入る、これって映画だよなぁ・・・と思わせる作品。 そこには 主人公の人生の喜怒だけではなく 彼が選ばざるを得なかった道、 根底には 地球環境の問題 人種差別問題まで 実は広く深い内